(株)君津ロックウール(木更津市)は5月19日、親会社のニチアス(株)(東京都中央区、東証プライム上場)の取締役会において、解散および特別清算の申し立てを行うことと、ニチアスが当社向け債権を放棄する旨が決議された。
 負債総額は約89億4400万円(2025年3月期決算時点)。


 ニチアスの連結子会社としてロックウールの製造および販売を手掛けていた。設立当初は新日鐡化学(株)(現:日鉄ケミカル&マテリアル(株)、東京都中央区)の子会社として本社と大阪の2工場でロックウール製造を手掛け、ピーク時の2000年3月期売上高は112億7376万円を計上していた。
 2005年7月、ニチアスが当社ほか2社を買収し、大阪の工場を別法人化したことで当社の業容は一時的に縮小したが、積極的な設備投資や新工場の稼働などにより業容は改めて拡大をたどった。
 

 しかし、採算面は製造コストを吸収できず、不安定な推移を強いられ、大幅な債務超過に陥っていた。さらに、昨今のエネルギー・原材料コストの高騰などの影響も重なり、今後の回復が見込めないことから2024年3月末をもってロックウール製品の生産を停止。当社が所有する生産設備等の処分が完了したことで、解散および特別清算開始の申し立てを行うことをニチアスの取締役会で決議された。


 今後、2025年6月上旬に臨時株主総会による解散決議および東京地裁に特別清算の申し立てを行い、2025年10月に清算結了を予定している。
 なお、負債総額89億4400万円のうち、ニチアスによる貸付金は87億5000万円だが、ニチアスはすでに見込まれる損失額の全額を引当計上している。

※(株)君津ロックウール(TSRコード:571308228、法人番号:2010401058320、木更津市築地2-2、登記上:東京都中央区八丁堀1-6-1、設立1992(平成4)年2月、資本金2億2000万円)

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