8日続伸で始まった9月の米国株で個人投資家に人気だった銘柄は?
9月の米株式市場は、1年4カ月ぶりに8日続伸で始まりました。9月11日には1カ月ぶりにNYダウが2万7,000ドル台を回復し、8月の下落から回復しました。
しかしその後は、9月14日のサウジアラビアの石油関連施設への攻撃、9月18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げなどの出来事があったものの、2万6,900ドル前後でほぼ横ばいという展開となりました。

単純移動平均線(SMA)3,5,25,75,200
2019年9月 米国株式買付者数ランキング
順位 ティッカー 銘柄名 関連するテーマ 1 MO アルトリア・グループ たばこ、高配当、配当貴族 2 SPYD SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式 3 T AT&T 通信、高配当、配当貴族 4 V ビザ キャッシュレス、フィンテック 5 KO コカ・コーラ 飲料、配当貴族 6 VYM バンガード・米国高配当株式ETF ETF、高配当株式 7 MSFT マイクロソフト クラウド、PC 8 JNJ ジョンソン・エンド・ジョンソン ヘルスケア、配当貴族 9 AMZN アマゾン・ドット・コム eコマース、クラウド、AI 10 MCD マクドナルド 外食、配当貴族 注釈:楽天証券内買付者数ベース。9月2日~9月30日、国内約定日ベース
そうした中、9月の当社内米国株式買付者数のランキングでは、たばこメーカーのアルトリア・グループがマイクロソフトやビザなど大型有名企業を抑え1位に。2位はSPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF、3位はAT&Tと高配当銘柄がトップ3を占めるなど、9月は高配当銘柄や配当貴族銘柄が人気を集めました。
米中貿易問題の解決の糸口が見えず難しい相場展開が続いている中で、配当を目的に投資をしようという方が多かったとみられます。
ランキング上位の銘柄について、直近の動きを確認
買付者数ランキングのトップ5に入った銘柄について、銘柄概要や直近の動きをご紹介していきたいと思います。
アルトリア・グループ(MO)

買付者数ランキング1位はアルトリア・グループ(MO)です。米たばこ業界トップ企業で、たばこの銘柄「Marlboro」などの製造・販売を手掛けています。また、ワインの生産・販売も手掛けています。
同社の予想配当利回りは8%を超えており、高配当銘柄として人気を集めています。さらに、配当利回りが高いだけでなく、48年連続で増配を続けている「配当貴族銘柄」でもあります。
米国で電子たばこを危険視する流れがあるなど、従来のたばこだけでなく電子たばこへの風当たりも強くなっており、株価は下落基調となっています。しかし、予想PER(株価収益率)は11倍台となっており、過去5年間の平均PER16.3倍を下回る水準まで低下してきています。
SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)

2位はSPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)となりました。S&P500指数の採用銘柄のうち高配当利回り上位80銘柄のパフォーマンスを計測する「S&P500高配当指数」に連動する投資成果を目指すETFです。
予想配当利回りは4%台と配当利回りが高く、しかもETFなのでいろいろな銘柄に分散投資できるという特徴があります。
また、経費率が0.07%と低コストで運用できるという点も人気の1つとなっているのではないでしょうか。
AT&T(T)

3位は米国の大手通信事業者AT&T(T)です。この銘柄も高配当銘柄として人気で、予想配当利回りは5%を超えています。また、34年連続で増配している「配当貴族銘柄」でもあります。
株価は、2018年の年末まで下落基調となっていましたが、2019年に入り右肩上がりの上昇を続けています。
ビザ(V)

4位にはクレジットカード大手のビザ(V)です。堅調な個人消費、キャッシュレス化の流れを背景にカードの利用が増えており、業績は堅調に推移しています。
株価は、長期的に右肩上がりを続けていますが、8月以降は175ドル前後での推移となっています。米中貿易問題などの影響で相場全体が上昇しづらいなか、同銘柄についても方向感を欠いているようです。
コカ・コーラ(KO)

5位はコカ・コーラ(KO)です。同銘柄は、世界的に有名であり、しかも55年連続で増配している「配当貴族銘柄」ということもあり人気を集めているものと思われます。また、同銘柄の予想ROE(自己資本利益率)は48%台と高ROE銘柄で、ROEを重要な指標の1つとしてみている著名投資家ウォーレン・バフェットも投資している銘柄です。
株価は、2月に窓を開けて大きく下落したものの、その後は右肩上がりを続けています。
(楽天証券 外国株式チーム)