■PTA「参加したくない」が8割以上に



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新年度が始まり小学校では新しい学年のスタートを迎え、コロナ禍となってからは3度目の春になります。2020年度以降学校生活は大きく変化しましたが、保護者の関わるPTAも例外ではありません。



コロナ禍を契機に以前からインターネット上でも議論の的となっていたPTAの存在意義を問う声が高まっています。



教職員や他の保護者とコミュニケーションが取れて学校の様子が分かりやすいというメリットもありますが「できることならやりたくない」と考えている保護者の方も多いです。



■あくまでPTAの加入は任意



お悩み解決メディアの「ここぶろ。」が20代から50代のPTA活動に参加したことのある男女100人にアンケートを実施したところ、以下のような調査結果が出ました(2020年4月30日公表)。



【PTA役員】本音は「参加したくない」が多数に。仕事をしてるのに両立は可能か

出所:合同会社SNAPLACE「PTA活動調査」



  • 絶対に参加したくない:17%
  • できれば参加したくない:65%
  • できれば参加したい:17%
  • 絶対に参加したい:2% 

このように、PTA活動への参加を嫌がる保護者が相当数いることが分かります。



PTAというと、かつては「子どもが小学校や中学校に入ると自動的に加入する団体」というイメージがありました。しかし加入は強制ではなく任意です。



現在は昭和や平成初期に比べると「実は任意団体だった」という事実が浸透しています。



国の組織ではなく、文部科学省が直接管轄しているわけでもありません。学校ごとに運営や役員決めなど独自ルールが存在しており、たとえ学区が隣り合う学校であっても全く違うこともあります。



運営や規則は各団体により異なるため「転校したら前の学校と運営方法が違う」ということも起きます。PTAに関してインターネット上には様々な情報が溢れていますが、入会が当たり前という雰囲気の地域もあり「仕方なく入る」という方もいます。



加入を検討する際はインターネットの情報を鵜吞みにせず、学区の小学校や中学校の状況を事前にリサーチしておくようにしましょう。



地域との関わりが強い学区であれば、地域の行事に学校のPTAが参加することもあります。加入した後の負担を考える際は学校だけではなく、地域行事についても調べることが無難です。



■メンバーが固定していると楽だが要注意



新年度が近づくとPTA役員を決める動きが加速しますが、運よくメンバーが固定していれば毎年役員選びにビクビクすることはありません。しかし、忘れてはいけないのがPTA役員は「子どもが学校に在学中」という大前提で決められるという事実。



つまり、児童生徒が卒業すれば、必ずその保護者もPTA役員から卒業することになります。長年PTAを支えていた固定メンバーがごっそり卒業してしまうと、それは「自分にも役員の話がくる可能性がある」ことを意味するのです。



筆者の子ども達が通う小学校でも、固定メンバーが次々と卒業したある年を境に毎年のように会長を筆頭とした役員の顔ぶれが変わるようになりました。



コロナ禍でPTA役員の負担が軽減されたとはいえ、自分からやりたいと手をあげる人はほぼいません。「PTA役員は永遠」ではなく、「子どもが卒業して抜けたら他人事ではない」という事態になることを忘れないでください。



■PTA役員と仕事との両立は可能だが



さて、共働き世帯が増加していることもあり「役員をしているのは専業主婦だけ」という時代錯誤のような状況はもうありません。「仕事と折り合いをつけられるか」と不安がよぎりますが、日中の会合ではスケジュール調整が難しく、夜間に学校や地域のコミュニティセンターに集まる学校もあります。



とはいえ、「日中は仕事、帰宅後は集まりに出かける」となると当然ながら負担は少なくありません。

場合によっては夜間に子どもだけで留守番させることもあり、不安もつきまといます。



また、コロナ禍でPTAが関わる行事は減少していますが、役職に就くと色々と配布物の作成や印刷、他の役員や担当教諭とのやり取りなどで時間が取られることもあります。メッセージを送ると言っても家族とは違い、ある程度かしこまった内容で送信するため気遣いも必要です。



「今ならコロナ禍で行事も少ないし楽なはず」と軽い気持ちで引き受けてしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後悔することもあります。本当にできるかどうかを熟考して答えを出すことが大切です。



■PTA活動に家族の理解は必須



コロナ禍による行事の中止または縮小でPTA活動の負担も軽減され、確かにひと昔前に比べれば負担も和らいでいます。しかし、フルタイムの仕事をしつつ役員をこなすほど軽減されているわけではありません。



小学校での知り合いが少なかったり、長子が入学したばかりだと情報も少なくインターネットの情報に頼ってしまいますが、他校の運営方法と全く異なることもあります。



子どもが通う学校の「PTAの集まる回数」や「携わる行事の頻度」を把握しておくことで、実際に役員をお願いされた時に「できるかどうか」を判断できるようになります。



また、仕事をしつつ役員を引き受ける際は家族の理解が必要です。「夜会合に出ることもある」「休日に集まりがある」と伝え、協力してもらえるかどうか話し合いを重ねて結論を出すことが望ましいですね。



■参考資料



  • 合同会社SNAPLACE「PTA活動調査」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000018041.html )
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