金価格の高騰が続き、投資家の関心は「なぜ今、金なのか」に集まっています。地政学的リスクの高まりや各国中央銀行による買い増し、利下げ期待と通貨価値の下落など、金は安全資産としての存在感と上昇モメンタムを強めています。

金がポートフォリオの分散とリスク低減に果たす役割を実証データと実践的な投資手段の比較を通じて解説します。


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足元の金市況──安全資産としての存在感と上昇モメンタム

 金価格は史上最高値の更新が相次ぎ、世界的な注目を集めています。2000年以降、世界株式や米国株式も力強く上昇してきましたが、金はそれらを上回るパフォーマンスを示してきました。


金投資に再注目──分散で守る資産運用の新常識
(注)世界株式はMSCI ACWI Index、米国株式はS&P500種指数。金価格は米ドル建てスポット価格、株式指数は米ドル建て、トータルリターン。期間は2000年8月末から2025年8月末まで、月次。2000年8月末を基準日に100とし、指数化してあります。(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 株式市場が急落するショック局面では、金は「安全資産」としての特性を発揮してきました。ITバブル崩壊(2000年)、世界金融危機(2007年)、コロナショック(2020年)、ロシアによるウクライナ侵攻(2022年)など、株価が大きく崩れた局面でも相対的な強さが目立ちます。


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(注)期間:(1)2000年3月24日~2000年6月23日、(2)2007年10月9日~2008年1月8日、(3)2020年2月19日~2020年5月18日、(4)2022年1月3日~4月1日、日次。金価格は米ドル建てスポット価格、S&P500種指数はトータルリターン。(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 地政学的リスクの高まりは金需要を押し上げる傾向があります。さらに、近年は各国中央銀行による金購入の増加が需給面の支えとなっています。背景には、米ドルの相対的地位の低下、危機時の価値保全、他国通貨への過度な依存回避、長期的な実物資産への信頼といった複合的な要因があります。


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(注)期間は2010年から2024年まで、年次合計。(出所)StatistaよりGlobal X Japan作成

 通貨価値の下落(購買力の低下)も、金の相対優位を後押しします。大規模な金融緩和で通貨供給が増える中、希少性を持つ金は価値を保ちやすく、価格上昇が続きやすい構図です。


 加えて、金価格は米国の利下げ局面で強さを見せやすいという歴史的傾向があります。2000年以降の利下げ局面では金が上昇しやすく、S&P500種指数に対しても相対的に堅調なパフォーマンスを示してきました。今後、金利引き下げが進む環境では、金価格の一段高が期待されます。


下落局面で機能する金の役割

 金の最大の魅力は相関の低さです。金は株式や債券と異なる値動きを示すことが多く、主要な資産との相関係数が低いのが特徴です。相関の低い資産を組み合わせるほど、分散投資によるリスク低減効果は高まります。


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(注)世界株式はMSCI ACWI Index、米国株式はS&P500種指数、日本株式はTOPIX、世界債券はFTSE世界国債インデックス。金価格は米ドル建てスポット価格の円換算、株式指数及び債券指数は円建て、トータルリターンを使用しています。期間は2000年8月末から2025年8月末まで、月次リターンの騰落率をもとに算出しています。(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 例えば、S&P500に100%投資する場合と、S&P500と金を組み合わせる場合を比較すると、金の組み入れによってパフォーマンスの改善が見られる可能性があります。S&P500を70%、金を30%組み入れたポートフォリオでは、リターン/リスク(効率性)の改善や最大下落率の縮小といったメリットが確認できます。


 そのため金は、危機に強い「保険」としても有効です。株式市場が急落する局面で金が上昇・堅調化することがあり、ポートフォリオ全体の変動を緩和して資産の目減りを抑える機能が期待できます。


