2025年4月の「人手不足」関連倒産
2025年4月の「人手不足」が一因の倒産は、36件(前年同月比44.0%増)で、4月としては2013年以降では過去最多を更新した。内訳は、「従業員退職」14件(同100.0%増)、「求人難」10件(同66.6%増)など、賃上げが求められるなか人材の流動化が進み、従業員の採用や退職阻止に必要な賃上げが難しい小・零細企業が追い詰められている。
「人手不足」関連倒産の資本金別では、1千万円未満が23件(構成比63.8%)。形態別では、破産が32件(同88.8%)と大半を占めた。
原材料や資材、エネルギー価格上昇に加え、借入金利も引き上げられ、資金繰りが厳しい企業ほど賃上げが重くのしかかっている。従業員の不足は受注機会の消失を招き、業績回復が遅れた企業に大きな痛手となっている。
大手と中小企業の賃金格差が拡大し、賃上げをできない企業ほど人手不足がさらに進む悪循環に陥っており、人手不足を解消できない企業が倒産を押し上げる構図ができつつある。
※本調査は、2025年4月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「人手不足」関連倒産(求人難・従業員退職・人件費高騰)を抽出し、分析した。(注・後継者難は対象から除く)