結局正体は何だった?

高高度を飛ぶ気球であった可能性が高い!?

 アメリカ国防総省の未確認飛行物体(UFO)調査機関であるAAROは2024年4月24日、メキシコ湾上空で目撃された謎の発光体に関する調査結果を発表しました。

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夜間飛行を行うF-22「ラプター」エグリン基地にはF-22も配備されているが同機のパイロットが目撃したかどうかは不明(画像:アメリカ空軍)。

 この調査は2023年1月26日、フロリダ州エグリン基地の空軍のパイロットが、4つの発光体のようなものが1万6000~1万8000フィート(約4900~約5500m)の上空を飛行しているのを確認したというものです。目撃した空軍パイロットはこれらの物体のうち一つを2枚の画像に収めていました。

 この件は、2023年3月に共和党のマット・ゲイツ下院議員が自国への脅威の可能性もあると公聴会で取り上げ、大きな話題にもなりました。

 AAROはこの飛行物体に関して、商業用照明気球か、類似の物体を確認した可能性があると結論付けました。異常または例外的な特性や飛行行動を示していなかった点からそう判断されたようです。ただ、提供されたデータが限られているため、AAROはこの評価に「中程度の確信を持っている」としています。

 当初、空軍パイロットは対象物から4000フィート(約1220m)以内に接近したところ、レーダーと前方監視赤外線(FLIR)システムの故障に見舞われ、適切な記録が妨げられたと報告していました。しかし、この件に関しては、故障は発見されたもの、対象物に起因した故障である可能性は低いとしています。

 またAAROは、報告された物体と 同様の物理的特性を有すると判断された商業用照明気球の実験室試験 、飛行形状の再現などを行い、今回の結果報告で商業用照明気球であると結論付けた根拠としています。

 なお、気球の種類についてAAROは報告しましたが、その使用者の詳細に関しては不明としています。ちなみに、2023年2月には中国の偵察気球とされた飛行体が、大西洋のアメリカ領海上でF-22により撃墜されています。