4-6月期に苦戦も下期に回復へ、長期的なプレミアム化の進展に期待
現地コード 銘柄名 00168青島ビール
(チンタオ・ビール)
株価 情報種類
54.20HKD
(6/20現在)



中国のビール大手、青島ビールについて、マーケットは過去数四半期にわたるプレミアム化(製品構成の高価格帯へのシフト)の減速を懸念している。特に2024年4-6月には、天候不順と外食需要の低迷がビール消費に影響した。
1-3月期に製品構成の改良をけん引したのは主に、サブプレミアム市場で優位にある「青島クラシック」。白ビールも2桁成長を維持し、プレミアム市場での競争力がさらに高まった。「青島ドラフト」は苦戦したが、これは缶ビール在庫の縮小と前年実績の高さが背景。経営陣は、海外の成熟市場と比べ中国では缶ビールの普及率が明らかに低いと指摘。マスマーケット向けに関しては、ローカルブランドとその他の低価格製品を「ラオ山」ブランドに集約化し、流通事業者との連携を強化する方針を示した。BOCIは同社全体に占める中・高価格帯の割合が、2024年には数量ベースで44%に達するとみている。
2024年1-3月期の売上高は前年同期比5.2%減の101億5,000万元、純利益は10.1%増の15億9,700万元。総販売量が7.6%減の218万kL(キロリットル)にとどまる一方、平均販売価格は1kL当たり4,647元へ2.6%上昇した。
中国のビール市場は外食需要の低迷と南部での多雨が響いて4-5月に苦戦し、業界全体の生産量は前年同期比7.4%減。青島ビールの販売量も、4-6月に1桁台半ばの減少率を示す見通しとなった。ただ、今後は気温の上昇に伴って持ち直す見込み。パリ五輪などの大型イベントを迎える7-8月には売れ行きが加速し、在庫が健全化する可能性が高い。
経営陣は2024年の販売量について前年比プラス成長を予想しているが、BOCIは販売代理店が需要期を前に在庫補充に慎重になっているとみて、同1%減を見込む(主力の「青島」ブランドは2%増)。半面、製品構成の優良化とコストの低減を受けた粗利益率の改善を予想。ブランド構築やマーケティングへの投資余地が高まるとみている。
BOCIは同社の売上高とEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が、2023-26年に年率平均3.4%、13.2%のペースで拡大すると予想。2024-26年の予想EPS(1株当たり利益)を3.67元、4.07元、4.53元に設定した。
(Bank of China int.)