鹿児島県の大隅半島から初となる福岡直通の高速バスが登場します。路線距離は340kmを超え、九州の昼行路線としてはトップクラスに。
「ブルーライナー」ブランドで福岡・山口~京阪神間の夜行高速バスを運行する森山観光バス(株式会社森山、福岡県糸島市)が、このほど九州内の新路線を開設します。運行区間は「糸島・福岡~都城・鹿屋」、こちらは昼行の路線です。
JR筑肥線「糸島高校前駅」を発車し、JR博多駅前の「HEARTSバスステーション博多」を経由、その後は九州道と宮崎道を通って宮崎県南部、都城市の「西都城駅前」に停車します。そこから東九州道の無料区間を経由し、「道の駅野方あらさの」(鹿児島県大崎町、野方IC至近)に停車したのち、「アグリパークかのや」(鹿児島県鹿屋市)が終点です。途中、北熊本SAと霧島SAでトイレ休憩を挟みます。
森山観光バスの車両。「ブルーライナー」ブランドで福岡~京阪神間の夜行バスを運行している(画像:森山観光バス)。
森山観光バスによると、鹿児島県の大隅半島と福岡を直通する高速バスは初めてとのこと。朝と夜の2往復運行で、路線距離は342km、鹿屋~博多間の所要時間は最短5時間だそうです。九州の都市間を結ぶ昼行高速バスではトップクラスの長距離路線になります。
「弊社代表が大隅半島に縁があり、地域に貢献することはできないかと検討した結果、鹿屋市から博多まで乗り換えなしで結ぶ新路線を国に申請しました。
鹿屋からこのバスで日帰り往復する場合、博多に約5時間滞在できるそうです。
勝機はあるか? 鹿児島県3位の都市「鹿屋」森山観光バスによると、福岡~鹿屋間では現在、鹿児島行きの高速バスが鹿児島空港ターミナルを経由しており、そこで鹿屋行きの空港連絡バスに乗り換えるルートが確立されているとのこと。しかし、鹿屋市は鹿児島県で3番目、10万の人口を有しながら、今まで福岡行きの高速バスが設定されたことはなかったといいます。

新路線のイメージ(画像:森山観光バス)。
「新幹線(博多~鹿児島中央)を利用する場合と比べると、今回新設された高速バスのほうが約1~2時間ほど長くかかりますが、その分運賃は安くなりますので、皆様にご選択いただけたらと考えております」(森山観光バス)
鹿屋~福岡間の運賃は4000円からで、子どもは半額になります。同社はさらに「新たな試みとして、大隅半島の食材などを福岡へ届ける貨客混載での運行も計画しています」ということです。
なお、運行開始は8月7日が予定されていましたが、まん延防止等重点措置が発出されたことなどで延期に。9月上旬の開始を予定しているということです。
※一部修正しました(8月3日17時20分)。