既存のUH-1Jとは似て非なる「別モノ」。

20年で150機の調達を計画

 陸上自衛隊は2024年4月11日、公式X(旧Twitter)において、新型の多用途ヘリコプターUH-2の調達数が39機になったと発表しました。

 それより2週間ほど前の3月25日に、UH-2ヘリコプター13機の契約を締結したとのこと。なお、これは2023(令和5)年度分の調達機数で、予算規模としては約363億円で13機のため、単純計算で1機27.9億円になります。

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陸上自衛隊のUH-2多用途ヘリコプター(画像:陸上自衛隊)。

 UH-2は、アメリカの航空機メーカー、ベル・テキストロン社とSUBARUが共同開発した民間向けの最新型ヘリコプター「SUBARU BELL 412EPX」を共通プラットフォームに、陸上自衛隊向けの仕様を織り込んだ機体で、栃木県宇都宮市にある同社航空宇宙カンパニー宇都宮製作所において製造されています。

 3月14日および29日には、2021(令和3)年度契約分の2機が陸上自衛隊に納入されたそうで、すでに10機程度が陸上自衛隊に引き渡されており、三重県の明野駐屯地に所在する陸上自衛隊航空学校や、茨城県の霞ヶ浦駐屯地にある同航空学校霞ケ浦校などに配備され、様々な試験や教育訓練などに用いられています。
 
 また、民間向けの「SUBARU BELL 412EPX」も警察庁へ納入されているほか、海上保安庁向けや消防防災ヘリコプターとしても調達されています。


 
 UH-2は、一見すると従来のUH-1J多用途ヘリコプターとよく似ていますが、エンジンが双発になり、メインローターのブレード(羽)数も2枚から4枚に増えているのが外観上の大きな相違点です。
 
 コックピット周りも液晶ディスプレイを多用した、いわゆるグラスコックピットになっているほか、各種制御系が大幅に自動化されたことで高い飛行安全性を獲得しています。最大速度、巡航速度、航続距離、最大離陸重量のすべての面で性能向上が図られており、事実上は別ものであると言えるほどUH-1Jとは異なる機体に仕上がっています。

 なお、防衛省・陸上自衛隊では2021年から約20年で150機調達する計画で、単純計算で1年あたり7.5機ずつ調達することになります。