残り1ヶ月とちょっとで今年も終わります。1年を振り返ってみて、今年は思うように貯金できたでしょうか。
貯金を増やすための手段の一つ、節約。「節約『しないと』」「節約『すべき』」というように、節約は義務感やネガティブなイメージを抱かれがちです。いざ始めてみても面倒になったり、節約自体がストレスになったりして、なかなか続かない人もいるでしょう。
来年こそ節約したいなら、まずは「毎日の自分へのご褒美」から考えるといいでしょう。
節約ははじめることよりも、続けることが重要。節約を続けるためには今までの習慣を変えて、継続していく必要があります。それだけ労力や気力も使うので、なかなか続きにくいもの。節約とご褒美は相反するもののようですが、ストレスを感じがちな節約だからこそ、まずは忙しい日々を頑張る自分を労る習慣作りの仕方を説明しましょう。
■なかなか平均給与が上がらない日本
貯金は、収入と支出の差からするもの。収入が上がれば良いのですが、日本の平均給与はなかなか上がらないと言われています。
国税庁が2021年9月29日に公表した「令和2年分(2020年)分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者数は5245万人のうち平均年収が433万円。2010年の平均給与は412万円で、この10年間は400万円台前半で推移しています。
男女別の平均給与は男性で532万円、女性で293万円。女性は男性より239万円も低いですね。雇用形態ごとにも差があり、正規雇用の平均給与は男性550万円・女性384万円ですが、非正規雇用は男性228万円・女性153万円です。
この給与の中から生活して、特に30~40代の方は子どもの教育費や習い事費用、住宅ローンなどを払いながら老後資金も準備するとなると、厳しいところもあります。平均給与が上がらない今、貯金を増やすためにできる工夫が節税対策や日々の節約です。
とはいえ、仕事や育児・家事に忙しい現代では、節約のためにかかる時間や手間ひまがストレスになる可能性もあります。ストレスはそのまま「ムダな消費」へと繋がりやすいので、注意が必要でしょう。
ストレス社会といわれる現代こそ、まず考えたいのが自分を労るお金の使い方です。
■まずは「毎日の自分へのご褒美」を決める!
節約をはじめるからとはいえ、何でもかんでもお金を使わないのではなく、メリハリをつけることが大切。まずは「何にお金をかけるか」を決めましょう。
特に重視したいのが、毎日の自分へのご褒美です。毎日溜まるストレスや疲れは、その日のうちに癒やしてあげることで、少しずつ心身の余裕が生まれます。
たとえばコーヒーが好きな方なら、節約のために安いコーヒーを選ぶのではなく、自分の好みのコーヒーをストックしましょう。お気に入りのカップも用意して、「毎日好きなカップでお気に入りのコーヒーが飲める」という楽しみを作ると、日々の楽しみができます。
ファッションやアクセサリーで気分が上がる人は、他は節約してもファッション周りだけは好きなものを選びましょう。今は工夫次第で、そこまでお金をかけなくても気に入ったものを手に入れられる時代です。
大切なのは「自分が好きなモノ」を選ぶこと。毎日これがあれば頑張れると思えるものを選んでくださいね。定期的に見直すのもいいでしょう。
■週1回&月1回のご褒美も決めよう! みんなのご褒美は?
毎日のご褒美が決まったら、週に1回は自分へ「今週もお疲れさま」の意味も込めてさらにご褒美を考えてみましょう。たとえば外食をしたり、好きな本を購入したり、レジャーを楽しんだり。「自分のために今週はこれにお金を使う」と決めておくと、すでに目標が決まっているので余計なお金を使う機会も減ります。
また、月に1回は少し豪華なご褒美を取り入れるといいでしょう。
■給料日のプチ贅沢
- 1位:スイーツを買う
- 2位:食事・食材のグレードを上げる
- 3位:お酒のグレードを上げる
- 4位:外食をする
- 5位:ほしかったものを買う
- 6位:スターバックスに行く
- 6位:夕食をデリバリーやテイクアウトにする
- 8位:ランチを豪華にする
- 9位:お菓子の大人買い
- 10位:美容・マッサージ
やはり「食」に関することが多いですね。6位のスターバックスのように「このお店でこれを頼む」と決めておくと、より明確になり良いでしょう。
同調査の中から、さらに詳しいコメントを紹介します。
- 安売りのアイスではなく、ハーゲンダッツの期間限定商品を買って食べる(30代 女性)
- 日ごろ躊躇してしまう良い肉(ステーキなどを)家族の人数分買う(50代 女性)
- 普段は発泡酒だが、この日だけはプレミアムビールを飲む(40代 男性)
- 欲しかったデパコススキンケアを1つだけ買う(20代 女性)
- 子供と一緒にピザやチキンなど食べたいものをデリバリーして食べる(40代 女性)
すぐに環境を変えたり、ストレスをゼロにしたりするのは難しいもの。ただ1カ月に一度のちょっと贅沢なご褒美があると、疲れやストレスも軽減されるでしょう。自分を労るお金の使い方が習慣化し、疲れやストレスを軽減できれば、節約を続ける余力も生まれます。
■節約する余裕を作ってから、自分に合ったものをはじめよう
お金の使い方のメリハリとして、自分へのご褒美が決まったら、残りは節約を心がけましょう。
しっかり貯蓄をするなら、まずは先取り貯金をして、残ったお金で生活するのがおすすめです。それ以外の節約は、「自分に合ったもの」を選んでくださいね。細かい節約が苦手な人は固定費の見直しをしたり、忘れっぽい人は家族で節約について共有したりするといいでしょう。
世の中にはさまざまな情報が溢れていますが、自分に合ったものから始めてみてくださいね。
■参考資料
- 国税庁「令和2年分(2020年)分民間給与実態統計調査」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf )
- 株式会社ビズヒッツ「【給料日のプチ贅沢ランキング】男女500人アンケート調査」( https://media.bizhits.co.jp/archives/19299 )