先週はエヌビディアの好決算にもかかわらずAI株は続落。日本の外需株も日中関係の悪化で、低調でした。
今週のトピック:延期されていた米国の9月PPIなどが発表。27日は米国の感謝祭
日付 イベント 11月25日(火) ・10月全国百貨店売上高・米国で発表が延期されていた9月PPIや9月小売売上高、11月消費者信頼感指数 11月26日(水) ・米国で前週分の新規失業保険申請件数 11月27日(木) ・日銀の野口旭審議委員が講演
・米国が提案した和平案に対するウクライナの受け入れ期限
・米国市場は感謝祭で休場 11月28日(金) ・11月東京都区部CPI
・10月百貨店・スーパー販売額
・米国は感謝祭翌日のブラックフライデー(安売りセール)
- グーグルの親会社 アルファベット(GOOG) が新AIモデル「Gemini 3」の高評価で株価急騰。先週、米国高速半導体メーカー・ エヌビディア(NVDA) の好決算にもかかわらず急落した日米AI株の反騰も!?
- 米国の政府機関閉鎖で遅れていた9月卸売物価指数(PPI)、9月小売売上高が25日(火)に発表。結果が落ち込めば、逆に12月利下げ期待が高まり、米国株反発の可能性も!?
- 高市早苗首相の台湾有事発言に対する中国の反発が収束し、中国関連の日本株の反転上昇に期待できる!?
- 高市政権の円安黙認で1ドル=160円に達する可能性も。財政赤字拡大に対する警戒感で通貨安、債券安に株安が加わった「日本売り」加速に注意
11月25日(火)の日経平均
祝日明けの日経平均株価は前営業日比487円高の4万9,113円で反発スタート。しかし、後場に入り上げ幅が縮小。一時マイナス転換し、600円安まで下げ拡大しました。終値は小反発し、前営業日比33円高の4万8,659円で取引を終えました。
今週:AI株の反転上昇が続く?米国12月利下げ期待や中国向け半導体輸出規制の緩和が追い風!
今週はAI株のけん引役として新たな主役が登場。AIトレードの再燃に期待が持てそうです。
突如主役に躍り出たのは、グーグルの親会社アルファベット(GOOG)。
先週もAI株が総崩れする中、クラスC(GOOG)株が前週末比8.18%高と急騰しました。
引退を表明した米国著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いてきた米国投資会社 バークシャー・ハサウェイ(BRK.B) による1,790万株もの株式購入が判明したことが株価上昇のきっかけでした。
アルファベットの クラスA株(GOOGL) とクラスC株(GOOG)を合わせた時価総額は20日(木)にマイクロソフトを抜き、各社のAIサービスの優勝劣敗による巨大IT企業の株価の地殻変動も起こっています。
先週21日(金)には米国の12月利下げ期待が再び台頭したことやトランプ政権がエヌビディアの中国向けAI半導体の輸出容認を検討中という報道で米国のAI株は反発。
日本が振替休日だった24日(月)もグーグルの新AIモデル「Gemini 3」に対するユーザーの好評価が材料視され、アルファベット(GOOG)株は前日比6%以上も続伸しています。
先週19日(水)に2025年8-10月期の売上高が前年同期比62%増、最終利益が65%増で過去最高を更新したにもかかわらず、前週末比5.94%下落したAI花形株のエヌビディア(NVDA)も24日(月)は2%前後、反発しています。
ただ24日(月)のAI株反発でも、AI向け巨額投資が問題視され、バブル崩壊懸念の一因になっている生成AIソフト「ChatGPT」運営のオープンAIと関係が深い マイクロソフト(MSFT) は先週の7.46%安に対して0.4%の上昇にとどまっています。
同じAI株でも24日の株価の反発には濃淡があり、「エヌビディアに過去最高益をもたらしたAI向け巨額投資が果たして収益に結び付くのか」というAIバブルに対する根本的な不安感が完全に払拭されたわけではないようです。
それだけに週初めのAI株の再上昇がどれぐらい継続するかが今週の焦点。
追い風になりそうなのはトランプ大統領が米中の貿易戦争緩和を口実に、対中国向け半導体の輸出制限の解除に向けて動き出すこと。
そうなれば、再びTACO(Trump Always Chickens Out:トランプはいつもビビって引く)トレードが復活して、一気に年末までAI株の上昇が続く可能性もありそうです。
先週の日経平均株価(225種)はAI株の乱高下に見舞われ、前週末比1,750円(3.48%)安の4万8,625円まで下落。
オープンAIへ巨額出資を行っている ソフトバンクグループ(9984) が13.6%安。
エヌビディア向け半導体検査装置の販売が株価急騰要因になってきた アドバンテスト(6857) が6.2%安となるなど、AI株の総崩れが日経平均急落につながりました。
ソフトパンクG、アドバンテストの株価は2025年5~6月以降、打ち上げ花火のように急騰してきただけに、いったん崩れるとなかなか上昇に転じにくい面があります。
今週、盛り上がりを見せるグーグル再評価の波に乗って、どれぐらい日本のAI株が株価を戻せるかに注目しましょう。
日本株は高市積極財政による債券安、通貨安に加えて、株安も加速するトリプル安に注意!
