国内企業、外資系企業、日本人、外国人を問わず、出世していく人には共通項があります。有名な国立大学、私立大学でなくとも、大企業の重要なポジションに座っているような人もいます。

なぜなのでしょうか。「社会人になったら学歴ではなく、実力勝負」とはよく言われますが、その「実力」とは何なのでしょうか。明日から仕事という人も多いのではないでしょうか。今回は、自分のまわりで出世していった上司等を振り返りながらその特徴について見ていこうと思います。



■部下に任せる、でも任せない



なんとも禅問答のようですが、部下への仕事の投げ方のバランス感覚が肝といえそうです。



会社に入ると、細かい作業が得意な人は意外に多いのですが、全体を見ながら仕事をできる人は少ないように思います。入社して間もないころは手を素早く動かせると職場では重宝されますが、職位が上がっていくと、そうした仕事の仕方では通用しなくなります。



本当に出世していく人は、若いころは作業がそれほど得意でないということも多いようです。ただ、その間に上司の仕事の見方を観察し、どうすれば仕事がうまく運ぶかを観察していることが多いようです。



そして、自分が管理職になったときも、細かな作業は部下に任せ、その仕事のポイントを押さえながら仕事を運ぶことができます。その際のポイントは、仕事を書かせるのですが、丸投げというわけではなく、要所は抑えて、ポイントは外さないということです。そうやってマネジメント職の階段を上がっていきます。



■「出世したい!」という意欲が一見なさそう



大企業に入社すると、ごくまれに「私はこの会社で社長になりたい。そのために入社した」という同期や先輩がいます。



そうした発言をする人は、有名な大学を出ていて、自信もありそうで、周りもそうななのかぁ、とみていることも多いです。



しかし、彼らのその後を見ると、意外に無難なポジションに収まっていて、メインストリームを歩いているという人は意外に少ない気がします。



その一方で、本当に出世する人は、はじめは出世したいという雰囲気も醸し出さずに、「仕事が好き」とか「あんまり出世とか興味がない」という人が多いように思います。そういう人材は、自分が好きなことをとことん突き詰めるタイプが多く、特定の領域では誰にも負けないというような専門性があることも多いです。



そうした人物は、マイペースであることが多く(よく言えば、自分の時間を大切にする)、有給はしっかりとって、学生のように長期の海外旅行に行ってしまうなど、「社会人としてはとちょっとねぇ」と周りが引いてしまうようなタイプであったりもします。日本人でも時として奥様が外国人であるというケースもあります。



ただ、旅行から帰ってくると、周りが「本当に?!」というような土産話とともに、みんなに旅行先のお土産を忘れないなど、人好きであるというような特徴もあったりします。



■なぜか、そこにいる



人気のある仕事や部署には多くの人が手を上げ、競争が厳しいものです。



結果、優秀な人材は花形部署で実績を残すと転職したり、また優秀な人でも必ずしも成功するというわけではありません。そうした場合には、競争に敗れて会社を去って行ったり、子会社に出向となったりしたりします。



そうした厳しい競争の中で、あまり注目されない部署で、きっちりと仕事をこなしし続けている人がいます。



時として、事業はいつも好調というわけでもありません。その中で会社がコア事業を立て直すのに、それまで事業を担ってきた人材では打開策がないという局面が出てきます。そういうシーンでは、「いままでにない人材」という点がポイントになります。



外資系企業であれば、だれかヘッドハントして連れてくるという話になるのですが、日本企業は、社内で「だれかいい人材はいないのか」とまずは探します。



日本の人事部は批判もされることは多いですが、こういう時にそれまでスポットライトは浴びていなかったけれども、仕事を任せられる人材を探してくるということがあります。



運がいいといえばそれまでですが、周りから見ると「その時、あの人しかいなかった」という状況とまで言えます。



■本当に出世する人の実力とは



ここまで見てきたポイントを「実力」といえるかは、議論の分かれる点かと思いますが、本当に出世する人の基盤となるのが、「自分の強みは何か」というのを知っているということかと思います。



自分が強くないところでは競わない、でも自分が得意なところでは誰にも負けない、そんな共通項があったように見えます。皆さんの周りで出世してった人の特徴はどのようなものでしょうか。



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