本日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは105.47円↓下値メドは104.30円金利がコロナ前の水準に戻るには40年かかる
週明け2月1日、104.75円でオープンしたドル/円の安値は104.61円までと底堅い。NY時間に105.03円まで上値を伸ばして今年の高値を更新。終値は104.95円。
円安スタートしたドル/円。2月の相場見通しはどうでしょうか?楽天証券が1月末に実施した相場アンケート調査によると、回答を頂いた個人投資家約6,700人のうち38%が、2月は「ドル安/円高に動く」と予想していて、1月の53%から14.5ポイント減。かといって円安というわけでもなく、「円安に動く」は最も少ない25%でした。残りの37%は「動かない(わからない)」。
昨年6月以来ずっと多数派を占めてきた円高派はここに来て勢いが弱まり始めたようです。しかし円安派に転向する踏ん切りもつかない。とりあえず2月の相場展開を眺めようか、というのが個人投資家のスタンスのようです。

主要指標 終値

今日の一言
他人を押さえつけている限り、自分もそこから動くことはできない – ジョージ・ワシントン
ディスラプション(創造的破壊)
米国の製造業生産高は好調です。すでにコロナ前の水準に戻っています。もっとも、これは米国に限らず世界的な傾向であり、日本においても家電売上や巣ごもり用の家具の需要で製造業は堅調です。
ところが12月の米雇用統計を見ると、非農業部門雇用者数は▲14万人。雇用は減っているのです。新規失業保険の申請件数も80万件台で高止まりです。
雇用減のなかでの生産高増加は、米経済が「雇用なき回復」へ進んでいることを示しています。コロナ後の米雇用市場が直面することになる長期的な問題です。
新型コロナが引き起こすディスラプション(先端技術から生まれた新サービスが既存の枠組みを壊す創造的破壊)によってロボット工学やオートメ化技術がどんどん進化しています。そして技術進歩による生産性向上の期待が高まるほど、「雇用なき回復」が加速する傾向にあります。
コロナによる収益ダメージが大きい業種のロボット導入率は上昇していますが、製造業全体でも2021年末の導入率は2015年の2倍に増加すると予想されています。
その結果起きていることは、低熟練(スキル)労働者のリストラです。一方で、政府の手厚い給付金を使ってマネーゲームに熱狂する層が増え、実体経済とかい離した株価の高騰が続く。格差社会が広がっているのです。
2020年、新型コロナが世界を襲いNYなど米国の主要都市が次々とロックダウンされていくなかで、投資家は現金(ドル)が手元になければパンも買えないし、逃げ出すための車のガソリンも買えないとパニックになって株券の換金を急ぎました。「リスクオフはドル高(円安)」という関係になったのはこの時からだと記憶しています。それまでは長い間、「リスクオンはドル高(円安)」という関係が存在していました。
ところが、昨年12月にコロナワクチンの開発が成功し供給が始まると、世界経済回復の期待から「リスクオンの時はドル安(円高)」という関係にかわりました。
その関係でいうと、今はその逆、株価が下がり投資家のセンチメント(投資意欲)が下がる状態の「リスクオフ」だから「ドル高」になるわけです。

今日の注目通貨
ドル/円: 2月の予想レンジ:101.83円から106.71円
2月のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は104.27円。104.27円より上ならばドル買い優勢、104.27円より下ならばドル売り優勢。
107.64円 : 第4レジスタンス(HBO)
107.05円 : 08月 高値 (08月13日)
106.71円 : 第3レジスタンス
106.55円 : 2020年 09月 高値
106.11円 : 10月 高値 (10月07日)
105.78円 : 第2レジスタンス
105.68円 : 2020年 11月 高値
105.49円 : 第1レジスタンス
105.03円 : 2021年 02月 高値
104.75円 : 2020年 12月 高値
104.94円 : 2021年 01月 高値
104.27円 : ピボット
103.18円 : 2020年 11月 安値
103.05円 : 第1サポート
102.87円 : 2020年 12月 安値
102.76円 : 第2サポート
102.59円 : 2021年 01月 安値 LAST
101.83円 : 第3サポート
101.17円 : 2020年 安値(20年 03月09日)
100.90円 : 第4サポート(LBO)
2020年 ドル/円データ

(荒地 潤)