中東情勢はイラン・イスラエル間の停戦発表後にやや落ち着いていますが、7月も米国関税の発表に世界は揺れています。そのような状況でも生成AI関連銘柄を中心に株価は上昇し、S&P500やナスダックが連日で史上最高値を更新しています。

金利の先高観が和らいだこともあって株式市場は力強い値動きをしています。


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 米国の株式市場は世界最大の時価総額を持ち、建国当初から株価は右肩上がりの成長を続けています。その理由の一つとして、常に企業の新陳代謝が起こり、時代ごとに革新的な企業を生み出していることが挙げられます。


 米国株式の代表的な株式指数には下記があります。


  • 鉄道・公共事業以外の工業株30銘柄で構成される「NYダウ平均株価」
  • ナスダック(NASDAQ)に上場している全銘柄を対象とした「ナスダック総合株価指数」
  • ニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQに上場している大型株500銘柄を対象とした「S&P500種指数」

 これらに採用されている企業は長期間にわたり利益を出し続け、株価も上昇し、配当を増配し続けている銘柄も珍しくはありません。


 そこで2025年8月権利落ちの米国株高配当5銘柄について解説します。


▼参照データ
• 株価… 楽天証券 のHPにて、日本時間2025年7月10日終値を採用
• 時価総額… 楽天証券 のHPにて、日本時間2025年7月10日時点の記載情報を採用
• 配当情報、決算情報… Investing.com のHPにて、日本時間2025年7月10日時点の記載情報を採用
• 為替:1ドル=146.00円で計算
※上記日付のデータで数値を抽出・算出しております。記事公開後の市況変動で数値が異なる場合がございますので、ご了承いただきますようお願いいたします。


 まずは、日本と米国の高配当銘柄への投資で、特に重要な三つの違いについて、お伝えします。


(1)米国株の配当金は、通常米国で10%、日本で20.315%の2段階、約30%の課税がされます。しかし確定申告で還付を受けることにより、日本株と同じように20.315%の税率と同じになります。


 ただし、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で購入した場合は、日本での利益・配当金はもともと非課税のため、還付を受けることはできません。

この場合は米国で10%の課税のみとなります。


※米国市場で上場していても、国籍が米国籍企業以外の場合、配当金にかかる源泉税率は日本との租税条約によって異なり10%ではありません。


(2)米国株は日本株と異なり、権利落ち日が月末に集中していません。そのため、銘柄ごとに権利落ち日を確認する必要がありますので注意が必要です。


(3)米国株は日本円で買う円貨決済と、米ドルで買う外貨決済を選べます。日本円から外貨に替える為替手数料も積み重なると大きな金額になるので、米国株を買い続けるなら売却時にも外貨決済で米ドルにしなければ無駄に手数料を支払うことになります。


 2024年に制度改正された新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれていますが、米国株も投資できる成長投資枠では、年間240万円を運用期間無期限かつ最大1,200万円まで投資が可能となり、制度期間も恒久化されています。


 とはいえ、米国株でNISAを必ず枠全部まで利用しなければいけないわけではありません。運用期間が無期限になったことにより、自分のペースで投資をすることができますので、無理のない範囲で長期投資の手段として有効活用していきましょう。


【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明は こちら 】


米国高配当株1: INGグループ(ING)

 欧州に強固な基盤を持つグローバルバンクとして、6万人を超える従業員が100カ国以上でリテールおよびホールセール・バンキング・サービスを提供しています。


 各国のリテール市場では、貯蓄、決済、投資、ローン、住宅ローンなどの商品を提供しており、ホールセール・バンキングのお客さまには、専門的な融資、お客さまのニーズに合わせたコーポレート・ファイナンス、債券・株式市場ソリューション、持続可能なファイナンス・ソリューション、決済・キャッシュ・マネジメント、貿易・財務サービスなどを提供しています。


