能勢電鉄が妙見の森ケーブルの旅客運賃上限変更認可申請を近畿運輸局長宛てに行いました。申請が認可されれば、運賃が値上げされます。

高低差223mを約5分で結ぶ

 能勢電鉄(兵庫県川西市)は2017年1月30日(月)、鋼索線「妙見の森ケーブル」の旅客運賃の上限変更認可申請を近畿運輸局長宛てに行ったと発表しました。

 現在の普通旅客運賃は280円ですが、申請が認可されれば350円になる見通しです。

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妙見山への主要交通機関である「妙見の森ケーブル」(2012年4月、恵 知仁撮影)。

「妙見の森ケーブル」は黒川~ケーブル山上間0.6km、高低差223mをおよそ5分で結ぶケーブルカーです。おもに日蓮宗の関西における総本山・能勢妙見山への参詣客や妙見山周辺へのハイキング客らを運んでいます。

近年は年間8000万円規模の赤字に

 輸送人員は1974(昭和49)年度の19万8000人をピークに減少が続き、2011年度は7万5000人を記録。

宣伝や企画乗車券の発売、車両改修などの対策を講じた結果、2015年度は9万7000人まで回復するなどしていますが、能勢電鉄によると「今後の見通しにおいて現行運賃では収支の改善を図ることは困難な状況」といいます。

 ちなみに運賃の本格的な改定は、2014年4月の消費税率改定にともなう転嫁を除き、1995(平成7)年3月以降、見送られてきました。2015年度は2457万2000円の収入に対し、支出は1億333万9000円で、7876万7000円の赤字を計上。2016年度も約8711万円の赤字になる見通しです。

なお運賃収入のうち、2015年度の「定期」は0円ですが、申請では普通運賃と並んで、1か月の通勤定期運賃が1万930円、通学定期運賃(大人)が8340円とされています。