楽天証券は、月替わりでテーマを決めて個人投資家にアンケートを実施しました。今月は「2025年上半期のNISAのつみたて投資枠」について、毎月の設定額やボーナス月の設定額、2025年下半期の投資の方針・目標などを伺いました。


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今月の質問「2025年上半期、NISAのつみたて投資枠をどれくらい使いましたか?」

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲


 アンケート調査は、2025年6月30日(月)~7月2日(水)にかけて実施しました。今回のアンケートは、40代から60代をメイン(8割弱)に約2,300名を超える個人投資家からの回答を頂きました。


 本稿では、月替わりでテーマを決めて実施している「今月の質問」の回答結果をまとめています。6月のテーマは「2025年上半期、NISAのつみたて投資枠をどれくらい使いましたか?」でした。


 質問1では、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)のつみたて投資枠を利用する際の、毎月の設定額を尋ねました。100~10万円の間での数値を集計しました。


・質問1:現在、NISAのつみたて投資枠を利用する際の、毎月の設定額をいくらにしていますか?


投資家調査:NISAつみたて枠、毎月いくら?2025年下半期の投資戦略は?
※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 当該質問において、回答者の43.7%が「9万100~10万円」を選択しました。次点で「4万100~5万円」が13.1%、「2万100~3万円」が8.8%、「5,100~1万円」が8.6%と続きました。


 10万円は、NISAのつみたて投資枠の年間上限(120万円)を12カ月で案分した額であり、毎月の積立設定額の上限額です。また、当社においては、楽天カード決済で投資信託を購入する際に楽天ポイントが付与されますが、ポイント付与の対象となる購入額の上限でもあります。


 5万円は、当社において、楽天グループが提供する対象サービスにご利用いただけるオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」で投資信託を購入する際の上限額です。


 3万円は、旧NISA(2014~2023年)時代のつみたてNISAにおける年間上限(40万円)を12カ月で案分した額の近似値です。また、当社においては、楽天市場でのお買い物の際にポイントがたまりやすくなるSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象となるための購入額の下限です(3万円分以上のポイント投資でSPUの対象。

例えば、1円+2万9,999ポイントでの購入でも対象)。


 回答割合が6.6%だった「100円~5,000円以下」に該当する5,000円は、当社における「毎日積立」の上限額、100円は積立投資を設定する際の下限額です。


 10万円と3万円は、NISA(新旧)の制度に由来する金額、10万円、5万円、3万円は、楽天グループのサービスの活用に関わる金額です。多くの個人投資家は、こうした金額を目安に、毎月の積立金額を設定しておられるようです。


NISAのつみたて投資枠を利用したボーナス月の設定額は?

 質問2では、NISAのつみたて投資枠を利用する際のボーナス月の設定額を尋ねました。それを踏まえた上で、質問3では、どのようなお考えで毎月の設定額・ボーナス月の設定額を決めているかを、尋ねました。


 以下は、回答の一部です(文意をできるだけ変えず、一部修正をしています)。年間の枠、生涯の枠、老後資金のイメージ、ドルコスト平均法、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)、楽天グループのサービス活用など、さまざまな観点で金額を決めておられました。


  • 10年で、積立設定額とボーナス設定額、合わせて600万円※に達するように計算している。
    ※600万円は、NISAの生涯利用可能枠分の1,800万円から成長投資枠分の1,200万円を引いた額。
  • 20年後、老後資金として月に5万円くらいを取り崩すことを念頭に、金額を決めている。
  • 旧NISAの時と同じ金額で積み立てをしている。
  • 一日1,000円として毎月の設定額を、一日100円としてボーナス設定額を決めている。
  • iDeCoと成長投資枠とのバランスを考え、可能な範囲の最大額を、つみたて投資枠で運用する。
  • iDeCoで想定される減税額を、NISAのつみたて投資枠で運用する。
  • ドルコスト平均法を重視しているため、ボーナス設定はあえて0円にしている。
  • 自営業ゆえ、ボーナス設定はしない。
  • 年収(手取り)の約1割を12で割った額で、積立設定をしている。
  • 楽天カード利用時のポイント獲得や、SPUの対象になることを目的とし、金額を決めている。

個人投資家に聞いた2025年下半期の投資の方針・目標

 質問4では、NISAのご利用状況にかかわらず、皆さまに2025年下半期の投資の方針・目標などを聞きました。


 大変たくさんの回答をいただき、全てを紹介することはできないため、以下のとおり、主要なキーワードとその出現回数を確認します(主要なキーワードはAIツールを用いて抽出。出現回数は一部調整の上、表計算ソフトで算出)。


・質問4:[全ての投資家の皆さま] 2025年の下半期の、投資の方針・目標などを、自由にお書きください。(128字以内)


投資家調査:NISAつみたて枠、毎月いくら?2025年下半期の投資戦略は?
出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 出現回数が最も多かったキーワードは「投資」(254回)でした。次点で、株(株式含む)が(224回)、高配当(配当含む)が(101回)、買い(89回)、継続(73回)、購入(61回)、枠(60回)、積み立て(59回)、NISA(56回)、トランプ(46回)、が続きました。


 また、継続(5位)、現状維持(14位)、様子見(17位)など、2025年の上半期までの活動内容を、下半期も継続させることを示唆するキーワードが見られました。上半期に、二期目となったトランプ政権がスタートし、相互関税、中東などでのリスク拡大など、懸念点が複数あるものの、落ち着いて下半期も上半期と同様のスタイルで臨む方が多い印象を受けました。


 以下は、回答の一部です(文意をできるだけ変えず、一部修正をしています)。


  • ボーナスを待機資金とし、下落相場が来たときにスポットで購入する(20代)
  • ろうばい売りをしない(20代)
  • 相対的に割安な投資商品の購入を進めたい(30代)
  • 目標は特にない。強いて言えばプラス収支で今年を終えたい(30代)
  • NISAで淡々と積立購入を続ける。金(ゴールド)は下落したら都度購入(40代)
  • トランプ氏の発言・行動に注目しつつ、後々上がる可能性がある銘柄が安くなったら買う(40代)
  • トランプ関税の影響に一喜一憂せずに積み立てを続ける(50代)
  • just only buy and hold(50代)
  • 長期投資ゆえ、方針に変更なし(60代)
  • 投資信託をメインに国内と米国のバランスを調整。優待株が下落したら買う(60代)

 今回は、「2025年上半期、NISAのつみたて投資枠をどれくらい使いましたか?」というテーマで行った各種質問の回答結果をまとめました。今後もさまざまなテーマを用意し、個人投資家の皆さまのお考えを伝えていきます。


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