関東が梅雨入りしました。急な激しい雨による道路冠水に、関係者が警戒を強めています。
2022年6月6日(月)、関東甲信地方が梅雨入りしました。昨年より8日早い発表となりましたが、ここ1週間程度は全国的に不意な大雨が発生しています。そうしたなか、警察や消防をはじめ道路関係者が警戒を強めているのが、道路冠水の発生です。
冠水した道路のイメージ(画像:写真AC)。
6月5日には宇都宮市にて、自衛隊と警察、消防などが合同で、道路が冠水し車両が水没した想定で救助訓練を行いました。同県内では2008(平成20)年に、ゲリラ豪雨でアンダーパスが一気に冠水し、通行中の車両が水没してドライバーが死亡する事故が起こっています。
アンダーパス内部が冠水した場合は、通行止め措置などがなされることがありますが、近年、「それでは遅い」ケースが多発しているのです。
いわゆる「ゲリラ豪雨」で短時間に想定以上の雨が降り、排水が追い付かず、アンダーパス内の水位が急激に上昇し、クルマが水没する事故が各地で相次いでいます。水深や道路の端がわからないほど冠水した道路には進入しないよう国も呼びかけているものの、通行止めも追い付かないケースがある以上、ドライバーの心構え次第な部分が大きいでしょう。
たとえばJAF(日本自動車連盟)沖縄支部によると、2021年には6月だけで33件の水没救援要請があったといい、「大雨・集中豪雨の際はなるべく運転を控えましょう」としています。
落ち葉が冠水の原因に?もちろんアンダーパスだけでなく、平地での冠水も要注意です。
市内のほぼ全域が低地である埼玉県戸田市では、以前と比較しても道路や住居の浸水被害が増加しているといいます。それは、1時間あたり50ミリを超えるような短時間の豪雨が増えただけでなく、都市化が進み農地が減少したことにより、本来、地下水などとして蓄えられるはずの雨水が行き場をなくしていることが原因と考えられているそうです。
そこで、戸田市に限らず多くの自治体で市民へ協力を呼びかけているのが、道路脇の集水桝の清掃です。集水桝に溜まった落ち葉やゴミが、排水を妨げ、道路冠水の原因の一つになっているからです。

冠水したアンダーパスの例(画像:写真AC)。
大雨が降ったら、運転を控える、あるいは冠水の可能性があるルートを避けるといった自重の心を持つとともに、平時には家の周りの集水桝にも目を向けて清掃することが、冠水や浸水を防ぐことにつながるかもしれません。