 時価総額は710億9,200万ドルで、日本円で約10兆3,800億円となっています(1USD=146.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「オランダ内個人向け金融事業(Retail Netherlands)」で、続いて「法人向け金融事業(Wholesale Banking)」「その他個人向け金融事業(Retail Other)」「ドイツ内個人向け金融事業(Retail Germany)」「ベルギー内個人向け金融事業(Retail Belgium)」となります。


「オランダ内個人向け金融事業」では、オランダ国内の個人顧客、ビジネス・バンキング顧客、プライベート・バンキング顧客に融資、貯蓄、投資、保険を主な商品・サービスとして提供しており、「法人向け金融事業」では、融資、決済・資金管理、運転資金ソリューション、貿易金融、金融市場、コーポレート・ファイナンス、トレジャリーなどのサービスを提供しております。


ジョンソン・エンド・ジョンソンなど5万円で買える米国高配当株【2025年8月権利落ち】
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社は楽天証券では開示されていません。


株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を大きく上回って推移しており、配当は今年に入って増配しています。定期的に自社株買いを行っていることや、業績が好調なこともあって株価は堅調に推移しています。


 直近の決算で会社側は、「地政学的およびマクロ経済的な状況が不透明な中ではあるが、欧州最大級かつ地理的に最も多様化した銀行の一つとして、インフラ、技術、防衛への投資を通じて欧州が競争力と回復力を強化する場面であると考えています。当社はその成長を支援しつつ変動を乗り越える上で重要な役割を果たす立場にあり、引き続きこの状況下でもステークホルダーに価値を提供できる自信があります」と発表しており、堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年5月2日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は、2025年第1四半期には、「預金の大幅な増加と住宅ローン件数の増加を背景に継続的な商業成長を達成するとともに、総収入は堅調な商業純金利収入と手数料収入の著しい増加により増加しました」と発表しています。


 また、「リテールでは主にドイツ、オランダ、スペイン、ポーランドの顧客数の増加が寄与し、ホールセールではグローバル・キャピタル・マーケッツとトレード・ファイナンスからの手数料収入の増加を主な要因として四半期比で増加しました」と発表しています。


 2027年の目標達成に向け順調に進んでいるとも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。次回2025年7月31日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。


注意点

 地政学的リスクによるマーケットの混乱については会社側も注意が必要であると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:1.34ドル
配当利回り:5.95
株価:23.20ドル(約3,400円)


 この銘柄、権利落ち日は8上旬の予定(権利実施は8中旬)です。


 配当利回りは710日時点で5.95%、株価は710日終値が23.20ドルでおよそ3,400円から購入できます(1USD=146円計算)。


 2023年からの最高値は23.20ドル、最安値は11.21ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株2: BP(BP)

 世界のエネルギーシステムに幅広く関わっているグローバル・エネルギー企業で、欧州、南北米、オーストラリア、アジア、アフリカで事業を展開しています。


 統合型エネルギー企業として世界トップクラスのポートフォリオを保有し、魅力的な地域における最上位の石油・ガス事業に加え、バリューチェーン全体でリーダーシップを発揮する統合型ポジションとブランドを確立しています。


 2030年までに、全く違うエネルギー企業になることを目指し脱炭素化、ビジネスの多様化を進めて、ネットゼロを加速化しています。


 時価総額は803億2,100万ドルで、日本円で約11兆7,200億円となっています(1USD=146.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「コンシューマープロダクト事業(customers & products)」で、続いて「天然ガス&低炭素エネルギー事業(gas & low carbon energy)」「石油掘削&操業事業(oil production & operations)」となります。


「コンシューマープロダクト事業」は、小売燃料、EV充電、カストロール、航空、B2B、中流などで構成されており、「天然ガス&低炭素エネルギー事業」は天然ガスを生産する上流活動を行う地域、総合ガス・電力、ガス・トレーディング、太陽光発電、洋上・陸上風力発電、水素・CCS、電力取引などで構成されています。


ジョンソン・エンド・ジョンソンなど5万円で買える米国高配当株【2025年8月権利落ち】
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

