国鉄時代に900両近くが造られたキハ40系ディーゼルカーは、現在も北海道から九州まで全国各地のJR線で見られますが、老朽化と新型車両の導入で徐々に数を減らしています。キハ40系が運転されている線区をまとめました。

JR東海のキハ40系はすべて引退済み

 全国各地のローカル線で、主に普通列車として使われてきたキハ40系ディーゼルカーが数を減らしています。キハ40系は、国鉄時代の1977(昭和52)年にデビューした車両で、1982(昭和57)年までに888両が製造されました。

 1987(昭和62)年の国鉄分割民営化時は、事故で廃車になった1両を除く887両がJR旅客6社に継承されました。以降も電車が走れない非電化路線を中心に使われてきましたが、2000年代に入ると老朽化のため廃車が進み、JR東海では2016年までに姿を消しています。

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JR西日本のキハ40系ディーゼルカー。外観は「首都圏色」(2005年9月、草町義和撮影)。

 ほかの5社では現在も使用していますが、キハ40系の置き換え用としてJR北海道はH100形、JR東日本はGV-E400系、JR九州はBEC819系やYC1形など、新型車両の開発や導入が進行しています。

 これらの中には、エンジンで発電機を回しモーターで走ったり、蓄電池を搭載し、通常は電車が走れない路線でも走れる「電車」であったりと、環境に配慮した新方式の動力による鉄道車両もあります。これに伴い、各地で見られた“お馴染みの車両”キハ40系は、徐々に活躍の場を減らしています。

キハ40系が走る線区

 キハ40系(観光用や特急用に改造された車両を除く)の普通列車が運行されているJRの主な線区は次のとおりです(2020年3月現在)。なお、これら線区でキハ40系以外の普通列車が運転されることもあります。

JR北海道

・函館本線 函館~長万部、札幌~旭川
・日高本線
・室蘭本線
・石勝線
・根室本線
・宗谷本線
・石北本線
・釧網本線
・富良野線

JR東日本

・奥羽本線 秋田~東能代、弘前~青森
・男鹿線
・五能線
・津軽線

全国ローカル線の顔 国鉄型ディーゼル「キハ40系」廃車本格化 まだ見られるJR線は?

JR東日本のキハ40系ディーゼルカー。
外観は「五能線色」(2006年7月、草町義和撮影)。

JR西日本

・城端線
・氷見線
・山陰本線
・播但線 寺前~和田山
・吉備線
・津山線
・姫新線 津山~中国勝山
・因美線
・境線
・芸備線 広島~三次
・岩徳線
・山口線

JR四国

・高徳線
・鳴門線
・牟岐線
・徳島線 徳島~穴吹

JR九州

・日田彦山線
・後藤寺線
・筑豊本線 桂川~原田
・唐津線
・筑肥線 山本~伊万里
・久大本線
・豊肥本線
・三角線
・肥薩線
・吉都線
・日豊本線 高鍋~西都城、国分~(鹿児島本線)鹿児島中央
・指宿枕崎線
・日南線

 運用車両は、5社のなかではJR西日本が最も多く、国鉄から継承された257両のうち廃車になったのは3両で、観光用に改造された車両も含め254両が現在も使われています。

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