飛行機の離着陸時に、キャビンアテンダントから窓の日よけを上げるようアナウンスされるケースがあります。どのような理由があるのでしょうか。
飛行機の離着陸時、機内では窓の日よけ(シェード)を上げるようキャビンアテンダントからアナウンスされることがあります。
手前から、スカイマークのボーイング737、JALのボーイング777、ANAのボーイング787(2016年3月、恵 知仁撮影)。
このアナウンスを行っているスカイマークに話を聞きました。
――なぜ離着陸時に日よけを上げるようアナウンスするのでしょうか?
離着陸時に何かあった際、外の状況を確認するため、そして、たとえば夜間において、外の光にお客様の目を慣らしていただくためです。このため、日没後に離着陸する便においては、客室内の照明も暗くしています。
――どのような事態を想定しているのでしょうか?
外に避難するような非常の事態を想定しています。
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飛行機の事故は一般的に、離陸時の3分間と着陸前の8分間に発生する確率が高いとされています。日よけを上げることは、非常時に備えて少しでもスムーズに避難できる体制をつくる目的があるそうです。
「日よけを下ろして」のアナウンスも?一方、ANA(全日空)やJAL(日本航空)では、日よけを上げるよううながすアナウンスは特に行っていないといいます。
「お客さまの座席の日よけについては、お客様の判断で上げたままでも下げたままでもよいこととなっています。ただし、非常口の各ドアの窓については、離着陸時に上げておくことが規程化されています。これは緊急脱出時に機外の状況を確認するためといった理由によるものです」(JAL)
近年登場したボーイング787は窓に日よけがなく、窓を透過する光量を調節できる「電子カーテン」が装備されています。
ちなみに、JALでは「エコの観点から、お客さまが降機される際に、日よけを下ろすことにご協力いただきたい旨をアナウンスしている場合があります」とのこと。これは、夏場における機内の温度上昇抑制や、空調に必要なエネルギーの節約といった省エネのための取り組みだそうです。
【写真】ボーイング787の「電子カーテン」とは?

「電子カーテン」は窓を透過する光量を調節できる。左側の窓と右側の窓とで明るさが異なっている(画像:Jordan Tan/123RF)。