ロシア海軍・太平洋艦隊の旗艦か

 防衛省・統合幕僚監部は2025年9月8日、日本最北の有人島である北海道の礼文島沖で、ロシア海軍のスラバ級ミサイル巡洋艦を確認したと発表し、自衛隊が撮影した写真を公開しました。

【画像】異様な外観!これが自衛隊が撮影したロシア軍の「ミサイル巡洋艦」です

 今回確認されたスラバ級ミサイル巡洋艦の艦番号は「011」で、ロシア海軍・太平洋艦隊の旗艦となっている3番艦「ヴァリャーク」とみられます。

防衛省によると、同艦は9月7日正午頃に礼文島の南西約170kmの海域に出現し、宗谷海峡を東進したそうです。

 なお、それに先立ち、6日から7日にかけて、ロシア海軍のステレグシチー級フリゲート(艦番号335)も宗谷海峡を東進したことが確認されています。

 防衛省が公開した画像を見ると、ロシアがウクライナ侵攻を支持するシンボルとして使用している「Z」マークを船体に書いていることがはっきりと確認できます。

 これらのロシア艦艇に対し、自衛隊は海上自衛隊第1ミサイル艦艇所属のミサイル艇「くまたか」や第2航空群所属のP-3C哨戒機で警戒監視・情報収集を行ったとしています。

 今回確認されたスラバ級ミサイル巡洋艦は、満載排水量が約1万1000トンと大柄で、船体にP-1000「ヴルカーン」対艦ミサイルの連装発射筒が8基も並んでいる異様な外観が特徴です。元々は、旧ソ連がアメリカ海軍の空母に向けて対艦ミサイルによる飽和攻撃を行うために開発した艦艇のため、重武装となっています。

 1番艦「モスクワ」が黒海艦隊、2番艦「マーシャル・ウスチーノフ」が北方艦隊、3番艦「ヴァリャーク」が太平洋艦隊に配備されましたが、「モスクワ」は2022年4月、ウクライナ軍が発射したネプチューン地対艦ミサイルにより撃沈されています。

編集部おすすめ