南海電鉄が翌2023年の実施に向け、鉄道線旅客運賃の変更認可申請を行いました。消費税率変更によるものを除くと、1995年以来28年ぶりの改定となります。
南海電鉄は2022年10月、鉄道線旅客運賃の変更認可申請を国土交通大臣宛てに行いました。改定率は概ね10%で実質値上げとなりますが、改定されることで鉄道車両にはどのような投資がなされるでしょうか。
南海高野線の特急「こうや」で使用されている30000系電車。新型観光特急の登場で淘汰されるのか、注目される(柴田東吾撮影)。
高野山へのさらなる誘客強化策として、高野線に新たな観光特急車両を導入する計画が明らかになりました。同線では、特急列車として高野山へ向かう「こうや」のほか、観光列車の「天空」が運行されています。「こうや」には1983(昭和58)年の登場から40年近くも使用されている車両があり、その後継とも考えられます。
また観光列車「天空」も、2009(平成21)年の登場から年月が経過しているので、何かしらの手を入れる時期に来ているかもしれません。
いずれにしろ今後の発表が待たれるところですが、新型特急への投資額は約23億円が見込まれており、車両の登場は2025年度を目標としています。
ワンマン運転車両の世代交代南海電鉄は多奈川線や高野線の汐見橋支線などで、2両編成の列車によるワンマン運転を行っています。また、高架化工事(連続立体交差事業)に伴って運休している高師浜線でもワンマン運転が行われていました。
2000系・2200系とも「ズームカー」と呼ばれる車両で、高野線のうち高野山方面(橋本~極楽橋)の山岳区間の走行と、難波方の高速走行の双方に対応できるように造られています。
古参の2200系は和歌山電鐵で引き続きそもそも2200系は、1969(昭和44)年に22000系として登場。1990(平成2)年に登場した2000系の増備が進んだことで、リニューアルのうえ1994(平成6)年から2200系へ改められました。

南海汐見橋線(高野線の支線)で使用されている2200系電車。このほど置き換えが発表された(柴田東吾撮影)。
2200系は当時、高野線で引き続き使用する車両(2200番台)と支線向けの車両(2230番台)、貴志川線向けの車両(2270番台)とに分けられていましたが、その後、2200番台も支線向けに転用されました。さらに2270番台は2006(平成18)年、貴志川線が和歌山電鐵となったために、南海の手から離れています。
南海から2200系は淘汰されていくと思われますが、和歌山電鐵では引き続き使用されることになりそうです。
南海本線でもワンマン列車が拡大ワンマン運転は2022年現在、支線や高野線の一部区間で行われていますが、2024年度を目標に南海本線の一部区間へ拡大すべく検討されています。ただ厳密には、加太線のワンマン列車が南海本線の和歌山市駅に乗り入れているため、現状でも南海本線の紀ノ川~和歌山市間でワンマン運転は見られるのですが。
今後、南海本線でワンマン運転区間が拡大されれば、それに対応すべく車両の改造も行われるものと予想されます。