2024年1-3月期は予想通り、米ジェイビル事業の最適化やAIサーバー事業を楽観
現地コード 銘柄名 00285比亜迪電子国際
(BYDエレクトロニック)
株価 情報種類
26.80HKD
(4/30現在)
スマートフォン部品の受託製造を手掛けるBYD(01211)の子会社、BYDエレクトロニックの2024年1-3月期決算は、売上高が前年同期比38%増、純利益は33%増と、ほぼ予想通りの水準だった。業績には米電子製造受託大手ジェイビルの中国製造事業の買収に伴う償却費を含む。
1-3月期はジェイビル事業の連結化による影響が大きく、売上高は前年同期比38%増の360億元、純利益は33%増の6億元。主にジェイビル買収絡みの無形資産償却費46億元が響き、純利益が上期の市場コンセンサス予想のわずか36%相当にとどまった。また、蓄電池業務の苦戦で、全体の粗利益率は前年同期を0.8ポイント下回る6.9%。総資産と総負債は主に借入金の返済を受け、それぞれ前四半期比で100億元縮小した。
経営陣はジェイビル事業の最適化と新規事業の立ち上げを受けた設備稼働率の一段の上昇を理由に、粗利益率が年内に上向きに推移するとみている。さらに、借入金の前倒し返済による金融費用の縮小を見込む。同社は上期中に、外貨建て借入れの全額を借り換えるか返済し、残りは下期中に内部の営業キャッシュでほぼ完済する計画。同社の営業キャッシュのインフローは2023年に100億元。BOCIは実現可能な目標とみている。
部門別では、組み立て・部品が米国企業やハイエンドのアンドロイド機メーカーとの取引拡大で1-3月期に増収を確保。
BOCIは2024-26年の予想EPS(1株当たり利益)を16%、9%、7%減額修正した。無形資産償却費を反映させたためだが、一部は金融費用の低減がカバーするとの見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては、マクロ経済の減速による需要低迷、大口顧客の新製品関連ビジネスの受注減速、親会社BYDのEV販売の鈍化と調達戦略の見直し、ジェイビル事業の統合の難航などの可能性を挙げている。
(Bank of China int.)