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株式の注目ポイント

 株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は今年に入って増配しています。4月以降のマーケット変動で株価は下落したものの、元々が値動きの大きい銘柄ではなく株価は年初近辺の水準となっています。


 直近の決算で会社側は、「2月に当社は戦略の根本的な見直しを発表し、今年に入ってからは三つの主要プロジェクトの稼働を開始し、六つの炭鉱発見を達成するとともに、事業売却プログラムの進展を進めてきました。これらによって上流部門のプラント信頼性が95%を超える水準を維持し、過去最高の運営効率を記録する一方で、精製設備の稼働率も96%を超えるなど、堅調な運営実績を伴っています」と発表しており、今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年4月29日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想を下回りました。


 直近の決算で会社側は、「当四半期の基礎RC(replacement cost)利益は14億ドルで、前四半期の12億ドルから増加しましたが、2024年第4四半期と比較して結果はターンアラウンド活動の影響が軽減されたこと、精製マージンの改善、その他の事業およびコーポレート部門の基本費用の減少によるものである」と発表しています。


 また、「customers & products」において第1四半期は、コストの低下と中流部門の業績改善により業績が改善しているとも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。


 次回は2025年8月5日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるか注目です。


注意点

 主要なエネルギー転換のリスクは会社も懸念であると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:1.92ドル
配当利回り:6.14
株価:31.27ドル(約4,500円)


 この銘柄、権利落ち日は8中旬の予定(権利実施は9下旬)です。


 配当利回りは710日時点で6.14%、株価は710日終値が31.27ドルでおよそ4,500円から購入できます(1USD=146円計算)。


 2023年からの最高値は41.02ドル、最安値は26.11ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株3: ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)

 1887年にニュージャージー州で法人化され,全世界で約13万8,000人の従業員を擁しヘルスケア分野における幅広い製品の研究開発、製造、販売に従事しています。


 ジョンソン・エンド・ジョンソンは持株会社であり、世界のほぼ全ての国で事業を展開しており、人々の健康と福祉に関連する製品を主な事業として、医療イノベーションにおける強みを生かして複雑な疾患の予防、治療、治癒を実現する世界、よりスマートで侵襲性の低い治療法、そして個人に最適化されたソリューションを築くことを可能にしています。


 時価総額は3,735億9,100万ドルで、日本円で約54兆5,400億円となっています(1USD=146.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「医療用医薬品事業(Innovative Medicine)」で、続いて「メドテック事業(MedTech、Medical(医療)とTechnology(技術)を組み合わせた造語)」となります。


「医療用医薬品事業」では、免疫領域、感染症領域、神経領域、がん領域、循環器・代謝領域、循環器・代謝、肺高血圧症などを取り扱っており、これらの医薬品は、小売店、卸売業者、販売業者、病院、医療従事者に処方箋に基づいて直接販売されており、「メドテック事業」では、循環器、整形外科、外科、視覚の各分野で使用される幅広い製品ポートフォリオを有しています。


ジョンソン・エンド・ジョンソンなど5万円で買える米国高配当株【2025年8月権利落ち】
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、生物学的治療薬、ワクチン、動物用医薬品を含む医療用医薬品を通じて健康ソリューションを提供するグローバル・ヘルスケア企業である メルク(MRK) 、医薬品会社であり、ヒト用医薬品の分野で製品の発見、開発、製造、販売を行う イーライリリー(LLY) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は63年連続で増配しています。株価の値動きは比較的小さい銘柄で、ここ数年は一定の範囲内で推移しています。


 直近の決算で会社側は、「堅調な営業売上高の成長は2025年のガイダンスに対する当社の自信をさらに強化しており、この四半期中に当社はイノベーションリーダーとしての地位を強化しました。炎症性腸疾患(IBD)におけるTREMFYA、非小細胞肺がんにおけるRYBREVANTとLAZCLUZE、軟部組織外科用ロボットシステムOTTAVAを含むパイプラインにおける主要な進展を達成しました」と発表しています。


