9月11日のドル/円は、ドル/円相場の終値は、前日比0.24円「円高」の147.21円。1日のレンジ幅は1.19円だった。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは148.15円↓下値メドは146.65円ドル:ドルはリスク通貨に成り下がる:外国人投資家は、米国資産に対してはるかに高いリスクプレミアムを求めているし、ポジションを増やす前にまずドル安を望んでいる
トランプ関税:脅して撤回という繰り返しは、不透明感を増し、消費者や企業の意思決定に影響
原油:原油価格は、世界経済成長のプロキシである
FRB利下げ:待てば待つほどのちの利下げ大きくなる恐れも
トランプ関税:ユニバーサル関税だけでも米国のCPI 2.5%押し上げ効果
ヘッジファンド:トランプ政策の不透明感増し、ポジション保有期間を大幅に短縮
前日の市況
9月11日(木曜)のドル/円相場の終値は、前日比0.24円「円高」の147.21円。1日のレンジ幅は1.19円だった。
2025年182営業日目は147.35円からスタート。自民党総裁選絡みの思惑で、東京市場では円売りが優勢だった。148円手前でしばらくもみ合いが続いたが、米国の8月消費者物価指数(CPI)発表後の夜遅くに148.17円まで買われてこの日の高値をつけた。
しかし148円台は重く、未明には146.98円まで下げてこの日の安値をつけた。ただ下値も限定的で、その後は147円台前半に戻した。

パウエルFRB議長がジャクソンホール会議で指摘した通りに、米国の雇用市場の減速が明らかになり、CPIインフレは許容範囲の上昇にとどまった。
これで米連邦準備制度理事会(FRB)が来週利下げすることは、ほぼ確定したようだ。現時点では利下げしないほうがサプライズである。マーケット参加者の興味はその次、10、11月の会合の利下げに移っているが、その幅や回数、あるいは利下げを続けるかどうかはまだ確定していない。
来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月28~29日に開催されるが、雇用統計とCPIはまだ1回ずつ発表がある。
レジスタンス:
151.21円 03/28
149.14円 09/03
148.78円 09/04
148.58円 09/08
148.17円 09/11
サポート:
146.98円 09/11
146.31円 09/10
146.22円 08/14
145.85円 07/25
145.75円 07/10
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Alone Again - Naturally
今日の一言
人は望みどおりの結果を得られもするが、たいていは手に入れられるものを手に入れるだけだ
Alone Again - Naturally
8月CPI レビュー
9月11日に発表された米国の2025年8月CPIは前年同月比2.9%上昇で、市場予想と一致したが、前月(7月)から0.2ポイント高くなった。前月比は0.4%で予想(0.3%上昇)を上回り、こちらも0.2ポイント高くなった。
詳細を見ると、エネルギー価格や、生活必需品の食料価格の上昇が目立った。CPIの構成比が高い家賃は高く、中古車や新車には関税の影響が現れ始めている。ただマーケットの解釈は、トランプ関税の価格転嫁は想定の範囲内であり、FRBが利下げを取りやめるほどのレベルでないというものだ。
FRBの政策は、歴史的に物価よりも雇用を優先する傾向が強い。今は労働市場の減速がはっきりしているだけに、インフレにある程度目をつむっても利下げを選択する可能性は高い。
米国株式市場はハト派的なFRBを歓迎して上昇している。しかし、米国の長期金利は、株式市場とは違った反応を示す公算が大きいし、FX市場における利下げの代償は「ドル安」になるだろう。

(荒地 潤)