新型肺炎の拡大懸念から大きく下落した1月の米国株式市場!個人投資家の取引が多かった銘柄は?

1月の米国株式市場は、米中貿易問題の進展期待から1月半ばまで主要3指数の過去最高値更新が続きました。しかしその後は、新型肺炎の拡大懸念から、株式相場は大きく下落。
1月31日のNYダウの終値は前日比603ドル安となり、2019年8月23日以来の下げ幅となりました。
2020年1月 米国株式売買代金ランキング 順位 ティッカー 前月
順位 銘柄名 関連するテーマ 1 AAPL 3 アップル スマホ、PC 2 TSLA 11 テスラ 電気自動車(EV) 3 MSFT 2 マイクロソフト ソフトウェア、PC、クラウド 4 BYND 19 ビヨンド・ミート 食品、代替肉 5 AMZN 1 アマゾン・ドット・コム EC、クラウド 6 AMD 13 アドバンスト・マイクロ・デバイス 半導体 7 VOO 10 バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500 8 SPXL 5 Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF ETF、S&P500、レバレッジ 9 V 7 ビザ クレジットカード、キャッシュレス 10 FB 8 フェイスブック SNS、仮想通貨 注釈:楽天証券内売買代金ベース。2020年1月1日~1月31日、国内約定日ベース。
1月の当社内米国株式の取引において、最も売買代金の多かった銘柄は、アップル(AAPL)となりました。1月28日に発表された決算では、iPhoneの売り上げが約1年ぶりに増加したことや、その他、AirPodsなどの周辺機器の売り上げも堅調であったことが確認できています。
1月のランキングで注目したい銘柄は、電気自動車(EV)メーカーのテスラ(TSLA)や植物由来の代替肉メーカーのビヨンド・ミート(BYND)が大きく順位を上げて、ランキングトップ5に上がってきています。
ランキング上位銘柄のうち、直近で動きのあった銘柄を確認
テスラ(TSLA)

2位のテスラ(TSLA)は、1月29日に決算を発表し、納車台数が過去最高水準に達し、2四半期連続で黒字を達成しました。それを受け、その後4日間(1月30日~2月4日まで)で株価は52.6%(2月4日終値887.06ドル)急騰する展開となりました。2月4日の取引時間中には一時968.88ドルまで上昇する場面もありました。2020年に50万台以上納車するとの見通しも示しており、今後のテスラの動向にも注目です。
マイクロソフト(MSFT)

1月29日に発表された決算で市場予想を上回る収益となり、新型肺炎の拡大懸念で揺れる相場のなかで、株価はさらに上昇する展開となりました。クラウドサービスAzureの売り上げは62%伸び、引き続き現在のマイクロソフトの業績をけん引しています。また、パソコン用基本ソフト(OS)のウィンドウズも世代交代の影響で販売が伸びたことも今回の好決算の要因となりました。
ビヨンド・ミート(BYND)

植物由来の人工肉の製造・販売を手掛けるビヨンド・ミートは、2019年5月に上場後、一時株価は234.90ドルまで上昇しましたが、その後、株価は下落し、2020年1月に入るまで70~80ドル程で推移していました。
しかし、競合他社であるインポッシブル・フーズがロイター社とのインタビューで、マクドナルドへの卸売りを断念したと明らかにしたことが材料となり、株価は上昇に転じました。マクドナルドは2019年9月より、カナダでビヨンド・ミートの人工肉を使ったメニューを試験販売しています。人工肉への関心は高まっており、今後の動向にも注目です。
アマゾン・ドット・コム(AMZN)

1月30日に発表した決算で、アナリスト予想を上回る決算内容となったことを受け、株価は1,900ドル台から2,000ドル台へ窓を開け大きく上昇しました。配送時間の短縮やプライム会員の増加を背景に年末商戦時期の売上高が好調でした。調整後の1株当たり利益は6.47ドルとなり、アナリスト予想の中央値であった4.03ドルを大きく上回る結果となりました。
また、業界シェアトップであるクラウドサービスのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売り上げも34%伸ばしたようです。アマゾンの株価は2019年半ば以降、1,700ドルから1,800ドル台で横ばいの展開が続いていました。今回の決算でそのレンジを抜けたことで再びアマゾンの動向に注目があつまりそうです。
フェイスブック(FB)

1月29日に発表した決算で、コスト増により営業利益率が低下したこと、売上高の伸びが過去最低になったこと、また増収率が今後さらに鈍るとの見通しを示したことから、株価は大きく下落する展開となりました。決算発表後1月30日の取引で、株価は前日比6.1%下落しました。
コスト増の要因はプライバシー対策費用がかさんだため。市場では、プライバシー対策費用の増加ペースが落ち着くと期待されていたため失望感が広がりました。
(楽天証券 外国株式チーム)