「授乳中にスマホなんて見ちゃダメ! ちゃんと子どもの表情を見てあげて」「何でもかんでもスマホに頼って…スマホに育児させてるんじゃないの?」



こんな風に言われた経験があるママは多いのではないでしょうか? かくいう筆者も一度ならず「授乳中にスマホなんて…」と言われたことがあります。



しかし、現時点で「確かに授乳中のスマホは絶対よくないな」なんて後悔したことは一度もありません。

むしろ、夜中の孤独でつらい授乳中に、スマホに助けられたな…という気持ちのほうが強いのです。



■「授乳は大切なコミュニケーション」とは言うものの…



以前、雑誌でこんなやり取りを見つけました。



とあるママが「授乳中にスマホやテレビを見るのはよくないとわかっているけれど、ついつい時間をもてあまして見てしまう。これってやっぱり赤ちゃんにとってはよくないことでしょうか?」



するとこんな回答が寄せられていました。



「あなたは、好きな人にハグしたりキスしたりしているのに、彼があなたの方を見向きもせずにスマホやテレビに夢中になっていたら、どんな気持ちがしますか? それと同じことです」



その一文に「そうなの!?」とビックリした筆者。それというのも、現在8歳の娘が赤ちゃんの頃は、授乳中には頻繁にスマホやテレビのお世話になっていたからです。



もちろん赤ちゃんの頭の上でスマホを片手でいじるのは電磁波の影響も怖かったし、何より手がすべって赤ちゃんの頭にスマホを落としてはいけない!と思っていたので、ソファの横にサイドテーブルを設置して、そこにスマホを置いて使用していました。



最初のうちは「授乳は親子の大切なコミュニケーション! ちゃんと赤ちゃんの目を見てあげて」と聞いていたので、授乳中は娘の顔をじっと見ていたのですが、首は痛いし肩はこるし、何より夜中の授乳中は眠気が酷くて、つらくてつらくて…。



そんなときにふと、こう思ったのです。



「つらいなぁ、眠いなぁ、しんどいなぁ…ってネガティブなことを思いながら授乳してるのに、これで本当にコミュニケーションが取れてるの?」



■ママも授乳中はリラックスしていいはず!



それからは、ちょっぴり罪悪感を覚えつつも、授乳中にちょくちょくスマホを見るようになった筆者。子育てママの情報交換サイトや掲示板、SNSで色々な情報を収集したり、友達のメールに返信したり。



夜中の授乳中、眠気と格闘しながらSNSを見ると、そこには「いま深夜の授乳中。

眠いよ~」という書き込み。



思わず「私も授乳中です!お疲れ様です!」と書き込みをして、「あぁ、いま頑張っているのは私だけじゃないんだ」と心強く思えたり、遠く離れた友人からのメールを読んで、温かい気持ちになったり…。



睡眠不足の時って、あれこれネガティブなことを考えがち。夜中の授乳中は「もう、しんどいなぁ、眠いなぁ、早く寝てくれないかなぁ」と思ってばかりいた筆者ですが、そんなときにほんの少しだけスマホを見ることで、「よし、頑張ろう!」と思えたのです。



少々大げさに言うと、筆者は「スマホ授乳」に大いに助けられたひとり。なので、声高に「スマホ育児は絶対にいけない! 絶対に禁止!」なんて断言することはできません。



ただでさえ、外の世界とは隔離され、取り残されたような気持ちになってしまう育児期間。スマホはいわば、外界との繋がりを保ってくれる大切な機械。何もかもに「完璧」を求めて、ママをますます追い詰めて、いったい誰が得をするというのでしょうか?



「ながら授乳は絶対にダメ」という意見を聞くたびに、筆者は息苦しくなるような感覚を覚えるのです。



もちろん、授乳中にずっと子どもの顔を眺めることが苦痛じゃない、それが喜びだ、という人は、それでいいと思います。それができるのは本当に素晴らしいこと。スマホを見てしまうママは、それができないがゆえに罪悪感を抱いてしまうのですから。



毎日息つく暇もないくらい子育てに奮闘しているママたちが、ほんの少し自由になれる時間。授乳時間がそうであってもいいじゃないですか。



いい加減、自己犠牲を払えば払うほどいい子に育つ、という呪縛からママたちを解放してあげてほしい、と思う筆者です。



■大切なのはママがストレスを溜めないこと



「授乳中にスマホを絶対見てはいけない!」という意見に賛同はできません。しかしだからといって「授乳中は赤ちゃんがこっちを見ていても、それを無視してスマホを見ているのか」というと、そうではないのです。



もちろん赤ちゃんの様子も見ながら、しんどいなぁと思った時にスマホを見て気分転換する。それでいいと思います。



大切なのはママがストレスを溜めてしまわないこと、追い詰められてしまわないこと。何事もほどほどに…それでいいのではないでしょうか?



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