JR鶴見駅(横浜市)にホームを新設し、中距離電車の停車を求める動きが2018年度を予定している「相鉄・JR直通線」の開業を念頭に、活発化しています。
横須賀線の鶴見駅停車を目指して現在、鶴見駅(横浜市鶴見区)には京浜東北線と東海道本線、横須賀線、湘南新宿ライン、鶴見線という5種類の列車が通っています。
そのため利便性向上などを目的に、鶴見駅へ横須賀線ホームを建設、中距離電車を停車させようという運動が昭和後期から存在しています。もしそうなれば、横須賀線の線路には湘南新宿ラインの列車も通っているため、鶴見駅から千葉・成田空港・渋谷・新宿方面、平塚・逗子方面への直結が実現しますが、ホーム建設スペースの確保が難しいことなどから、実現されていません。
しかし横浜の交通網が2018~2019年頃に大きく変貌することを受けて、この鶴見駅への中距離電車の停車を目指す運動についても、新しい動きが見られるようになりました。
現在建設中である、相模鉄道の西谷駅付近からJRの横浜羽沢貨物駅、新横浜駅を経由し東急東横線の日吉駅へ至る「神奈川東部方面線」。これによって2018年度内に、相模鉄道から横浜羽沢貨物駅でJR線に入り、渋谷・新宿方面へ直通する「相鉄・JR直通線」の列車が誕生する見込みです。
そこで横須賀線ではなく、この「相鉄・JR直通線」の鶴見駅への停車を目指して2014年9月、横浜市鶴見区の区民や団体によって「鶴見駅中距離電車停車等推進期成会」が設立されたのです。
実は7路線も集結する大ターミナルの鶴見駅鶴見駅は京浜東北線と鶴見線の列車しか停車しませんが、実は貨物線が集結する鉄道の要衝だったりします。同駅を通る路線について、以下へ簡単にまとめました。
●京浜東北線(ホームあり)
大宮~鶴見~横浜
●鶴見線(ホームあり)
鶴見~扇町など
●東海道本線(ホームなし)
東京~鶴見~横浜~神戸
●東海道貨物線(ホームなし)
浜松町~東京貨物ターミナル~浜川崎~鶴見~横浜羽沢~小田原
●品鶴線(ホームなし)
品川~武蔵小杉~新鶴見信号場(新川崎)~鶴見
●高島線(ホームなし)
鶴見~東高島~桜木町
●武蔵野線(ホームなし)
鶴見~新鶴見信号場~梶ヶ谷貨物ターミナル~府中本町~西船橋
このうち品鶴線は、横須賀線や湘南新宿ラインの経路になっています。高島線と武蔵野線の鶴見~府中本町間は基本的に貨物線で、旅客列車の定期運行がありません。
そして鶴見駅への停車が求められている「相鉄・JR直通線」は、横浜羽沢貨物駅から東海道貨物線で鶴見駅、そこから品鶴線で新鶴見信号場、新宿方面へ走る予定です。
この「相鉄・JR直通線」は鶴見駅で横須賀線とも東海道本線とも違ういちばん海側の、現在は基本的に貨物列車しか使っていない線路を通過。そのため横須賀線の線路にホーム設置は難しくとも、「相鉄・JR直通線」の線路ならば実現する可能性も考えられます。その実現によって横浜市鶴見区の平野副区長は「通勤・通学・観光の面での利便性向上や誘客促進、ひいては鶴見の発展に繋がる」としています。
品鶴線には横須賀線や湘南新宿ラインの列車が多数走行していることなどから、そこへ新たに加わる「相鉄・JR直通線」の運転本数は朝ラッシュ時に毎時4本、その他の時間帯は毎時2~3本の見込みです。