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※米ドルベースでのシミュレーションです。過去のパフォーマンスを示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。指数を用いたシミュレーションのため購入時手数料や税金などは考慮していません。(注)金価格は米ドル建てスポット価格、S&P500種指数は米ドル建て、トータルリターン。期間は2000年8月末から2025年8月末まで、月次。2000年8月末を基準日に100とし、指数化。(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

 また、金はインフレ耐性を持つ実物資産であり、通貨価値下落時に相対的な強さを発揮してきました。長期ポートフォリオに組み入れる意義は大きいといえます。投資手段も多様で、現物、投資信託、上場投資信託(ETF)などが選択肢です。


 税制面では、現物は総合課税、投資信託・ETFは申告分離課税の対象です。流動性や取引コスト、少額からの投資のしやすさを考慮すると、ETFは総合的な利便性が高い手段といえます。


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(注)2025年9月8日時点。税制の詳細については、税務専門家等にご確認されることをお勧めします。*現物の裏付けを有するオーストラリア上場のETFに投資をします。

低コストで金に投資できるETFが登場

 こうした環境の中で、低コストで金へ投資を行うことができる グローバルX ゴールド ETF(為替ヘッジあり)【424A】 と グローバルX ゴールド ETF【425A】 が9月26日に東証へ上場しました。


 グローバルX ゴールド ETF(為替ヘッジあり)【424A】は金価格そのものの動きに注目したい方向け、グローバルX ゴールド ETF【425A】は円安の恩恵も取り込みたい方向けです。取引はリアルタイムで可能、売買手数料は株式と同様で、信託報酬も低水準です。10口単位で約3,000円から買い付けでき、NISAの成長投資枠も利用できます。


 金を10~30%程度組み入れることで分散効果が期待でき、地政学的リスクの高まりや利下げ局面での防御力向上に寄与します。継続的な積立により平均取得単価を平準化するアプローチも有効です。


 金の持つ分散投資効果を活用して、皆さまのポートフォリオのパフォーマンス向上を目指す選択肢となれば幸いです。


 動画ではさらに詳しく解説していますのでぜひご覧ください。


<投資リスク>
当ファンドは、値動きのある有価証券等に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、投資元本が保証されているものではなく、これを割込むことがあります。信託財産に生じた利益および損失は、すべて投資者に帰属します。投資信託は預貯金とは異なります。基準価額の主な変動要因は、以下のとおりです。

「金の価格変動(価格変動リスク・信用リスク)」、「為替リスク」、「カントリー・リスク」、「その他」※基準価額の動きが指数と完全に一致するものではありません。※基準価額の変動要因は、上記に限定されるものではありません。※くわしくは「投資信託説明書(交付目論見書)」の「投資リスク」をご覧ください。


<ファンドの費用>
ETFの市場での売買には、証券会社が独自に定める売買委託手数料がかかり、約定金額とは別にご負担いただきます。(取扱会社証券会社ごとに手数料率が異なりますので、その上限額を表示することができません。)保有期間中に間接的にご負担いただく費用として運用管理費用(信託報酬)がかかります。グローバルX ゴールド ETF(為替ヘッジあり)とグローバルX ゴールド ETFの運用管理費用は0.0275%(税込)、投資対象とするETFの運用管理費用は年率0.15%、実質的に負担する運用管理費用は年率0.1775%(税込)程度です。また、その他の費用・手数料としては、組入有価証券売買時の売買委託手数料、先物取引・オプション取引等に要する費用、監査報酬等を信託財産でご負担いただきます。※「その他の費用・手数料」については、運用状況等により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。※手数料等の合計額については、保有期間等に応じて異なりますので、表示することができません。また、上場投資信託および上場不動産投資信託は市場価格により取引されており、費用を表示することができません。※詳しくは、金融商品取引所で取引をされる際にご利用になる証券会社にお訊ねください。

※設定・交換のお申込みにあたっては投資信託説明書(交付目論見書)の「ファンドの費用・税金」をご覧ください。


Global X Japan株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3174号 一般社団法人日本投資顧問業協会会員 一般社団法人投資信託協会会員


(Global X Japan)

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