春になると、園芸店やホームセンターに並び始めるペチュニア。春から秋にかけて楽しめる花として、時代を超えて人気の植物です。
上手に育てると、こんもりと次々に花を咲かせ、大変見ばえのよい花姿になります。育てるのなら、できるだけたくさんの花を咲かせたいものですね。
今回はペチュニアの基本の育て方、元気に育てるコツを紹介します。
■ペチュニアとは?

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- ナス科ペチュニア属
- 一年草、多年草
- 原産地:南アメリカ
- 参考価格:200~600円前後(3号ポット苗)
ペチュニアは、とても長く花を咲かせる植物。花期は3月~11月頃まで。長く花を楽しめるのが大きな魅力です。寒さに弱いため一年草扱いの多年草ですが、上手に冬越しできれば翌年も花を咲かせてくれます。
ペチュニアの花や葉、茎に触るとベタつきがありますが、これはペチュニアが出している粘液によるもの。お世話をするときに気になる場合は手袋をして作業をするとよいでしょう。
■ペチュニアの基本の育て方
■生育場所
ペチュニアは日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。多湿が苦手で、長雨に当たると株が傷みます。梅雨時期などは軒下に移動させるようにしましょう。

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できれば、移動が簡単な鉢植えでの管理がおすすめです。泥はねも病気のもとになるので、なるべく土の上には置かないようにしましょう。
庭植えの場合は、梅雨時の多湿や長雨をしのげるような場所が生育に適しています。
■土・植え付け
花がらや黄色くなった葉を取り除いてから苗を植え付けます。多湿を嫌うので、あまり深く植えないようにします。
鉢植えで育てる場合は、市販の草花用培養土で問題ありません。通気性がよくなるように赤玉土を3割ほど混ぜるのもよいでしょう。

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庭植えの場合は、水はけのよい土づくりが大切です。パーライトやピートモス、腐葉土などをすき込みよく耕します。元肥を入れておき、植え付けの一週間前までに土壌づくりを済ませておきましょう。
植え付けたあとは、泥はねで株が病気にかからないようにマルチングなどで対策しておきます。梅雨が終わるまでは、鉢で管理をして、9月ごろに植え付けるのもおすすめ。
■水やり
鉢植えの場合、土が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをします。鉢底から水が出てくるまでが目安です。庭植えの場合、基本的に水やりは必要ありません。乾燥が続くときは、様子を見て水やりをします。

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■肥料
ペチュニアは花期がとても長く、春から秋まで花を咲かせ続けます。たくさんの花を楽しむために、定期的な追肥が必要。肥料が足りていないと、花付きが悪くなってしまうかもしれません。
ペチュニアの追肥には、緩効性肥料も液体肥料も効果的です。3月から11月の生育期は緩効性肥料を施し、2週間に1度ほどのペースで液体肥料も与えるとよいでしょう。肥料のあげすぎは禁物。用法と用量は守ってくださいね。
■病害虫
病気は灰色カビ病、害虫はアブラムシ・オオタバコガ・ヨトウムシに注意が必要です。
灰色カビ病は雨が続くと発生しやすい病気。花がらや枯れ葉はこまめに取り除くと予防になります。雨に当てないようにするのもよいでしょう。
アブラムシは年間を通して発生するので、見つけ次第、捕殺します。オオタバコガ、ヨトウムシも株を食害します。見つけ次第駆除し、薬剤を散布しておきましょう。
■ペチュニアを元気に育てるためのコツ

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ペチュニアを健康に管理し、長く楽しむために必要な作業を紹介します。
■摘芯
先端の芽をカットすると枝数が増え、より多くの花を咲かせるようになります。植え付け後、2週間ごろが摘芯のタイミングです。
■花がら摘み
3~11月の開花期には、こまめに花がらを摘むのが理想です。終わった花を早く摘むと、養分が効率的に行き渡るので、無駄なエネルギーを消費せず花つきがよくなります。
株の風通しもよくなるので、蒸れによる株の傷みや病害虫を防ぐことができます。花がらは根元から取りましょう。
■枯れ葉の処理
枯れた葉や黄色く変色した葉は、気づいたらすぐ取り除きましょう。大きく育った葉が株もとを覆ってしまうと、風通しが悪くなります。健康な生育のためには下葉の処理も大切です。
■切り戻し
梅雨前を目安に、株全体を半分まで切り戻しましょう。ペチュニアは先端にしか花を付けないので、株全体をこんもりと咲かせるためには切り戻しが効果的です。

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切り戻しをすることで、株がまとまり花数も増えます。花がら摘みと兼ねておこなうとよいでしょう。
■まとめにかえて
ペチュニアは生育期間も長く、春から秋まで楽しめる花。品種改良も盛んで、様々な種類が出回っています。
ペチュニアは今が見ごろ。