新幹線の車窓から、「727 COSMETICS」と書かれた広告看板が見られます。しかし、その商品を見たことがある人は少ないかもしれません。
東海道新幹線に乗っていると、車窓にしばしば「727 COSMETICS」と書かれた看板が見えます。
新幹線の車窓に見られる「727 COSMETICS」の看板(画像:セブンツーセブン)。化粧品の広告看板のようですが、「727」という化粧品が売られているところを、少なくとも記者は見たことがありません。『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)の著者であるフォトライターの栗原 景さんに、その正体を聞きました。
――「727」の広告看板は、どんな会社のもので、どんな商品を扱っているのでしょうか?
大阪市中央区に本社がある「セブンツーセブン」という化粧品メーカーの看板です。同社は美容室専売品の化粧品メーカーで、一般の化粧品店などを通じた小売りは行っていません。
――東海道新幹線の沿線には、あの看板はいくつあるのでしょうか?
少なくとも32の看板を確認しています。
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東海道新幹線の沿線だけで32はあるという「727 COSMETICS」の看板は、どのような意図から設置されているのでしょうか。セブンツーセブンに聞きました。
――「727 COSMETICS」と書いてあるだけの看板はシンプルで、そこから具体的な商品の内容は分かりません。どんな意図と目的があるのでしょうか?
新幹線から看板を見られるのはほんの一瞬で、2秒から3秒といったところでしょうか。
――看板の大きさはどのくらいでしょうか?
新幹線からの視認性を考慮して、4×8mと5×10mの2種類があります。

――看板はどこに設置しているのでしょうか? 東海道新幹線以外にもありますか?
現在は東海道新幹線のほか、山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線の沿線に設置しています。場所については視認性を最優先して決めていますが、具体的な地点や、総数は公表していません。よく「謎の看板」といわれますが、場所や数も謎のほうが面白いのではないでしょうか。
――そのほか、看板に何かこだわりはありますか?
会社の歴史とともに看板のデザインを変更しており、現在のものは3代目です。看板の視認性について、定期的に目視でのチェックも行っています。看板の前に家が建てられていたり、雑木が成長して看板を覆い隠していたりするからです。
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「謎の看板」は社員の手でメンテナンスされながら、「謎の存在」として維持されていました。
【写真】「727」の商品
