2024年度決算は予想下振れ、価格転嫁で主力業務の利幅改善見通し
現地コード 銘柄名 00384中国燃気控股
(チャイナ・ガス)
株価 情報種類
7.14HKD
(6/25現在)



中国の都市ガス大手、中国ガスの2024年3月本決算は、コア利益が前年比4%減の39億6,600万HKドルと、同社の事前のガイダンス(5-10%増)を下回った。主に単位当たり利益の下振れによるもの。
2024年度の純利益は前年比26%減の31億8,500万HKドルと、BOCIの予想を27%下回った。主に売掛債権と契約資産に絡む減損損失6億8,500万HKドルの計上が予想との乖離(かいり)を生んだ要因。さらに主力の天然ガス販売業務の利幅の下振れや、付加価値サービスおよびLPG(液化石油ガス)販売業務の下押しも響いた。
天然ガス販売業務の1立方メートル当たり利益は前年度の0.42元から0.50元に上向いたが、同社が事前に示したガイダンスの0.52元には届かなかった。住宅向けに供給する低コストの天然ガスの不足に加え、価格転嫁の遅れが原因。期末時点で、川上のガス調達価格の値上がり分を転嫁できたのは、住宅向け販売量の55%にとどまった。
ガス販売量は前年比2%増と、ほぼガイダンス通り。一方の付加価値サービスは6%の営業増益。香港ドルに対する元安の影響で、10%とのガイダンスに届かなかった。
同社は2025年度の天然ガスの小売売上高について前年比5%の伸びを見込む。
BOCIは主に単位当たり利益の下振れを反映させる形で、2025-26年度の利益見通しを6-8%減額修正。ほかに新規のガス管接続数に関する想定値や、付加価値サービスとLPG販売業務の予想利益も下方修正した。減損損失の追加計上が発生しないとの前提の下、2025年度の純利益、コア利益について、それぞれ前年比56%増、25%増との予測を示している。また、利益見通しの下方修正とWACC(加重平均資本コスト)の小幅の上方修正に伴い、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き下げた。新たな目標株価は2025年度の予想PER(株価収益率)で8.5倍に当たる水準。株価の先行きに対しては、強気見通しを継続している。
(Bank of China int.)