「3.11」から11年。便利な防災グッズや帰宅困難時の支援など、今知っておきたい知識とは
今年の2022年3月11日で「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」から11年経ちます。
金曜日の14:45に発生し、平日の日中であったことから、都内では多くの帰宅困難者が出ました。
11年後の今だからこそ、地震に対して備えるための必要な知識を改めて確認していきましょう。
■多彩化する防災グッズ。持ち出し袋や日常的に食べられる非常食など

T.TATSU/shutterstock.com
まず、地震に対する備えといえば「防災グッズ」が真っ先に思いつきます。
ひと昔の非常持ち出し袋は「大きく、重い」というイメージがありましたが、最近開発されている防災バッグは軽量化され、必要最低限の道具が厳選されています。
例えば、山善の「防災バッグ30」は使い捨て食器やホイッスル(がれきの中から位置を知らせるために使う)の他、給水バッグや携帯用ブランケットなどの「避難所で便利な道具」を中心に組み立てられているのです。
そして、災害時には重要な、両手が自由になるリュックサックタイプとなっています。
これであれば、避難所に行く必要がある時でも必ず持ち出せますし、少しでも過ごしやすくなりそうです。
そして、日常的に食べられる非常食としては、「飴」や「チョコレート」を用意しておくのがお勧めです。
これらは砂糖や脂で出来ているので、小さくても大きなエネルギーになります。
事実、遭難者が非常用食料としてチョコレートを小分けにして食べることで生き永らえたというケースが報告されています。
飴やチョコレートであれば小分けにされているので、自宅で備蓄してもいいですし、持ち歩くカバンの中に2~3個入れておいてもよいでしょう。
そして、「カバンの中にいれられる」という点が帰宅困難者になった時に、非常に役立ちます。
■帰宅困難者になってしまった時、どうすればいいのか

David Pereiras/shutterstock.com
さて、実際に帰宅困難者になってしまった時はどうすればよいのでしょうか。
私自身は、東日本大震災発生当時、駅で知り合いの女性と待ち合わせる前だったので、その方と合流し、駅の近くのその方の家に身を寄せることができ、帰宅困難者にならずに済みました。
しかし、その駅は当時の自宅から離れていたので、合流できなければ簡単に帰宅困難者になっていたと考えられます。
その時を思い出しながら、対策や知っておいた方がいい情報をまとめていきます。
まずは、カバンや服で頭を守ります。丈夫な建物の中であればガラスの近くや照明の下を避け、机などの身体を守れるものの下に隠れ、地震の揺れが収まるのを待ちます。
揺れが収まったら、まずはスマートフォンの電源残量を確認するのが大切です。
電池を非常に食う地図アプリやゲームを起動していた場合は止め、被災状況や移動先の調べものに限定して使うことが非常に重要です。
2011年当時も、TwitterなどのSNSはサーバーが落ちず、そこにある情報が役に立った面があります。
とはいえ、SNSではデマが流れることも多いです。
2022年現在では、当時と比べても、Twitter上で自治体やYahoo!などの大手メディアのアカウントも多くありますので、災害発生時はそれらのアカウントを中心に情報を確保するようにしましょう。
続いて、その時いる地点から最寄りの「都立一時滞在施設」や「災害時帰宅支援ステーション協定締結先」を目指して移動しましょう。
ただし、都立一時滞在施設は安全ではありますが、高校や学校などが多く、馴染みがない方もいらっしゃるでしょう。
そのため、いざという時に思い出せない可能性も高いです。
「災害時帰宅支援ステーション」の方が日常的に使う店舗も多く、覚えやすいでしょう。
例えば、
■コンビニエンスストア
といった商業施設が、被災時には帰宅困難者の支援をしてくれるのです。
コンビニエンスストア以外でも、
- ファーストフード店(カレーハウス CoCo壱番屋・モスバーガーなど)
- ファミリーレストラン(デニーズ・ロイヤルホストなど)
- 居酒屋(和民・花の舞など)
- カラオケスペース(カラオケ館・パセラなど)
と、幅広い業種の店舗がトイレ、水道水、道路交通情報の提供により、非常時の徒歩帰宅を支援してくれます。
やみくもに歩くのではなく、これらの「災害時帰宅支援ステーション」を経由しながら安全に徒歩帰宅をするのがよいでしょう。
移動の際の栄養補給は、先述のように「カバンの中に入れた飴やチョコレート」が役に立ちます。
また、水分補給も重要なので、水が飲める時には必ず飲んでおきましょう。
なお、職場で被災した方の場合は、職場が倒壊していない場合は、無理に移動せず、職場にいる方がよいです。
東日本大震災と同規模の地震の時は、公共交通機関が当日中に復旧するのは難しく、駅に移動しても何もできません。
駅に人が集まることで混乱に拍車がかかるだけになってしまいます。
基本的には「安全に一晩を明かす」ことを最優先して行動し、安全な場所に身を寄せて、明るくなるまで待ちましょう。
夜間にどうしても自宅に帰らざるを得ない時だけ「災害時帰宅支援ステーション」を活用するのがお勧めです。
■参考資料
- 山善「防災バッグ30」( https://book.yamazen.co.jp/product/goods/emergencykit/YBG-30.html )
- 東京都防災ホームページ「都立一時滞在施設情報(令和4年2月26日現在)」( https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kitaku_portal/1005196/1005247.html )
- 防災首都圏ネット「帰宅困難者対策」( http://www.9tokenshi-bousai.jp/comehome/comehome.html )