JAL国内線には「クラスJ」と呼ばれる独自のグレードが設定されています。ファーストクラスでは優先搭乗ができたり、機内食が提供されたりといったサービスが受けられますが、普通席に1000円プラスというクラスJとは、どのようなサービス内容なのでしょうか。

ファーストクラスほどのサービスはないが…

 飛行機はエコノミー、ビジネス(またはエグゼクティブ)、ファーストの3クラス制というイメージを持つ人もいるかもしれません。あるいは、エコノミーとビジネスのあいだにプレミアムエコノミーを挟んだ4クラス制を採る会社もありますが、一方で航行時間の短い国内線では、クラスの設定や料金の体系も異なってきます。

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JAL国内線「クラスJ」のイメージ(画像:JAL)。

 たとえばANA国内線は、普通席と上級の「プレミアムクラス」からなる2クラス制です。プレミアムクラスはシートも豪華で、機内食の提供や空港ラウンジの利用、優先搭乗といったサービスも受けられます。これはJALの「ファーストクラス」もほぼ同様ですが、JALの場合は、普通席とファーストクラスとのあいだに「クラスJ」が設定されています。

 クラスJと普通席との差額(当日アップグレード料金)は1000円です。シートは普通席よりも幅が広く、全体が前方へスライドするリクライニング機能や、レッグレスト、ヘッドレスト、大型テーブルを備えているといった違いが。シートピッチ(座席前後の間隔)も、普通席より広くとられています。

 JALによるとこのほか、普通席にはないドリンクの選択肢として健康飲料(現在はキリンビバレッジ「小岩井無添加野菜 32種の野菜と果実」)を用意しているほか、クラスJ専用のヘッドホン、ブランケットが使えるといったサービスがあるとのこと。また、クラスJを利用した場合は区間マイルも10%加算されます。

搭乗率も高い「クラスJ」、設定の狙いは

 クラスJについて、さらに詳しくJALに話を聞きました。

――クラスJはどのような路線で設定されているのでしょうか?

 国内線を運航するJAL(日本航空)およびJTA(日本トランスオーシャン航空)の全路線でクラスJを設定しています。また、J-AIR(ジェイエア)でもエンブラエル190の導入にともない、一部の路線でクラスJサービスを開始しており、随時対象路線を拡大しているところです。現在、コードシェア路線を除いたJALグループの国内線全体では、約90%の路線でクラスJを設定した機材を提供しています。

――搭乗率はいかがでしょうか?

 ファーストクラス、クラスJ、普通席の3クラスで最も高くなっています。2004(平成16)年の導入以来、他社にはないJALならではのサービスとしてたいへんご好評をいただいており、特にビジネス目的でご搭乗のお客さまに多くご利用いただいています。

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 一方で、JAL国内線のファーストクラスは、福岡、札幌、大阪、沖縄といった基幹的な路線のみで、かつ一部の便に設定しているとのこと。これは、幹線から地方路線まで多くの路線でプレミアムクラスを設定しているANAとは対称的といえるかもしれません。

「クラスJは、もっと気軽に、くつろぎの空間をより多くのお客様にお楽しみ頂くことをコンセプトとしており、(ファーストクラスと普通席の中間というよりも)普通席に近い形で提供しております」(JAL)

JAL国内線独自のグレード「クラスJ」とは 普通席にプラス1000円で何が変わるのか

JAL国内線普通席のイメージ(画像:JAL)。

 なお、JAL国内線のファーストクラスと普通席との差額は8000円です。

【写真】シートピッチも広めの「クラスJ」

JAL国内線独自のグレード「クラスJ」とは 普通席にプラス1000円で何が変わるのか

シートピッチ(座席間隔)は普通席よりも18cm広い97cm。アーム部分を含めたシートの幅は平均47cm(画像:JAL)。

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