今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは115.70円↓下値メドは112.85円(経済)労働市場の今後の課題は「構造的需要」と「摩擦的失業」
(ユーロ)来年の仏大統領選、「フランスのトランプ」ゼムール氏が支持伸ばす
17日(水曜)のドル/円は大幅「円高」。高値114.97円、安値113.93円、1日の値幅1.04円。
「東京時間午前にその日の高値(安値)をつけて、あとは逆に進む」というのが、最近のドル/円あるあるパターン。
この日は114.78円からスタート。東京市場の朝に2017年3月以来の高値となる114.97円まで上昇。115円の大台乗せは時間の問題かと思われましたが、さすがにこの水準では実需からもドル売りが持ち込まれて結局115円にタッチすることなく失速。東京時間午前に高値(安値)をつけるパターンはこの日も健在でした。NY時間に入ってからは下げが加速して、一時114円も割り113.93円をつける。終値は114.10円(前日比▲0.72円)。ドル/円は今週の上昇分のほとんどを吐き出しました。
米雇用統計に始まりCPI(消費者物価指数)や小売売上高など、米国の強い経済指標が続いたことで、FRB(米連邦準備理事会)の利上げ前倒し期待が高まるなかで、マーケットはマイナス金利を維持する円やユーロに対してドルを買い進めました。FRB(米連邦準備制度理事会)の緩和縮小に関して、「ペースを速める可能性がある」とブラード・サンフランシスコ連銀総裁が発言したこともドル高要因。
しかし、この日は米長期金利の低下に合わせて調整が入りました。円、ユーロともにドルに対して今年の安値をつけたこともあり、週末にかけてもう少し調整が入る可能性もあります。
マーケットの目下の関心はFRB議長の人事。来週前半には正式に発表される予定ですが、パウエル議長が続投するか、それともブレイナード理事になるかで相場が大きく動く可能性があります。

主要指標 終値

今日の為替トレッキング
今日の一言
すべてが同等ならば、計画と準備が戦いの勝者を決める – アイゼンハワー将軍
Go Your Own Way
今夜、トルコ中銀は政策金利を発表します。トルコ中銀は政策金利を16.00%から15.0%に利下げすると見られています。
トルコリラは、先月10月20日にトルコ中銀が政策金利を18.00%から16.00%まで一気に引き下げたことで下落に拍車がかかり、トルコリラ安が急激に進んでいます。
11円台までリラ安が進んでいたトルコリラ/円は、今夜の政策金利発表を前にしてついに10.65円まで史上最安値を更新中。トルコリラが下げ止まる気配は今のところなく、利下げ幅が予想より大きければ、さらに加速するリスクがあります。逆に、可能性は低いものの、利下げ見送りということになれば、急反発の可能性があります。流動性の低い通貨なので充分な注意が必要。
トルコの政策金利はすでに国内インフレ率より低い実質マイナス金利の状態。これがリラ安の主な原因ですが、トルコ中銀は、インフレは「一過性」だとして利下げを正当化、この状態を是正する考えはなし。もちろんその背後には政治的圧力があることは明らかです。
「われわれは、人々の背中にのしかかる、この金利という災いを取り除く。
トルコ中銀の独立性は、すでに失われています。利下げに反対するトルコ中銀のメンバーはすべて大統領によって更迭されました。格付け会社フィッチ・レーティングスは、「トルコ中銀が必要に応じてリラを防衛する余地はほとんどない」と見放しました。
トルコは対米関係でも大きな問題も抱えています。トルコ国営銀行ハルクバンクが対イランの制裁回避を手助けしたとして米国がトルコを起訴する可能性があることです。そうなった場合にはトルコの経済が大きなダメージを受けるだけではなく、中東の地政学リスクが高まることになります。


今日の注目通貨:トルコリラ/円
予想レンジ ↑9.89円 ↓11.99円
15.23円 : 2021年 高値
13.48円 : 2021年 61.8%
12.95円 : 2021年 平均値
12.41円 : 2021年 38.2%
12.39円 : 第4レジスタンス(HBO)
11.99円 : 第3レジスタンス
11.59円 : 第2レジスタンス
11.47円 : 第1レジスタンス
10.94円 : ピボット
10.66円 : 2021年 安値(11月17日終値時点)
10.42円 : 第1サポート
10.29円 : 第2サポート
9.89円 : 第3サポート
9.49円 : 第4サポート (LBO)

(荒地 潤)