今回の参議院選挙では、だたひとり、その異常ともいえる移動距離で話題となった人物がいました。自民党の鈴木宗男氏です。

え、北海道の先端からいきなり沖縄!?

 2025年7月20日に投開票が行われた第27回参議院議員通常選挙。この選挙の結果、与党である自民党と公明党はともに大きく議席を減らし、獲得議席は両党合わせて47議席にとどまりました。非改選の75議席を加えても過半数には届かず、衆議院に続いて参議院でも少数与党となりました。

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演説中の鈴木宗男氏(画像:鈴木宗男公式Xより)

 今回の選挙では、参政党の躍進なども大きな話題となりましたが、なかでも「異常」ともいえる移動距離で注目を集めた人物がいます。

 それが自民党比例代表で、最後にぎりぎり滑り込み当選を果たした鈴木宗男氏です。

 鈴木氏は今回、自民党の比例代表として立候補しました。参議院選挙の比例代表は全国比例であり、衆議院選挙とは異なる制度が採用されています。

 有権者は支持する政党名、あるいは“候補者名”を記入し、個人名での得票数に応じて名簿内での順位が変動します。そして、党全体の得票数によって配分された議席数の範囲内で、得票数の多い順に当選が決まる「非拘束名簿式」が導入されています。

 つまり、より多くの有権者に名前と顔を覚えてもらい、政党名ではなく個人名で投票してもらえれば、それだけ当選の可能性が高まる仕組みです。各党が知名度の高いタレントや元スポーツ選手を参議院選挙に擁立する理由も、ここにあります。

 鈴木氏はもともと、いわゆる「どぶ板選挙」と呼ばれる、候補者が家人や通行人とひとり一人交流して支持を訴えるスタイルを得意としてきましたが、今回はその戦法を全国規模にまで拡大し、誰もが予想しなかったような選挙活動を展開しました。

 選挙活動が始まった7月3日、その初日の移動ルートはまさに驚愕でした。まず北海道・千歳空港から中標津空港まで飛び、自身の地盤で選挙活動を開始。その後、日本本土最東端の納沙布岬(根室市)を訪れ、釧路市で演説を行ったのち、釧路空港から羽田空港へ移動。さらに東京に滞在することなく、沖縄・那覇空港へと向かいました。

 翌日は那覇で活動するかと思いきや、日本最西端の与那国島、そして日本最南端の有人島・波照間島で選挙活動を実施。初日は3067km、2日目は2669kmを移動したのです。

道内の移動もかなりおかしい

 7月10日には再び北海道に戻り、午前中は函館市、昼以降は札幌市、夕方からは稚内市で活動するなど、こちらも尋常ではない移動距離で選挙戦を展開しています。

「スケジュールがメチャクチャすぎて」 選挙期間の鈴木宗男氏の動き方がぶっ飛びすぎてた件 その総移動距離は“異常”
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選挙活動中の鈴木宗男氏(画像:鈴木宗男公式Xより)

 この一連の行動について、国際情勢や選挙解説で知られるVtuber・旅野そらさんは「バカが考えた北海道旅行のスケジュールみたいな」とコメント。SNSでも「ムネオのスケジュールがメチャクチャすぎて爆笑してる」「北海道をぐるっと旅行したことあるからわかるけど、鈴木宗男の移動距離は異常」などの反応が見られました。

 最終的に、鈴木氏の総移動距離は1万9,661km。地球の半周分にも相当する、まさに“異次元のどぶ板選挙”を実行したことになります。後期高齢者となった今、その活動量は常識を超えており、一部では「影武者説」まで浮上したほどです。

 SNSでは、「移動距離が地球半周分とかいうイカれたドブ板ムーブで昭和の武闘派やべえな」「あの歳で全国中を移動して演説してた。いろいろ言われる人だけど、その点は間違いなくすごい。エネルギッシュだ」と、政治思想において好む好まざるは別として、その選挙活動に対する姿勢を評価する声が多く上がりました。

 ちなみに鈴木氏本人は、公式X(旧Twitter)で「これぞ全国比例!!~鈴木宗男 斯く戦えり~」と題し、日本の東西南北に到達した記念写真などを投稿。また、各選挙日の移動距離を記した投稿をするなど、Webを活用した選挙戦略にも意識的に取り組んでいたことがうかがえます。

【ワ、ワケわからん…】これが、ホントの全国比例!? 日本の東西南北の端を巡るムネオ氏(写真)
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