 また、「神経科学分野での企業買収を完了させたことでポートフォリオをさらに強化しました」とも発表しており、今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年4月15日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は、「『医療用医薬品事業』において全世界営業売上高はオンコロジー分
野のDARZALEX、CARVYKTI、ERLEADAや、イムノロジー分野のTREMFYAとSIMPONI/SIMPONI ARIA、ニューロサイエンス分野のSPRAVATOなどを主な要因として4.2%増加しました。また『MedTech』では、循環器分野のAbiomedと一般外科分野の創傷閉鎖製品がけん引し、全世界営業売上高は4.1%増加しました」と発表しています。


 また、「関税費用、Intra-Cellular Therapiesの買収による希薄化、および為替レートを考慮しても、2025年度通期の調整後1株当たり利益(EPS)の見通しを、中間点で6.2%の成長を維持しています」とも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。


 次回は2025年7月16日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるか注目です。


注意点

 医療機器規制の枠組みや、進化するプライバシーについては会社側も懸念であると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:5.20ドル
配当利回り:3.33
株価:156.28ドル(約2万2,800円)


この銘柄、権利落ち日は8下旬の予定(権利実施は9上旬)です。


 配当利回りは710日時点で3.33%、株価は710日終値が156.28ドルでおよそ2万2,800円から購入できます(1USD=146円計算)。


 2023年からの最高値は180.25ドル、最安値は142.06ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株4: ファーストエナジー(FE)

 ファーストエナジー社とその子会社は主に送電、配電、発電を行っており、全米最大級の電気システムを構成し、米中西部と中部大西洋岸地域で600万人以上の顧客にサービスを提供しています。


 送電事業には、2万4,000マイル以上の送電線と二つの地域送電オペレーションセンターが含まれ、2024年12月31日現在、合計3,604MWの容量を管理しています。


 時価総額は229億9,400万ドルで、日本円で約3兆3,500億円となっています(1USD=146.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「配電事業(Distribution)」で、続いて「統合電気事業(Integrated)」「独立型蓄電事業(Stand-Alone Transmission)」となります。


「配電事業」は、オハイオ州とペンシルベニア州のファーストエナジーの電気事業会社を通じて約430万人の顧客に配電を行っており、「統合電気事業」は、ニュージャージー州、ウェストバージニア州、メリーランド州の約200万の顧客に配電と送電を行い、バージニア州では送電を行っています。


ジョンソン・エンド・ジョンソンなど5万円で買える米国高配当株【2025年8月権利落ち】
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、ニュージャージー州の送配電事業を営む規制対象インフラ企業で、約240万人の電気および190万人の天然ガス顧客にサービスを提供する パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ(PEG) 、規制対象の電力サービスと規制対象の天然ガスサービスを提供する ドミニオン・エナジー(D) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は今年に入って増配しています。事業柄、元々株価の値動きが大きい銘柄ではなく、2022年以降は一定の範囲内で株価は推移しています。


 直近の決算で会社側は、「2025年は素晴らしいスタートを切ることができ、第1四半期のコア利益は当社の計画に沿ったもので、実際、全ての主要な財務指標は前年同期比で大幅に改善されました。当社の内部計画と一致するか、またはそれを上回っており今年度の残りの期間を見据えると、2025年のコア利益のガイダンスを達成する軌道に乗っています」と発表しており、今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年4月23日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を下回りました。


 直近の決算で会社側は、「2024年第1四半期と比較して、コア利益はペンシルベニア州、ウェストバージニア州、ニュージャージー州での新規基本料金の影響、公式料金プログラムにおける料金ベースの増加、融資コストの低下、および通常の天候関連需要の増加により恩恵を受け、総配電量は、暖房使用が平年比15%下回った2024年第1四半期と比べて4%以上増加したことで第1四半期コア利益は、2024年第1四半期比で1株当たり0.10ドル増加しました」と発表しています。


