金銭トラブルに巻き込まれるのは大人だけではありません。小学生の間でもお金の貸し借りなどの金銭トラブルは多々起こっているのです。



今回は、小学生の間で実際に起きたお金をめぐる2つのエピソードをご紹介。もし、あなたのお子さんが友達とおかしなお金のやり取りをしていたら…果たして親としてどのような対応をするのが正解だと思いますか?



■クラスメートに大盤振る舞いする子に仰天!



小学3年生の男の子のママ、Aさんが体験したエピソードです。



「3年生になってから、放課後は同じクラスの男の子4~5人と公園で遊ぶようになりました。毎日『今日も待ち合わせしているから』と宿題をさっさと終わらせて遊びに行く息子。最初のうちは門限の5時にはちゃんと帰ってくるので、私はすっかり安心して、いつの間にか様子を見に行くこともなくなりました」



息子は公園で野球をしていると信じて疑わなかったAさんですが、ある日、遊びに行った息子が持ち帰ってきたものに不信感を抱きます。



「息子がペットボトルのジュースと玩具菓子のおまけを持って帰ってきたのです。

玩具菓子はスーパーで300円くらいする高価な物。うちではめったなことでは購入しません。何よりも、息子が遊びに行くときにお金なんて1円も持たせてはいないんです」



「そのお菓子とジュース、どうしたの?」と聞くと、気まずそうに口を閉ざす息子。「言いなさい!」と声を荒げるとようやく白状しましたが…。



「グループのひとりの子が、いつも『おごってあげるからコンビニ行こうぜ』と息子たちを誘い、コンビニで大盤振る舞いするそう。その子いわく『おばあちゃんから、友達とお菓子を買っておいで、とお金をもらっている』らしいのですが…」



その子からAさんの息子がおごってもらったのは3回、総額2,000円ほど。

Aさんはすぐに件のクラスメートの家に電話をして事情を話し、今までおごってもらった金額をすべて返済したそうです。



「息子には、『お金の貸し借り、おごりおごられで仲が良くなることは絶対にない。それにあなたがおごってもらったお金は、彼が稼いだお金ではないのよ』と話しました」



その後、Aさんは息子の仲良しグループの保護者と連絡を取り合い、公園にお金を持っていくのは禁止ということを子供たちに伝えたうえで、当面の間は親が順番に公園に出向いて子供たちの様子を見守ることにしたそうです。



■友情をお金で買おうとする子供



続いてお話してくれたのは、小学5年生の女の子のママ、Hさん。



「5年生になってから、娘はウマが合うクラスメート4人と仲良くなりました。土曜や日曜の休日は待ち合わせをして公園で遊んだり、お互いの家を行き来したり。

小学校高学年になると、友達関係が難しくなると聞いていたのですが、娘に関してはそんな心配ないな…と安心していました」



しかしそこに最近、新しいメンバーが加わるように。「その子とも仲良く遊んでいたので、特に気にはしていなかったのですが…」。ある日、娘の机を掃除していたHさん、見慣れないヘアゴムや文房具がいくつかあるのを発見します。



「親の勘で、これはおかしい、って思ったんですよね。誰かからプレゼントされたなら絶対うれしそうに『これ、XXちゃんにもらったんだ』って言うはずですし、お小遣いで購入するにしては量が多すぎました」



学校から帰宅した娘を問いただすと、娘は泣きだしました。



「新しくメンバーになった子が、『仲いい子にだけお金あげる』と言って1,000円くれた、というのです。

最初はみんな受け取らなかったそうですが、何度も『これは仲良くしてくれるお礼だから』と言ってくるので、それなら…と受け取ってしまった。お金を持っていたら怪しまれるから、使ってしまおうという話になり、文具やアクセサリーを買った…と」



あまりの出来事に言葉を失ったHさんですが、すぐに気を取り直し、娘を叱ります。



「何もないのに、赤の他人からお金を受け取るのは絶対にダメ。ましてや子供が、友達からお金をもらうなんてありえない。その子が稼いだお金でもないし、あなたはその子に雇われたわけでもない。もらう理由がまったくないよね?」



その後、Hさんは娘と共に相手の女の子の家に出向き、1,000円を返却。

事情を知らなかった相手のご両親は非常に驚き、その後平身低頭、平謝りだったそう。



「本当はその子とはもう遊んでほしくない、というのが本音ですが…そこまでは言うことはできず。でも、グループで『お金を渡すのは絶対にやめよう』と話をした、というのでひと安心です。とはいえ、いまだに『もしかしたら…』という不安はあります」



■まとめ



子供の金銭トラブルは、放っておいて自然に解決することはありません。むしろ、やり取りの額がどんどんとエスカレートしていくことも考えられます。



もし子供が親の知らないところでお金のやり取りや、おごったりおごられたりをしていたことに気づいた時は、すぐに事実を確認し、対処する必要があります。

もしそのまま放置していると、子供が「お金をあげたりもらったりすることに疑問を抱かない」人間に育ってしまうかもしれません。



明日は我が身、日ごろからしっかり対策を考えておきたいものです。