JR東海が東海道新幹線に半個室タイプの上級クラス座席を導入すると発表しました。ただ、この上級クラス座席は、N700Sの全編成に設置されるというわけではないようです。
JR東海は2025年3月19日、東海道新幹線に半個室タイプの上級クラス座席を導入すると発表しました。ただ、この上級クラス座席は、N700Sの全編成に設置されるというわけではありません。どの編成が対象となるのでしょうか。
東海道新幹線のN700S。1次車には個室や半個室は設置されない(画像:写真AC)
同社は、2022年に東海道新幹線でグリーン車の上級クラス座席を検討することを明らかにしており、その構想が具体化した形です。
半個室タイプの座席は、N700Sの一部車両の10号車(グリーン車)内に、6席を導入。通路と座席間には出入り用の鍵付き扉を設け、大型バックシェルタイプの座席を採用することで、高いプライベート感を確保するとしています。
座席はレッグレスト付きのリクライニングシートで、半個室タイプ座席専用のWi-Fi環境や荷物スペースも整備されます。座席は転換することができ、対面での利用も可能になるといいます。サービス開始時期は2027年度中の予定です。
また、今回発表された半個室タイプの座席とは別に、個室(1編成あたり2室)の設置も発表されており、そちらは2026年度中に導入される予定となっています。
従来通り「普通車とグリーン車のみ」の編成もN700Sは現在も製造が続く最新の車両で、製造時期によって1~3次車に分けられます。
JR東海は、この半個室タイプの座席について、「現時点では、N700Sの2次車と3次車を合わせた計36編成に個室を導入する予定です」(東京広報室)と話します。また、半個室タイプの座席が設置される編成は、個室も設置されるそうです。
この2次車に関しては、既に営業運転を開始している編成は半個室や個室を備えていませんが、改造によって設置されます。これにより従来よりもシートピッチが広がる見込みで、窓割が座席と合った形になるのかも注目されます。
N700Sは最終的に、従来通り普通車とグリーン車のみとなる1次車と、半個室や個室を備える2次車以降に分かれることになります。