東京多摩地区の国道20号をバイパスする「東八道路」、その“最終段階”の延伸工事が進んでいます。戦後まもなく計画され、いまだに完成しない「東八」、その完成形はどのようなものでしょうか。
新宿から調布・府中・八王子方面へ伸びる国道20号「甲州街道」には、いくつかのバイパスが存在。そのうち、23区内から府中市内まで中心市街地を避けた北側を走る4車線バイパスが「東八道路」です。
東八道路のうち三鷹市、調布市、小金井市、府中市を経由しますが、近年まで両端が甲州街道につながっていませんでした。ところが2019年、三鷹市から都心側へ延伸開通(放射5号)して甲州街道とつながり、いよいよバイパスとしての機能を発揮し始めています。
そしていま反対側、府中市から国立市までの未開通区間の建設が進んでいます。現在の終点である新府中街道から、同じく甲州街道のバイパスである「日野バイパス」へとつながる約1.3kmです。
国立インター入口交差点から北へ伸びる「東八道路」の跨線橋(乗りものニュース編集部撮影)。
この未開通区間が事業着手したのは2011年度。そこから用地取得や測量設計が進められてきました。2022年11月現在、JR南武線をまたぐ跨線橋がすでに姿をあらわし、排水施設や舗装などの工事を残すのみとなっています。
いっぽう南武線から北側は、用地取得が一部で未完了となっており、工事着手は保留となっています。取得済みの用地はフェンスで囲まれ、工事ヤードとして安全設備などが存置されている様子も見られます。
全通すれば、現在のように新府中街道をいったん南下して本宿交番前の甲州街道へ向かう必要がなくなり、さらに所要時間の短縮となります。
この東八道路や、日野バイパスなども、戦後まもなく策定された都市計画道路「東京八王子線」の一部です。日野バイパスのほうでも、混雑著しい八王子市内をショートカットして圏央道の高尾山ICまで直結する建設事業が進行中。「東西軸」の流動性を高める道路の開通に期待がかかっています。