家庭菜園を始めてみたいけれど、冬から始めるのではもう無理かも…そう思う人はぜひ、エンドウ豆に挑戦してみてください。



うまく冬越しできれば、春には自家製エンドウ豆が食べられます。

春の味覚「豆ごはん」にして食べるのもおすすめ。



本日は、冬の家庭菜園でプランター栽培できる「エンドウ豆」についてご紹介します。



■冬から育てるおすすめ野菜「エンドウ豆」



  • 参考価格 330円/500g
  • 苗参考価格 150円/1ポット

食卓でも使い勝手が良い緑黄色野菜のエンドウ豆は栄養もたっぷり。寒さに強い作物で品種も豊富、家庭菜園でも良く育てられる野菜のひとつです。



エンドウ豆の植え付け適期は11月~12月。冬に植えて、春に収穫できます。プランターだと収穫数は減るものの栽培は可能。ポイントを押さえれば、初心者でも挑戦しやすい作物です。



■エンドウ豆の種類



エンドウは主に3種類に分けられます。



サヤエンドウ(絹さや)
豆がふくらまない若い時期の実を食べるエンドウ。さやが小さく柔らかい状態で食べられるので、食感がシャキシャキしています。



ひなまつりに食べるちらし寿司にも、春の味覚や彩りとしてサヤエンドウがのったりします。



【冬の家庭菜園】プランター栽培できる「エンドウ豆」春に収穫して豆ごはん!

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サヤエンドウがのったちらし寿司(Tataya Kudo/Shutterstock.com)



スナップエンドウ
実もさやも食べることができるのがスナップエンドウ。実を大きく育て、さやがパンパンになった時に収穫します。スナック753、グルメなどの品種があります。



さやは肉厚で、なかの実もホクホク。ゆでてマヨネーズやたれなど好きな調味料で食べると美味しいです。



実エンドウ
さやがふくらんで、なかの実が大きく丸く育ったものを収穫します。さやは食べず、なかの実を食用にします。グリーンピース、ロングピース、ウスイなどの品種があります。



豆ごはんやカレー、肉じゃがなどでおなじみですね。



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春の味覚、豆ごはん(ykokamoto/Shutterstock.com)



■エンドウ豆の育て方



エンドウの栽培は、水はけが良く日当たりが良い場所が適しています。根腐れを起こすこともあるので、株もとの水はけや風通しには気をつけましょう。



また、エンドウ類は連作障害が出やすい野菜。

連作障害とは、同じ科の野菜を連続して栽培することで、その科特有の病害虫が発生しやすくなったり、土の養分バランが乱れてしまったりすることです。



連作障害を避けるために、マメ科植物を5年程度育てていない場所、あるいは土を選ぶようにしましょう。生育不良を避けることができます。



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鉢植えの豆(Ssirounarev/Shutterstock.com)



