排ガス出ず音も静かだから地下での作業にも向いているとか。

パートナー企業の電気自動車も一緒に配置

 日立建機はこのたび、千葉県市川市に新たな研究拠点「ZERO EMISSION EV-LAB(ゼロ・エミッション・EVラボ)」を新設、その開所式を2024年5月27日(月)に行いました。

 ここは、廃棄物ゼロを目指し持続可能な社会を実現する、いわゆる「ゼロ・エミッション化」を建設現場でも実現するために、ユーザーやパートナー企業などと協創する拠点として開設されています。

電動ショベルの静かさにビックリ! 日立建機の新たな研究拠点が...の画像はこちら >>

千葉県市川市に開設された日立建機の「ゼロ・エミッション・EVラボ」(乗りものニュース編集部撮影)。

 約500坪(1654平方メートル)ある敷地はコミュニケーションエリアと、デモエリアに分かれており、前者では新たなソリューションを生み出すディスカッションの場として、後者は建設現場を再現することで電動資機材の運用研究やシミュレーションを行う場として活用するそうです。

 デモエリアはEV化が進んでいるヨーロッパ、なかでもノルウェーの首都オスロの建設現場を再現しているとのこと。ここに、5tクラスの「ZX55U-6EB」、7tクラスの「ZE85」、13tクラスの「ZE135」、3種類の電動ショベルを配置するとともに、これらを動かすための給電設備として、九州電力と共同開発した建設現場用の可搬式充電設備を設置しています。
 
 説明によると、この充電設備はメインユニット、サブユニット、急速充電ユニットの3つからなり、急速充電ユニットを用いれば昼休みなどの時間を使ってEV建機の急速充電が可能であるほか、万一の際には非常用電源としても活用できるとしています。

 なお、当日は既存のエンジン搭載型ショベル「ZAXIS75US」も用意され、電動ショベルがいかに静音性に優れるか両者を動かして比べるといったことも行われていました。

「EV建機のデモンストレーション場にあらず」の真意

 この場所は、JR京葉線の高架脇にあるのですが、エンジン搭載型の「ZAXIS75US」の駆動音は電車が走っていても聞こえたのに対し、電動ショベル「ZE85」の動く音は圧倒的に静かで、電車が走ると全くわからないほどでした。

 ほかにもパートナー企業である諸岡の電動クローラキャリアや、同じくパートナー企業であるいすゞの電気トラック「エルフEV」が用意されており、これらを使って新たなソリューションやビジネスモデルを創出していくそうです。

 ただ、日立建機のゼロエミッションプロジェクトリーダー、中村和則執行役常務によると、ここは単なる電動建機のデモンストレーション場ではないとのこと。電動建機の動く姿を見せるだけではなく、それらを活用するためにはどうすればよいのか、そういったことを研究するのが目的の場所なのだとか。同社は、電動建機を開発・製造するだけではなく、それらをどうマネージメントしていくかというソリューションの創出まで一体的に進めるべく、この拠点を作ったとのことでした。

 日立建機では、ヨーロッパの建設機械市場における電動建機の占有率は直近では1%ほどでしかないものの、2030年には15~22%まで拡大すると予想しているそう。日本でも同じようにEV化の波が来ると見込まれるため、現時点では、この「EVラボ」の運用は2年のみの期間限定ではあるものの、もし今後もこういった施設が必要なら、より拡充したり場所を移したりするなどして、継続して同様の施設を運用するかもしれないと話していました。