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阪神高速、首都高と同じ形態に 「近畿圏の新たな高速料金」

 阪神高速道路とNEXCO西日本は2024年4月1日、「近畿圏の新たな高速料金」を6月1日から実施すると発表しました。

阪神高速「1320円→1950円上限」ついに6月実施 “現金...の画像はこちら >>

阪神高速の料金が大きく変わる。
画像は東大阪線(画像:国土交通省)。

 昨年12月に発表された、阪神高速の上限料金の引上げを主軸とした新料金体系について、具体的な実施時期が示されました。主な変更点は次の通りです。

●阪神高速(主な点)
・上限料金を普通車1320円から「1950円」に引上げ
・大口・多頻度割引を最大45%に拡充
・深夜割引を新たに導入(20%)
・大和川線・堺線乗継割引を新たに導入
・関西空港方面の利用に割引を導入

 現行の料金体系への移行に際して激変緩和措置として導入されていた上限料金が、普通車で1320円から630円引き上げられます。2022年4月以降の首都高の新料金にほぼ追随する形となります。

 これまでは1320円分以上の距離を走っても、料金が1320円で据え置かれていましたが、これが距離に応じて1950円まで変動するようになります。

その代わりに、物流事業者向けの大口・多頻度割引が拡充されるほか、深夜割引が新たに導入されます。

 なお、非ETC車は距離によらず1320円(一部末端区間除く)が適用されていたところ、1950円へ引き上げられるため、実質的には値上げです。ただし、「放射線の下り方向の利用等については、入口から利用できる最大限の距離料金を適用」するとしており、一律で上限料金の徴収とはなりません。

 たとえば11号池田線の場合、中之島から池田方面を利用した場合は普通車930円、神田から池田木部終点まで利用した場合は同380円というように設定されます。

 他方、大阪都心部と関西国際空港方面との利用については、当面の間「関西国際空港方面割引」として、上限1320円になるよう割引が適用さます。また、現状で交差していてもJCTなどがない5号大和川線と15号堺線の乗継に便宜を図るため、大和川線の鉄砲出入口と堺線の住之江出入口を一般道経由で乗り継いでも1回の走行とみなす乗り継ぎ割引も新たに設けられます。

NEXCOはどう変わる?

 NEXCO西日本については、阪神高速にまたがる利用が変更となります。

・大阪・神戸都心迂回割引(料金調整)

 両社の路線をまたがって走行し、都心を迂回する経路が料金面で不利にならないよう、起終点間の最短距離を基本に料金を決定する都心迂回割引を導入します。阪神高速を主に走行する都心経由ルートの方が割安になる場合があるためです。

 たとえば助松(4号湾岸線)~中野(阪神高速13号東大阪線)を移動する場合、阪神高速経由の最短ルートは普通車1460円に対し、阪神高速6号線・近畿道経由のルートは2社の料金がかかるため1800円になりますが、これを経路に関係なく安い方の1460円に調整する制度です。

・神戸都心流入割引(拡大)
・神戸都心迂回割引(新規導入)

 大阪都心流入割引と同じく、2社にまたがって神戸都心部を迂回する利用に「神戸都心迂回割引」を新設。また、名神ー3号神戸線を避けて中国道や7号北神戸線を経由し、31号神戸山手線や32号新神戸トンネル経由で神戸の都心へ流入した場合に料金を調整する「神戸都心流入割引」は対象を拡大します。

※ ※ ※

 国の審議会では、阪神高速道路が現行の料金について「長距離利用になるほど距離当たり単価が低くなり、不公平感が存在」「道路の損傷度合いと費用負担のバランスが崩れ、原因者負担の原則にも合致しない」と説明。関西経済連合会なども、首都高の料金改定時と同様の割引制度が必要であると述べているなどしていました。

 今回の新体系は、ルートの迂回に際し、2社にまたがることで料金が増加してしまうといったハードルを下げることに主眼が置かれている、といえそうです