来たる7月20日、第27回参議院議員通常選挙が行われる。「選挙は買い!」という言葉を聞いたことがある方も多いはず。
7月20日は参議院議員選挙の日!
来たる7月20日(日)、参議院議員選挙が行われます。投資との関係をひもとく前に、ひとまず参議院議員選挙と衆議院議員選挙のタイミングの違いをざっくりと整理してみましょう。
参議院議員 衆議院議員 任期 任期は6年だが、3年ごとに議席の半分ずつ改選される。参議院には解散はない(任期は必ず6年) 任期は4年だが、解散すれば任期満了せずに全ての議席で選挙が行われる。ほとんどの場合で任期満了前に解散となる
参議院議員選挙は3年に1回、必ず行われることとなります。時々、参議院議員選挙に合わせて衆議院を解散し、いわゆる「衆参ダブル選挙」が行われることもありますが、今回はその気配はなさそうです。
過去の参議院議員選挙前後の株価の動きはどうだった?
衆議院議員選挙の際は、解散から選挙までの間に、ほとんどの場合、株価が上昇します。それが「選挙は買い」という投資格言を生むことになりました。
一方、参議院議員選挙の際をチェックしてみると、過去のデータを見る限り、上がったり下がったりと株価動向はバラバラで、「選挙は買い」というアノマリーにはなっていないのが現状です。
それどころか、2001年以降は、参議院議員選挙の前は株価が下がることが増えました。中でも2010年や2016年は、株価が大きく下落しています。ただ、この動きが、選挙だけが原因なのかどうかは不明です。
また、参議院議員選挙後の株価の動きも、選挙という不透明要素の通過により株価が上がりやすい状況にはなるとはいえ、毎回まちまちであり、選挙のみが原因で通常と異なる特殊な動きとなる、と言い切ることは難しそうです。
株価が大きく動く可能性は?
ただ、選挙の結果次第では、選挙後に株価が大きく動く可能性はあります。現在は衆議院においては、いわゆる「少数与党」となっていますが、参議院では与党が多数派です。
もし今回の、2025年7月の参議院議員選挙にて、与党が大敗し、野党が過半数を握るようなことになれば、与党の政権継続はかなり困難になると思われ、いわゆる政局の発生により、株価が大きく動く可能性があります。
また、政権与党が勝利することで、政局の到来が先送りとなり、それを好感して株価が上昇基調となる可能性もあります。
もしかしたら、もっと選挙が近づくと、株価が選挙の影響を織り込むかも知れませんが、現時点ではそのような状況は発生していないように思えます。
結論:過去の株価の動きは気にせず、いつも通りに
結論としては「参議院議員選挙の前後で、株価の動きを特段気にする必要はない」というのが筆者の考えです。
まず上で述べた通り、参議院議員選挙の前後の株価の動きはまちまちであり、選挙前後の特有の、一定の動きは感じられないのが一つ目の理由です。
また株価動向は、将来を織り込む力がありますから、もし選挙前に情勢がある程度明らかになれば、それは株価のトレンドとして現れるはずです。選挙結果が選挙前に予想できなかった意外なものだったとしても、株価はそれを速やかに織り込んでトレンドを形成するはずです。
選挙前に予想できないような意外な結果かどうかを、選挙前にそもそも予想することができないわけですから、考えるだけ無駄だと思います。
ですから、参議院議員選挙があろうがなかろうが、いつも通り、ご自身であらかじめ決めたルールに従って淡々と投資すればよいと思います。
筆者であれば、
[1]将来の業績が伸び、企業価値が向上する可能性が高い銘柄を選ぶ
[2]株価が上昇トレンドの間は保有し、下降トレンドになったらいったん売却する
ということをいつもと同様、行うつもりです。
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(足立 武志)