東海道・山陽新幹線の列車制御が12月5日、1日限定で大阪から行われています。またその制御を行う指令所では、東海道新幹線の環境に応じた措置がとられていました。
2015年12月5日(土)、東海道・山陽新幹線の列車制御が、この日に限り大阪市内から行われました。
通常、これら新幹線の列車制御はJR東海とJR西日本、また直通運転しているJR九州の3社が一体となって、東京都内にある「新幹線総合指令所」で行っていますが、地震などの大規模災害によりその指令所が使えなくなった場合、列車の運行に大きな影響が出る可能性があります。
そこで、いわば“バックアップ”として1999(平成11)年、大阪市内に「東海道・山陽新幹線第2総合指令所」が設置されました。1995(平成7)年に発生した阪神・淡路大震災が、そのきっかけだったといいます。
12月5日(土)はそうした大規模災害が発生し、東京都内の指令所が使えなくなったことを想定。始発列車から最終列車まで、大阪市内にある「第2総合指令所」より列車制御が行われています。
大阪市内にある「第2総合指令所」は、普段から電源が入れられた“待機状態”になっているとのこと。そして毎年1回、こうした“訓練”を行っており、今年で16回目といいます。
指令所では何をする? 米原付近ではある対応も列車の運行を制御する指令所。常に状況の監視、管理を行っているほか、イレギュラーな事態に対応できる体制が整えられています。
たとえば、車内で急病人が発生した場合。まず列車の乗務員が必要な対応をしたのち、場合によっては指令所と連絡を取り合って通過駅への臨時停車、救急車手配などが行われるそうです。
また東海道新幹線は冬になると、しばしば関ヶ原付近(岐阜羽島~米原間)の降雪によって影響を受けることがあります。そうした気象状況へ速やかに対応し、安全・安定運行を確保するため、その付近の天候・気温は随時チェックされ、指令所壁面の「総合表示板」に掲示されていました。
何らかの非常事態が発生した場合、JR東海の平山輸送指令長は「安全最優先」でまず列車を止めるといいます。またその際、列車を駅と駅とのあいだに止めないよう努力しているとのこと。
ちなみに、年に一度となる大阪市内からの列車制御を行っている12月5日(土)、東海道・山陽新幹線の営業列車は479本。延べ179人の指令員が列車制御に携わる予定だそうです。