■子育て支援新制度で進む「地域型保育」と「認定こども園」の普及



認定こども園の3つのメリット・2つのデメリットとは?子育て支...の画像はこちら >>

子育てと仕事の両立が不安な人は多いでしょう。「頼れる人が近くにいないけれど大丈夫かな」「そもそも保育園に入れるのだろうか」といった心配が尽きないのではないでしょうか。

子育てと仕事の両立を考えたときに頼りになるのが、「子育て支援新制度」です。今回は、子育て支援新制度についてくわしく解説していきます。



■1.子育て支援新制度とは



子育て支援新制度とは、幼児の教育や保育支援を充実させるための制度です。2015年4月に本格的にスタートしました。子どもの年齢や親の就労状況に応じたさまざまな支援があり、自治体が中心となって行っています。



2019年に消費税が10%に引き上げられていますが、子育て支援新制度を行うにあたり、消費税の増収分から毎年およそ7億円が充てられています。



■2.子育て支援新制度で進む「地域型保育」と「認定こども園」の普及



子育て支援新制度では、「地域型保育」と「認定こども園」の普及を進めています。それぞれについて見ていきましょう。



認定こども園の3つのメリット・2つのデメリットとは?子育て支援新制度の利用方法も解説!

出典:内閣府・文部科学省・厚生労働省「子ども・子育て支援新制度なるほどBOOK平成28年4月改訂版」



■①地域型保育



子育て支援新制度によって、「地域型保育」が誕生しました。保育ニーズの高い0~2歳の子どもを対象に、多様なスペースで少人数の預かりを行っています。都市部の待機児童問題の解決がおもな目的です。



地域型保育は市町村ごとに取り組まれているため、内容も自治体によってさまざまです。

対象である0~2歳の子どもを持つご家庭は、どのような支援があるか、お住まいの市町村に問い合わせてみることをおすすめします。



■②認定こども園



子どもの預け先として、以前は幼稚園と保育園の2つがおもな選択肢でした。共働きの場合は保育園に、専業主婦の家庭の場合は幼稚園に通わせていたのが傾向でしょう。2006年、幼稚園と保育園に加えて、「認定こども園」という3つ目の選択肢が誕生しています。



認定こども園は、教育と保育の両方を行う施設のことを指します。幼稚園と保育園の良さを併せ持っていると言えるでしょう。



■3.認定こども園の3つのメリットとは?



子育て支援新制度の一番の目玉は、前述した認定こども園と言えます。子育て世代にとって預け先の選択肢が増えるのは嬉しいですし、「幼稚園と保育園の両方の良さあるのは魅力的!」と、期待も高まります。ほかにどのようなメリットがあるか、見てみましょう。



■認定こども園のメリット1. 幅広い年齢の子どもと関わることができる



幼稚園や保育園では、同じ年齢の子ども達が一つのクラスになって一緒に過ごします。どうしても年齢の違う子どもとは関わりが少なくなる傾向にあります。認定こども園では「縦割り教育」を行っていて、違う年齢の子どもたちが一緒に過ごせる環境を作っています。

子どもにとって良い刺激となるでしょう。



年齢がうえの子どもからはさまざまな学びがあるでしょうし、小さい子どもの面倒を見ることで成長のきっかけになります。幅広い年齢の子どもと関われることは、認定こども園の大きなメリットです。



■認定こども園のメリット2. 幼児教育に積極的



幼児教育に積極的なことも、認定こども園のメリットです。認定こども園では、3~5歳までの子どもを対象に、「教育時間」が作られています。習字や水泳などの教育を受けることが可能です。習い事を園で行うようなイメージを持ってください。



共働きとなると送り迎えが難しいこともあり、習い事に通わせることが比較的難しくなります。通いなれている施設でさまざまな教育が受けられるのは嬉しいですよね。



■認定こども園のメリット3. 転園の心配がない



幼稚園や保育園では、親の就労状況によって転園しなければならない場合もでてきます。例えば子どもを保育園に通わせていて、途中で仕事を辞めたとすると、幼稚園への転園が必要です。認定こども園の場合、就労状況が変わっても、同じ園に通い続けることが可能です。



■認定こども園の2つのデメリット



次に、認定こども園のデメリットを説明します。



■認定こども園のデメリット1. まだ数が少ない



認定こども園は、ほかの施設に比べて数がそれほど多くないと言えます。令和3年の「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」によると、保育園の数は3万8,666箇所と発表されています。一方で、「認定こども園に関する状況について(令和3年4月1日現在)」では、認定こども園の数は8,585箇所となっています。認定こども園は増えてきていますが、保育園と比べると少なくなります。



■認定こども園のデメリット2. 希望しても入れない可能性がある



認定こども園は、両親が共働きの場合や、ひとり親の家庭が優先される傾向になっています。状況によっては入れない可能性があるでしょう。



■4.子育て支援新制度の利用方法



子育て支援新制度を利用するには、どのような手続きが必要でしょうか。まず、子育て支援新制度を利用するには「保育認定」を受けなければなりません。認定は1~3号認定まであります。認定について、表で見てみましょう。



認定こども園の3つのメリット・2つのデメリットとは?子育て支援新制度の利用方法も解説!

申請の方法は、1号認定と2、3号認定では異なるため注意が必要です。

1号認定は利用する施設に直接申込みを行い、内定を受けたあとに、市町村に認定を申請します。2、3号認定は市町村に申込みを行います。市町村が「保育の必要性」を認めると、認定証が交付されます。希望施設も、用紙に施設名を記入して市町村に提出します。



■5.子育て支援新制度を利用して仕事と子育てを両立しよう



今回は子育て支援新制度について解説してきました。子育て支援新制度は、仕事と家庭を両立させたい場合に頼もしい存在です。とくに認定こども園は、幼稚園と保育園の良いところを併せ持った魅力的な施設と言えます。地域型保育も含め、子育て支援新制度を上手に利用して、仕事と子育てを両立していきましょう。



■参考資料



  • 内閣府・文部科学省・厚生労働省「子ども・子育て支援新制度なるほどBOOK平成28年4月改訂版」( https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/event/publicity/pdf/naruhodo_book_2804/a4_print.pdf )
  • 厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」( https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000821949.pdf )
  • 内閣府「認定こども園に関する状況について(令和3年4月1日現在)」( https://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomoen/pdf/kodomoen_jokyo.pdf )
編集部おすすめ