先週は高市首相の台湾有事発言に対する中国政府の反発という政治問題が影を落とし、 三越伊勢丹ホールディングス(3099) が前週末比8.8%安、中国向け売り上げの多い工作機械大手の ファナック(6954) が6.6%安となるなど日本株にも影響が出ました。
しかし、今週はAIトレード復活による投資家心理の好転もあり、中国が新たな措置を打ち出さない限り、緊張は収束する可能性も高そうです。
25日(火)の10月全国百貨店売上高、28日(金)の10月百貨店・スーパー販売額の発表などが材料視され、先週下落した中国関連株が見直し買いされる展開に期待できそうです。
不安要素としては、高市政権が21日(金)に閣議決定した21.3兆円規模の経済対策による財政赤字拡大に対する警戒感で先週表面化した「日本売り」が今週も続くかどうか。
先週19日(水)には日本銀行の植田和男総裁と片山さつき財務相、城内実経済財政相が会談。
物価安定と経済成長の両立を確認し、日銀の12月利上げに一定の理解が示されましたが、為替に関して具体的な話は出なかったことから週明け24日(月)には1ドル=156円90銭近くまでさらに円安が進行しています。
今週中に1ドル=160円台に到達してもおかしくありません。
また、債券市場では20日(木)に日本の長期国債の指標となる10年国債が売られ、利回りが17年半ぶりに1.8%台まで上昇。
先週はAI株急落で株安も進んだため、小規模ながら株式、債券、通貨が全て下落する「日本売り」が進行しました。
高市首相は電気・ガス料金支援や「おこめ券」支給、ガソリン暫定税率の廃止など物価高対策を打ち出しています。
しかし、かつてのアベノミクスを継承する金融緩和姿勢を続けていることから、いまや国内の物価高の元凶といえる円安は黙認、日銀の利上げには消極的で、その政策に矛盾がないとはいえません。
市場関係者からは、2022年9月に巨額の財政赤字にもかかわらず大型減税を打ち出して株式、債券、為替のトリプル安を招いた英国のリズ・トラス首相による「トラス・ショック」の再来を危ぶむ声も聞こえています。
先週の振り返り:エヌビディア好決算でもAI株急落、円安進行でも外需株不振!内需株が資金逃避先に
先週の日経平均はAI株の急落で前週末比3.48%安でしたが、重厚長大産業の割安大型株の組み入れ比率が高い東証株価指数(TOPIX)は1.85%安にとどまりました。
しかし、日経平均0.2%高に対してTOPIX1.85%高だった先々週に比べるとTOPIX自体も大きく下落。日本株全体の勢い失速が明らかでした。
週間の業種別下落率ワースト1位はAIデータセンター向け光ファイバーメーカーが属する非鉄金属。ここまで株価が急騰してきた フジクラ(5803) が10.6%安、 三井金属(5706) が6.2%安と軒並み大幅下落しました。
1ドル=156円まで円安が進行したにもかかわらず、日中関係の緊迫化もあってか トヨタ自動車(7203) が2.6%安になるなど、外需株の多くがマイナスという異例の展開でした。
個別株では、14.9%高した イオン(8267) 、11.5%高の すかいらーくホールディングス(3197) など、物価高による値上げ効果で好業績が続く小売株の健闘が目立ちました。
また 大林組(1802) が9.6%高、 奥村組(1833) が9.3%高となるなど建設費の高騰で潤い、株主還元にも積極的な建設株、不動産など内需株が好調でした。
円安進行による原材料費高騰を値上げでしのぎ、好業績を続ける内需株は今後もAIバブル崩壊を回避する投資資金の受け皿になるかもしれません。
一方、米国事業の減損処理で今期2025年12月期が520億円の巨額赤字に転落する見込みの 資生堂(4911) は、収益源の中国と日本の関係悪化もあって17.4%安。
半導体製造向け純水製造装置メーカーの 野村マイクロ・サイエンス(6254) が業績好転にもかかわらず15.7%安となるなど、半導体関連の小型株の下落も目立ちました。
米国ではエヌビディアの好決算にもかかわらずAIバブルに対する懐疑論の高まりで、軍事産業向けAIサービスの有望株 パランティア・テクノロジーズ(PLTR) が11%安と大幅に下落しました。しかし、24日(月)には5%近く上昇に転じています。
オープンAIやソフトバンクGと米国の巨額AI設備投資「Stargate Project」を進めるデータベース大手の オラクル(ORCL) も先週11%安と続落。24日(月)の反発は1%に満たないなど今後はAI株の物色動向に変化が生じそうです。
20日(木)に発表された米国の9月雇用統計は非農業部門新規雇用者数が予想を超える11.9万人増だったものの、失業率が4.4%に上昇するなど硬軟まちまちな結果でした。
ただ、21日(金)に米国ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁が「近いうちに」利下げを行う余地があると発言。
この発言をきっかけに12月10日(水)終了の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が高まっていることが今週24日(月)の米国株急騰の追い風になっているのは間違いないでしょう。
12月は例年「クリスマスラリー」などもあって株価が上昇しやすい時期だけに期待したいところです。
(トウシル編集チーム)

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