鈴与グループのエスパルスドリームフェリーが、静岡市の清水港と静岡県伊豆市の土肥港を結ぶ「駿河湾フェリー」の事業から撤退すると発表しました。

清水港遊覧船事業などは継続

 エスパルスドリームフェリーは2018年5月25日(金)、清水港(静岡市)と土肥港(静岡県伊豆市)を結ぶ「駿河湾フェリー」の事業から、2019年3月末をもって撤退すると発表しました。

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清水港と土肥港を結ぶ「駿河湾フェリー」は、静岡県道223号に認定されている(画像:PIXTA)。

 駿河湾フェリーは2002(平成14)年、それまでの田子の浦~土肥間の航路を変更する形で運航を開始。清水~土肥間を1日4往復、片道約70分で結んでいます。

 2013年には静岡県道223号「清水港土肥線」の認定や、富士山の世界文化遺産の登録があった一方、伊豆縦貫道の延伸をはじめとした道路状況の改善、貸切バス料金のルール変更などがあり、さらにエスパルスドリームフェリーによると、「天候の先鋭化も含めて外部要因の変動に集客が左右される事業特性はいかんともし難く、今後はさらなる燃料費の上昇等も予想されることから、断腸の思いで」フェリー事業の継続を断念するといいます。

 同社は駿河湾フェリーについて、伊豆と静岡の観光にとって必要不可欠な航路であることは十分に認識しており、同社と親会社の鈴与にとって「撤退は苦渋の決断」だったと説明。このような結果になったことを「深くお詫び」するとともに、これまでの利用者に「感謝申し上げます」としています。

 なお、エスパルスドリームフェリーが運航する清水港遊覧船事業「清水港ベイクルーズ」や水上バス事業などは今後も継続していく方針です。

【地図】駿河湾を横断するフェリー航路

「駿河湾フェリー」2019年3月末撤退へ エスパルスドリームフェリー、苦渋の決断

静岡県道223号に認定されている「駿河湾フェリー」の航路(国土地理院の地図を加工)。

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