北海道にある東千歳駐屯地で、3年ぶりに第7師団および東千歳駐屯地の記念行事が開催されました。日本唯一の機甲師団として、戦車を約200両保有する部隊の観閲行進と訓練展示は圧巻の内容でした。
北海道に所在する陸上自衛隊第7師団の創立記念行事が2022年5月22日(日)、千歳市の東千歳駐屯地で実施されました。
「第7師団創隊67周年 東千歳駐屯地創立68周年記念行事」と銘打たれた今回のイベント。新型コロナの影響により、2020年、2021年と2年連続で実施されなかったため、3年ぶりの開催になりました。ただ、今年も感染防止の観点から駐屯地一般開放は行われず、招待者および関係者のみへの披露となりました。
第7師団創隊67周年 東千歳駐屯地創立68周年記念行事の様子(2022年5月22日、柘植優介撮影)。
第7師団は、日本唯一の戦車を中心とした編成を採る部隊、いわゆる「機甲師団」で、戦車200両以上を集中運用しています。これは陸上自衛隊のなかでも、最大の戦車数になります。また第7師団は戦車の数だけでなく装甲車の数も日本一で、これらにより完全に機械化された唯一の部隊にもなっています。
そのため、記念行事などではほかの駐屯地では味わうことができない、大迫力の観閲行進を見ることができ、それがひとつの特徴になっています。
これに関しては、執行者である中村裕亮師団長が「『我らここに励みて国安らかなり』の気概を持ち、全国運用を基本とする機動師団の先駆けとして今後とも進化し続けます」と訓示のなかで述べたほか、来賓代表として登壇した千歳市の山口幸太郎市長も「北海道、北部方面隊の骨幹師団として、また日本唯一の機甲師団として歴史を歩んできました。地元市長として大変誇らしく思っています」とコメントしていました。
訓練展示も戦車がメインまた、第7師団および東千歳駐屯地の記念行事では、最後に行われる訓練展示も圧巻です。
日本最大の戦車数を誇るため、戦車が主体で、なおかつ支援部隊として登場する車両も履帯駆動、いわゆるキャタピラ駆動のものがほとんどです。また記念行事が実施される会場は、旧日本海軍が造成した長さ2kmある滑走路跡であり、その奥には広大な訓練場が広がっている場所でもあるため、陸上自衛隊の記念行事では珍しく「地雷原処理用ロケット弾」という大型ロケットの実射も行われます。

第7師団創隊67周年 東千歳駐屯地創立68周年記念行事の様子(2022年5月22日、柘植優介撮影)。
戦車や装甲車が走り回るエリアも、ほかの駐屯地記念行事とは比較にならないほど広く、かつ同時進行に近い状況で次々行われるため、ちょっと目を離したすきに射撃の瞬間を見逃すといったようなこともありました。
第7師団の発表によると、今回の記念行事には車両約360両、隊員約1500名が参加したとのこと。一方、招待客は800人でした。なお、第7師団は公式Twitterで「来年こそは皆様に案内できることを心より楽しみにしています」とコメントしていました。