国土交通省が2017年度の都市鉄道混雑率調査を発表。複々線が完成した小田急小田原線の混雑率が大幅に低下しました。
2018年7月17日(火)、国土交通省が2017年度の都市鉄道混雑率調査を発表。複々線が完成し、朝ラッシュ時に列車が増発された小田急小田原線の混雑率が大幅に下がりました。
線路4本が並ぶ小田急小田原線の東北沢駅付近(2017年12月、中島洋平撮影)。
同線は代々木上原~登戸間のうち10.4kmについて、東京都が進める連続立体交差化事業(おもに線路を高架あるいは地下化し、踏切をなくす事業)とともに複々線化を進めていました。「複々線化」とは、上り下り1本ずつの線路が走る「複線」から、上り下り2本ずつの計4本とする事業です。
東北沢~梅ヶ丘間1.6kmの複々線化が完成し、2018年3月17日(土)には複々線を生かすダイヤ改正を実施。朝ラッシュのピーク時間帯の列車本数を27本から36本に増やしました。
2016年度の小田原線(世田谷代田→下北沢)の混雑率は192%でした。これは東京主要区間だと東京メトロ東西線(木場→門前仲町)の199%、JR総武線各駅停車(錦糸町→両国)の198%に続くワースト3位です。
今回発表された2017年度の小田原線の混雑率は151%で、前年度から41ポイントも下がりました。なお、小田原線に接続する同じ小田急の多摩線(五月台→新百合ヶ丘)は前年度比17ポイント減の68%、江ノ島線(南林間→中央林間)は同13ポイント減の121%に。両線はいずれも輸送人員が増加していますが、列車の車両数や本数の増加によって混雑率は下がっています。
●東京圏
(1) 東京メトロ東西線 木場→門前仲町:199%
(2) JR総武線各駅停車 錦糸町→両国:197%
(3) JR横須賀線 武蔵小杉→西大井:196%
(4) JR南武線 武蔵中原→武蔵小杉:189%
(5) JR東海道線 川崎→品川:187%
(5) 日暮里・舎人ライナー 赤土小学校前→西日暮里:187%
●名古屋圏
(1) 名鉄本線 神宮前→金山:143%
(1) 名鉄本線 栄生→名鉄名古屋:143%
(1) 名鉄犬山線 下小田井→枇杷島分岐点:143%
(4) 名鉄常滑線 豊田本町→神宮前:142%
(5) 名鉄瀬戸線 矢田→大曾根:140%
(5) 名古屋市営地下鉄東山線 名古屋→伏見:140%
●大阪圏
(1) 阪急神戸本線 神崎川→十三:147%
(2) 大阪メトロ御堂筋線 梅田→淀屋橋:146%
(3) 大阪メトロ中央線 森ノ宮→谷町四丁目:144%
(3) 阪急宝塚本線 三国→十三:144%
(5) 近鉄奈良線 河内永和→布施:136%
国土交通省によると、混雑率200%は「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」、180%は「折りたたむなど無理をすれば新聞を読める」、150%は「広げて楽に新聞を読める」程度であり、100%は定員乗車、すなわち座席につくか、つり革につかまるか、ドア付近の手すりにつかまることができる状態としています。
【画像】混雑率100%~250%、それぞれの目安

列車での混雑率の目安。サービス定員を基準に算出される(画像:国土交通省)。