立秋を過ぎてもなお、朝晩とも寝苦しい夜が続きます。罪悪感を抱えながらも、エアコンをつけっぱなしにしたまま寝ている家庭も多いのではないでしょうか。



パナソニック株式会社は2022年8月5日、今夏の睡眠状況や睡眠時のエアコン利用について調査した結果を公表しました。



全国の20~60代の男女551名の回答結果によると、寝苦しい夜があると答えた人は約7割。一方で、4人に1人は睡眠時にエアコンを使用していないことが判明しました。

寝苦しい夜はどのようにエアコンと付き合えばいいのでしょうか。気になる節電と合わせてみていきましょう。



■7割は「暑さで寝苦しいことがある」



パナソニック株式会社が2022年7月に行った「2022年 夏の睡眠時のエアコン利用に関する調査」によると、今夏の睡眠状況で「暑さで寝苦しいことはありますか」の質問に対し、「頻繁にある」(14%)と「時々ある」(56%)の回答がありました。



「寝苦しい夏」睡眠時のエアコンはつけっぱなしを推奨!快眠のコツ8つ

出所:パナソニック「エオリア」調べ「2022年 夏の睡眠時のエアコン利用に関する調査」



約7割が寝苦しいと感じているようです。

「睡眠を妨げる要因」として、「暑さ」(70%)、「湿気」(51%)、「ストレス」(31%)、「寝具との相性」(16%)があげられています。

一方で、今夏の睡眠時のエアコン使用状況について訪ねた質問では、「使用していない」(25%)と4人に1人は睡眠時にエアコンを使用していないことが明らかとなりました。



「寝苦しい夏」睡眠時のエアコンはつけっぱなしを推奨!快眠のコツ8つ

出所:パナソニック「エオリア」調べ「2022年 夏の睡眠時のエアコン利用に関する調査」



寝苦しさを抱えているにも関わらず、エアコン控えをしている方も一定数いるようです。

しかし同調査では、夜中に30℃を超えるような熱帯夜の日、深夜2時~5時の間にエアコン操作を行っているユーザーが65%にものぼることがわかっています。

たとえタイマーで設定していても、多くの方は睡眠中に暑さや寒さを感じて目を覚まし、何らかの設定変更を行っているということに。



結局は睡眠の妨げになっているということですね。うまくエアコンを使いながら快眠を得るにはどうしたらいいのでしょうか。



■快眠のコツは8つ!タイマー設定はせずつけっぱなしでOK



パナソニック睡眠改善インストラクターの菊地真由美さんによると、夏にエアコンを上手く活用しながら快眠できるコツは8つあるようです。



■快眠のコツ1. エアコンは寝室に入る30分前にON、風は上向き



エアコンをつけても室温が下がるまでに時間がかかるため、寝室に入る30分前にエアコンをONにするのがコツです。このとき、風は上向きに設定しましょう。



■快眠のコツ2 . タイマーは設定なし。つけっぱなしでOK



熱帯夜ではタイマーオフ設定せず、朝までつけっぱなしでOKです。停止してしまうと、室温が上昇して結局目覚めてしまうことも。

冷房モードで設定温度を26~28℃にするか、除湿モードにすることが推奨されています。



■快眠のコツ3 . 湿度60%以下をキープ



室温だけが低くても、湿度が高いと目覚める原因になってしまいます。夏場は寝室の湿度を60%以下に保ちましょう。



エアコンの温度を下げるか除湿運転することで、湿度を下げることができます。



■快眠のコツ4. 扇風機との併用



エアコンの風が苦手な方は、エアコンの温度設定は下げすぎずに扇風機と併用することがおすすめです。



■快眠のコツ5. 寝る前のお風呂を工夫



一度上がった深部体温は反動で下げようとする体の性質があり、この落差が寝入りやすさにつながります。

そのため、夏でも38~40℃のお風呂に10~20分ほどつかることで、深部体温を約0.2~0.3℃上げておくのがコツです。寝る1時間前に入浴するようにしましょう。

夏場はシャワーだけという方なら、足首・手首・首の後ろなど太い血管が通っている部分に合計5分ほど熱めのシャワーを当てることで、効率よく深部体温を上げることができるそうです。



■快眠のコツ6. リビングや浴室の照度は落とす



入浴前には、リビングの照明をリラックスできるオレンジ色などにしておきましょう。入浴時に浴室の電気が明るい場合は、照明を消して脱衣所の灯りだけにするという方法もあります。



■快眠のコツ7. パジャマは長袖・長ズボンを選ぶ



質の良い睡眠はパジャマも影響するそうです。しっかり汗を吸ってくれる綿やシルク製のパジャマを選びましょう。

直接冷気が当たり体を冷やし過ぎることを避けるため、長袖・長ズボンが理想的です。全身にかく汗を吸収する効果もあります。



■快眠のコツ8. 在宅勤務の人は「入眠儀式」を作る



在宅勤務の方は、部屋着のまま仕事をしたり、そのまま寝てしまったりする方もいるかもしれません。



これでは脳のスイッチが寝るモードに切り替わらないため、睡眠の不調につながることも。部屋着から寝間着に着替えるなど「入眠儀式(ルーティン)」を作ってみましょう。



■政府が勧めるエアコンの使い方



エアコンをつけっぱなしにすることに「罪悪感」を抱える方は、国の要請する節電を意識しているのかもしれません。



最後に政府が勧めるエアコンの使い方を確認しましょう。



■家庭の中の電気消費量「エアコン」は4位



節電というと真っ先にエアコンをイメージする方も多いですが、環境省「家庭でできる節電アクション」によると、電気消費量が多いのは電気冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコン、電気温水器の順番です。



「寝苦しい夏」睡眠時のエアコンはつけっぱなしを推奨!快眠のコツ8つ

出所:環境省「家庭でできる節電アクション」



エアコンの節電については、ポイントとして「カーテンで窓からの熱の出入りを防ごう」「フィルターの掃除はこまめに」「室外機の周りに物を置かない」「扇風機やサーキュレーターを併用して風向きを上手に調整」とした上で、「室内温度は適温に保つ」と説明されています。



夏の冷房時の温度設定を1℃高くすると約13%(約70W)の消費電力の削減につながるため、節電効果は高いです。とはいえ、まずはフィルター掃除や遮熱カーテンの利用などを検討してみましょう。



■残暑を乗り切るためにエアコンと正しいお付き合いを



パナソニックの調査結果によると、寝苦しさを感じながらもエアコンを我慢する方は一定数いることがわかりました。



しかし、エアコンを消すことで寝苦しくなり睡眠を妨げられていては、健康上いいとは言えません。夏バテにもつながってしまうでしょう。



パナソニックや政府が推奨するエアコンとの付き合い方をおさらいし、残りの夏も乗り越えたいですね。



■参考資料



  • パナソニック「エオリア」調べ「2022年 夏の睡眠時のエアコン利用に関する調査」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000649.000024101.html )
  • 環境省「家庭でできる節電アクション」( https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/setsuden/home/saving03.html )
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