テレビや動画配信などで漫才を楽しむ方は多いでしょう。
ボケに対して「なんでやねん」というツッコミは王道パターンで、どんな世代でも楽しめます。
「なんでやねん」はもちろん関西弁ですが、実は全国に広まりつつあることをご存知でしょうか。
国立国語研究所研究情報発信センターが調査した「国民の言語使用と言語意識に関する全国調査」から、「なんでやねん」の広がりについてご紹介します。
他に全国区になった関西の文化についても考えていきましょう。
■ツッコミの「なんでやねん」は関西以外でも使われる
「なんでやねん」とは関西でよく使われるツッコミ言葉です。あえて標準語にするなら「どうして」「なぜそうなるの」あたりでしょうか。
微妙にニュアンスが異なることから、関西以外でツッコミをいれるときも「なんでやねん」を多用するようになっているようです。

出所:国立国語研究所研究情報発信センター「国民の言語使用と言語意識に関する全国調査」
「相手の言ったことに対して「何でやねん」と言い返すことがあるか」を聞く質問結果では、近畿圏が圧倒的に多いものの別の地域でも使われることがわかりました。
さらに年代が若くなるほど多用されることも、グラフからは読み取れます。
また「なんでやねん」を「使う」「使わない」地域を地図で示した「言語地図」を見ると、1970年~1989年生まれの世代ではどんどん全国に広がっていることが明確にわかります。
「なんでやねん」が全国区になりつつのかもしれませんね。

出所:国立国語研究所研究情報発信センター「国民の言語使用と言語意識に関する全国調査」
■関西から全国に広がった言葉は他にもある?
「なんでやねん」に限らず、他にも関西弁から全国に広がったことばがあります。
その代表格は「めっちゃ」でしょう。
もはや「めっちゃ」がもともと関西弁であったことを知らない方がいるかもしれませんね。
他にも同調査では「おかん」「おとん」がじわじわ全国に広がっていることがわかっています。
「おかん」はお母さん、「おとん」はお父さんを呼ぶときの呼称です。関西圏では一般的な言い方ですが、こちらも全国に広がっているようです。

出所:国立国語研究所研究情報発信センター「国民の言語使用と言語意識に関する全国調査」
1928~1949年生まれよりも1950~1969年生まれのほうが、さらに1970年~1989年生まれの方が多用していることから、若い世代で徐々に広まっていることがわかります。
「なんでやねん」は近畿の次に首都圏が多かったのが特徴でしたが、「おかん」「おとん」は西日本で多いことも特徴的ですね。
■大阪出身の有名人もたくさん全国へ
テレビで活躍している有名人も、地方から上京している方がたくさんいます。
俳優さんがバラエティに出ると、関西弁で話す姿も見られますね。いろいろな出身者の方がいますが、最後に「大阪出身の女優ランキング」をご紹介します。
株式会社アーキテクトが行った「タレントパワーランキング」( http://tpranking.com/ )では、「大阪出身女優のランキング」を公表しています。
今回は2021年8月度調査のデータとして2021年12月13日に公表されたランキング結果をご紹介します。
- 1位:中条あやみ(30.3%)
- 2位:高畑充希(29.8%)
- 3位:小芝風花(23.2%)
- 4位:西野七瀬(21.0%)
- 5位:清原果耶(18.4%)
テレビで活躍されている方がずらりと並びます。大阪出身であることが意外な方もいるかもしれませんね。
■関西には魅力がたくさん
関西で生まれた言葉や文化の中には、じわじわと全国に広がりつつあるものがたくさんあります。
またお笑い芸人の方だけでなく、幅広いジャンルの方が全国で活躍されているのも関西人にとってはうれしいものですよね。
他にも「実は地方生まれが全国に広がった」というものがまだまだ隠されているものです。
関西だけでなく、いろいろな地域で探してみるのもおもしろいですね。
■参考資料
- 国立国語研究所研究情報発信センター「広がる関西弁~国語研の調査データを使ってみよう~ 「国民の言語使用と言語意識に関する全国調査」のデータ公開」( https://kotobaken.jp/digest/09/d-09-04/ )
- PRTIMES「『タレントパワーランキング』が大阪出身女優のランキングを発表!株式会社アーキテクトがスタートさせた、WEBサイト『タレントパワーランキング』ランキング企画第七十七弾!!」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000062573.html )