 業績は計画通りに進んでいることからも、引き続き堅調な業績が期待されます。次回2025年7月30日に開示予定の四半期決算で、前年同期を上回る決算を発表できるか注目です。


注意点

 会社側は、自然災害や気温が業績に与える影響は懸念であると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:1.78ドル
配当利回り:4.46
株価:40.15ドル(約5,800円)


 この銘柄、権利落ち日は8上旬の予定(権利実施は9上旬)です。


 配当利回りは710日時点で4.46%、株価は710日終値が40.15ドルでおよそ5,800円から購入できます(1USD=146円計算)。


 2023年からの最高値は44.54ドル、最安値は32.60ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株5: ブルックフィールド・アセット・マネジメントLTD(BAM)

 ニューヨークに本社を置く世界有数のオルタナティブ資産運用会社であり、再生可能エネルギーとその移行、インフラ、プライベートエクイティ、不動産、クレジットなどの分野で1兆ドルを超える運用資産を有しています。


 顧客と株主の利益のために、魅力的で長期的なリスク調整後リターンを生み出すことを目標に、機関投資家およびリテール顧客向けに、さまざまな公的・私的投資商品およびサービスを運用しています。


 時価総額は908億9,600万ドルで、日本円で約13兆2,700億円となっています(1USD=146.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業は資産運用事業の単一事業で構成されています。


 売上の中心は「インフラ投資(Infrastructure)」で、続いて「不動産投資(Real estate)」「再生可能エネルギー投資(Renewable power and transition)」「プライベートエクイティ投資(Private equity)」「クレジット投資(Credit)」となっています。


「インフラ投資」では2024年12月31日現在、AUM2,020億ドルを有する世界最大級のインフラ投資運用会社であり、「不動産投資」でも2024年12月31日現在、2,710億ドル超のAUMを有する世界最大級の不動産投資運用会社となっています。


競合他社

 競合他社として、各種資産クラスにわたって補完的な1次および2次投資ソリューションを提供するオルタナティブ投資マネージャーである アレス・マネジメント(ARES) 、投資運用会社である ブラックロック(BLK) 、オルタナティブ資産運用会社である ブラックストーン(BX) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初近辺の水準を推移しており、配当は昨年増配しています。配当性向90%以上を目標とし、堅調な成長を維持していることも堅調な株価につながっているようです。


 直近の決算で会社側は、「年初から好調な四半期を迎え収益の勢いは継続し、当社の事業は、人工知能、エネルギー転換、プライベート・クレジットの成長という世界の投資メガトレンドへの深いエクスポージャーから引き続き利益を得ており、お客さまに魅力的な長期的価値を提供する体制を整えています」と発表していることから、今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年5月6日開示の四半期決算では、市場予想が開示されていません。


 直近の決算で会社側は、「フィー関連収益は前年同期比26%増となり非常に好調な結果となっているが、特に不動産の好調は目を見張るものがあり、フラッグシップ・ストラテジーへの資金流入額は60億ドルに達し、すでに160億ドルに達している不動産ストラテジーとしては過去最大の調達額となりました」と発表しています。


 また、最近のマクロ的な不確実性により、安定的で長期的、かつ市場サイクルを超えて機能し、インフレから保護された収益をもたらす必要不可欠なインフラに焦点を当てたプライベート・アセットの魅力が高まっていることも、今後の安定的な業績につながることが期待されています。


 次回四半期決算予定日は開示されていませんが、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。


注意点

 極端なマーケット変動は将来の業績に影響を与える可能性のあるリスクとして会社側は懸念しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:1.75ドル
配当利回り:3.16
株価:55.87ドル(約8,100円)


 この銘柄、権利落ち日は8下旬の予定(権利実施は9下旬)です。


 配当利回りは710日時点で3.16%、株価は710日終値が55.87ドルでおよそ8,100円から購入できます(1USD=146円計算)。


 2023年からの最高値は61.36ドル、最安値は28.46ドルとなっています(終値ベース)。


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(西崎努)

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