園芸店やホームセンターに柑橘類の果樹がたくさん並ぶ季節になりました。レモンにチャレンジするなら、今が始めどきです!
レモンは鉢植えでも育つ果樹。
本日はガーデニング歴20年のLIMO編集部員が、今が始めどき「レモン」について、育て方や気をつける点などをわかりやすくご紹介します。
■レモンの木を育てるメリット
【レモンの基本情報】
- ミカン科ミカン属
- 常緑低木
- 周年開花(5~6月が中心)
- 1本で結実
- 品種:リスボンレモン、アレンユーレカレモン、マイヤーレモン、サイパンレモンなど
家庭でレモンが収穫できると、料理に使えてとても便利。少しだけ使いたい時に庭先からもいで、採れたてのレモンを味わうことができるのは自宅栽培の醍醐味です。
国産レモンは外国産に比べると割高。外国産レモンは安価ですが、輸入品のため薬剤処理が施されています。ちょっとだけ使いたいときだと、どちらを買うか悩ましいですね。
そもそもレモンは無農薬でも十分育つ果樹。自分で育てたレモンは安心して使うことができます。
また、レモンは観葉植物として楽しむこともできます。5月には白い小花が咲き、甘い匂いを漂わせます。まっすぐに伸びる木に緑の葉が映え、室内でも存在感を発揮します。
■レモンの育て方
それではレモンの木の購入方法や植え方から管理の方法まで、レモンの育て方をご紹介します。

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レモンの苗木、60~70センチ程度で2000円弱で購入したもの。(LIMO編集部)
■レモンの苗木を購入する
レモンの苗木は今の時期、比較的用意に手に入ります。ホームセンターや規模の大きい園芸店だと品揃えも豊富。多くの柑橘類の苗木から、お気に入りの一株を選ぶことができるでしょう。
ネットショップでも購入が可能で、樹高の高い立派な苗木が多く販売されています。
ネットショップで購入するメリットは大きな苗木が購入できて、說明が丁寧であること。何年生の苗木か、品種や育て方など、初心者にもわかりやすく說明してあります。
デメリットは実物を見ることができないことです。「生き物」を購入するわけですから、初めて注文するお店だと届くまでは少し心配かもしれませんね。
心配な人は実物を見て購入できるホームセンターなどで購入するほうがよいかもしれません。
最近は10~20センチの小さなレモンの苗木が販売されていますが、初心者の人はある程度大きく成長した苗を買うことをおすすめします。
というのも、レモンは成長に応じて剪定が必要で、剪定をして樹形を整えてあげるほうが実がつきやすくなります。
観葉植物として育てるなら問題ありませんが、実を収穫したい人は、ある程度整枝されて安定して成長した2年め、3年目の苗木を購入したほうが無難です。
■レモンの置き場所を決める
レモンを育てるには日照が大事です。日当たりのよい屋外、ベランダなどでの生育が適しています。寒さには弱いので、マイナスに気温が下がるような場合は、室内に移動させましょう。
レモンは2年目くらいだと小ぶりですが、成長して徐々に大きくなっていきます。3年め以降になると1メートルを超え、大きく成長します。
剪定を行えばコンパクトに育てることもできますが、室内に入れるとそれなりに場所はとります。置き場所はあらかじめ想定しておくと慌てずに済みます。
■レモンの苗木の植えつけ
通常、レモンの木は黒などのビニール製ポット苗で販売されているので、時期がきたら植え替える必要があります。植え付け適期は3~4月です。2年生以上の苗で暖地なら、冬でも大丈夫です。
購入した苗木より、ひと回り大きめの鉢に植え替えましょう。
土は園芸用土に赤玉土を3割くらい混ぜたものを用意しますが、柑橘系果樹のための用土も販売されています。レモンやミカンが好む土に配合されているので、とても便利ですよ。
接ぎ木苗の場合、接ぎ木をしているところ(セロテープなどで巻かれているところ)が土に埋まらないように注意しましょう。
終わったら、水をたっぷりあげます。鉢の中がドロドロになるくらいあげることで、根が新しい土にも馴染みやすくなります。
最後に支柱を立てます。支えがあると倒れにくくなるので強風対策にもなります。
■レモンの水やり
土が乾燥していたら、水をたっぷりあげるようにします。鉢底から水が出てくるくらいが目安です。
葉が垂れ下がった状態は明らかに水切れのサイン。この状態は植物に相当のダメージを与えています。
乾燥を防ぐために、土の上に藁を敷いたりしてマルチングをする場合もありますが、必ずやらないといけないということもありません。自分でレモンの様子を観察して、適切な水やりができれば大丈夫です。
■レモンの肥料
肥料を与えると株が充実して結実しやすくなるので、肥料は時期に応じて施すようにします。
柑橘系果樹のための肥料が販売されているので、このようなタイプを選ぶと大変便利です。置くだけでよい、錠剤タイプの肥料もあります。
外箱などに使い方の記載がありますので、参考にして施肥しましょう。

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レモンの肥料。置くだけなので手軽。(LIMO編集部)
■レモンの管理
レモンは最初の1~2年程度は結実しにくく、2年、3年経って花が咲き、実がなります。花や実がならないと心配する人もいるかもしれませんが、レモンは成長してから結実までに少し時間がかかります。
ホームセンターや園芸店で苗木を購入する場合、札に何年目の苗木と書いてあることはほないので、不安な場合はお店の人に聞いておくと余計な心配をしなくて済みます。
また、あくまで目安ですが、1~2年生苗は50~70センチ程度、1メートルを超える苗木は3年目程度、くらいに覚えておいてもよいでしょう。
ちなみに、レモンの木は成長すると、場合によっては樹高が2メートル近くまで成長することもあります。コンパクトに育てたい人は時期に応じて剪定が必要です。
春が訪れると紫がかかった白色のつぼみができ、きれいな白い花がたくさん咲くと実がなり始めます。大きさは小指の先ほどですが、形はしっかりとしたレモンの形をしています。果実はまだ緑色です。
実がたくさんなりすぎると、自然と実を落とします。これは生理落果で心配はあまり要りません。
実がならない場合は栄養がうまく行き渡ってなかったり、環境が整っていなかった可能性が考えられます。特に冬に葉が全部落ちてしまったりすると、光合成がうまくできず栄養が株に行き渡りません。
日頃の観察を丁寧におこない、状態や季節に応じたお手入れや管理をしてあげることで結実にもつながりやすくなります。
■害虫、その他の注意点
レモンの木の葉はアオムシが好んで食べます。
アオムシは食欲が旺盛なので、食べた分だけフンをします。地面に見慣れないフンが落ちていたら、虫の幼虫がいる可能性が高いです。すぐに見つけて取り除きましょう。
また、レモンの幹にはするどいトゲが生えていることは、意外と知られていません。バラのような短いトゲではなく、木にもよりますが、1センチ以上のトゲが生えていることもあります。
小さいお子さんやペットがいる家庭では注意が必要ですが、とげなしのレモンも販売されています。気になる方はこちらを選ぶとよいでしょう。
■まとめにかえて
レモンケーキ、レモネード、レモンサワー、塩レモンなど、さわやかな酸味が味わえる人気のレモン。清潔感のあるイメージもファンを増やしている理由かもしれません。
ベランダや庭で育てて、ある程度の大きさになるとステキなシンボルツリーにもなります。果樹の中では比較的育てやすい部類に入りますので、興味がある人はぜひチャレンジしていただきたいと思います。
■参考資料
- みんなの趣味の園芸「レモン類」( https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-182 )