夜食にラーメンが用意される夜行列車「WEST EXPRESS 銀河」に乗って、実際にそれを体験。その味のほかにも、まるで深夜のサービスエリアのような、独特の雰囲気を楽しむことができました。

LED職人の技も堪能です。

和歌山駅ホームにいきなり「ラーメン」!?

 JR西日本が2021年7月16日(金)より、特急「WEST EXPRESS 銀河」を京都~新宮間で運行します。京都駅を出て本州最南端の町である串本を経由し、和歌山県南部の新宮駅へ向かう列車は夜行です(京都行きは昼行)。

 この新宮行き夜行「WEST EXPRESS 銀河」では、途中の和歌山駅で名物「和歌山ラーメン」を夜食として用意してくれます。

 7月3日(土)から4日(日)にかけて、ひとあし早くこの夜行列車に乗車。「夜行列車の夜食ラーメン」を、実際に食べてきました。

 京都駅を21時15分に発車した特急「WEST EXPRESS 銀河」は、23時42分に和歌山駅へ到着。ホームへ降りた瞬間、その発車案内板を流れていた文章で「ニヤリ」とさせられます。

「ラーメン夜食つき夜行列車」に乗ってみた これは「深夜のSA...の画像はこちら >>

「ラーメン」が描かれた和歌山駅の発車案内板(2021年7月3日、恵 知仁撮影)。

「おもてなし第一弾は、『和歌山ラーメン』です(ラ)(ー)(メ)(ン)。これからの長旅に備え、細麺に豚骨醤油スープがよく絡んだマイルドな味わいの『まる豊』の和歌山ラーメンをごゆっくりご堪能ください」

 麺が箸で持ち上げられた4つのドンブリに「ラーメン」の文字(上の文の()はドンブリだと思ってください)。光る和歌山駅「LED職人」の技とおもてなしに食欲がさらにそそられて、駅の外へ出ます。

県庁所在地の駅とは思えないが…それがまた!

 夜食のラーメンは、和歌山駅東口から徒歩4分の場所にある「まる豊」での提供。乗客は2グループに分けられ、和歌山駅から時間差で店舗へ誘導されます。

「ラーメン夜食つき夜行列車」に乗ってみた これは「深夜のSA」だ! 光るLED職人の技

「まる豊」で提供されるラーメン(2021年7月4日、恵 知仁撮影)。

 乗客の店舗到着にあわせて、手際よく提供されていく「中華そば」。重くない、夜食にも向いたラーメンで、個人的には、和歌山特産の「湯浅醤油」をはじめ数種類をブレンドしたという醤油の味が特に印象的でした。

 食事後は各自、列車へ戻ります。現在時刻は午前0時30分ごろ。発車は1時ちょうどです。

「ラーメン夜食つき夜行列車」に乗ってみた これは「深夜のSA」だ! 光るLED職人の技

深夜の和歌山駅東口(2021年7月4日、恵 知仁撮影)。

 和歌山駅は西口と東口のにぎわいに大変な格差があり、ラーメン店があるのは、県庁所在地の代表駅とは思えないほど落ち着いた東口。そして、特にこの時間です。人通りもクルマ通りも、ほとんどありません。

開いている店舗は、「まる豊」とコンビニぐらい……。

 ドライブで、高速バスで、深夜のサービスエリア・パーキングエリアに立ち寄ったときのことを思い出しました。この、寝静まった深夜独特の雰囲気、空気感。非日常的で、ちょっとした冒険気分もあります。この「空気」が好きな人、結構いるのではないでしょうか。

駅前コンビニにあった「ソウルフード」 そして「WE銀河」の不穏な訓練

 さてこの「深夜の小冒険」では、「和歌山県民のソウルフード」が駅前のコンビニで買える、という情報も得られました。

「WEST EXPRESS 銀河」車内へ戻り、4号車のフリースペース「遊星」で、買ってきたそれをいただきます。

「ラーメン夜食つき夜行列車」に乗ってみた これは「深夜のSA」だ! 光るLED職人の技

和歌山県民のソウルフード「グリーンソフト」(2021年7月4日、恵 知仁撮影)。

 玉林園の「グリーンソフト」。袋を開けると全体が紙で包まれており、その中に、コーンでカバーされた抹茶ソフトクリーム。旅の味を楽しむ意味でも、ラーメン後のデザートとしても「正解」でした。世界初の抹茶ソフトクリームといいます。

 ちなみに、このたび取材で乗車した「WEST EXPRESS 銀河」は報道公開と訓練運転を兼ねていたようで、ラーメンを食べて車内に戻ると「小動物に接触したため、停車しております」「ラーメンをお召し上がりいただけません」といった車内放送の訓練が行われていました。

 乗車する皆さんの旅が何事もなく終わることを、心より祈っております。

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