■エンドウ豆の土



プランターで育てる場合は、市販の元肥入りの野菜用培養土を使うと手軽で便利です。



地植えで育てる場合、エンドウは酸性寄りの土壌を嫌うため、植え付けの2週間ほど前までに土壌をアルカリ性寄りにするために苦土石灰を混ぜ込みます。



元肥の化成肥料は50グラム(1平方メートルあたり)で、通常の野菜の半分が目安です。また、リン酸肥料を加えると根やさやの生育がアップします。



■エンドウ豆の植え付け



エンドウは12月頃までに種まきをして育てますが、ポットである程度苗が育ってから定植するのが一般的です。初心者の場合は、市販の苗から育てるのも良いでしょう。



プランター栽培の場合、苗はつるなし種を選ぶとコンパクトに育てられます。畑ではつるあり種がオススメです。



また、植え付ける苗は幼苗が適しています。

大きすぎても小さすぎても、冬をうまく越すことができません。できれば20センチ以下の苗を植え付けるようにします。



プランター栽培の場合は、深さ30センチ程度、幅70センチ前後のプランター、あるいは8号サイズの鉢で育てましょう。この大きさで苗を2~3株植えられます。



地植えの場合は、土作りを済ませた場所に幅60センチ程度の畝を作り、株間30センチほどあけて植え付けます。



植え付け後はたっぷりと水やりをします。



■エンドウ豆の水やり



プランター栽培の場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。



地植えの場合は、苗が根付くまでは水やりをしますが根付いてからは自然降雨だけでかまいません。



水をあげすぎると根腐れの原因になります。乾燥がひどい時のみ、暖かい日の午前中に水をあげてください。



■エンドウ豆の肥料



マメ科のエンドウは根に共生する根粒菌の影響で、養分であるチッソを作り出すことができます。そのため、他の野菜と比べ、肥料はそれほど必要ありません。



プランターの場合は、花が咲き出す春から追肥をおこないます。肥料の規定量をあげるとよいでしょう。



地植えの場合も春からの施肥で大丈夫です。2月下旬~3月上旬から1ヶ月に1回、化成肥料を追肥します。追肥の量は通常の野菜と同じです。



【冬の家庭菜園】プランター栽培できる「エンドウ豆」春に収穫して豆ごはん!

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エンドウ豆の白い花(Yana UNY/Shutterstock.com)



■エンドウ豆の寒さ対策



エンドウは寒い冬を越えて成長するので、寒さ対策が必要です。



プランターの場合は、寒風や霜にあたらない、陽当たりのよい場所で育てるようにします。風よけに防虫ネットなどをかけてしのいでもいいでしょう。



地植えの場合は、防虫ネットでトンネルを作ってあげると、虫対策と強風や寒さ対策になります。また、エンドウの株もとに、もみ殻パークかわらを敷くと霜を防いでくれます。



■エンドウ豆の病害虫対策



葉に白い線を描いたような模様を見つけたら、エンドウの天敵ハモグリバエがいる可能性があります。見つけたらすぐに駆除しましょう。

葉全体に広がっているなら、葉ごと処分します。



白い粉をまぶしたような斑点ができるうどんこ病や、株上部が黄色く枯れてしまう立ち枯れ病などにも注意しましょう。他の部分にうつらないよう、該当部分を処分したり薬剤散布等で対処して下さい。



■エンドウ豆の誘引(支柱立て)



春になってつるが伸びてきたら株のわきに支柱を立てます。



プランターの場合、葉茎の広がりを抑えるためにも、株のわきやプランターに沿って支柱を立てます。4~6本程度をしっかり立てて、20~30センチ程度の間隔でひもを張って囲みます。



地植えの場合は、株から10~15センチほど離れたところに150~180センチの支柱を50センチ程度の間隔で立てていきます。横は30センチ前後の間隔をあけてひもを張って囲んでいきます。



支柱が立ったら、つるをひもなどでくくって誘引しましょう。



■エンドウ豆の収穫



エンドウの種類によって、収穫の適期は異なります。実がなるのは、スナップエンドウは花が咲いてから20日程度、サヤエンドウは10日程度、実エンドウは30日ほどです。



収穫の目安は、スナップエンドウの場合、さやが大きく膨らんであざやかな緑色の状態の時、サヤエンドウは少し膨らんで柔らかい状態で長さは6~7センチ程度になった時です。



実エンドウは、さやのなかの豆が大きくなり、さやにしわができた状態を収穫の目安にします。



エンドウはさやの上の部分をはさみでカットして収穫します。さやが黄色になると、取り遅れのサインです。あざやかな色のときに収穫するようにしましょう。



【冬の家庭菜園】プランター栽培できる「エンドウ豆」春に収穫して豆ごはん!

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もうすぐ収穫(tamu1500/Shutterstock.com)



■まとめにかえて



日本の四季を肌で感じられる家庭菜園は、その時期だからこそ育てたり、収穫できる楽しみを味わうことができます。



エンドウ豆は春の訪れとともに味わうことができる野菜で、今の時期なら挑戦できます。来年の春に新鮮な採れたて豆を食卓で思い切り楽しみましょう。



■参考資料



  • みんなの趣味の園芸「スナップエンドウ」( https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-517 )NHK出版
  • 「藤田智の新・野菜づくり大全」NHKの出版
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