10月26日、タチウオを狙って大阪湾の横瀬へ出かけました。テンヤでのタチウオ釣りは駆け引きも楽しいですが、食味もよく魅力たっぷりです。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・丸山明)
大阪湾でテンヤタチウオ
タチウオのテンヤ釣りは、ゲーム性豊かで好きな人が多い関西発祥の釣りです。エサのイワシを食いに来たところを引っ掛けるという釣法です。

横瀬のポイントへ
筆者がよく出かけていた兵庫・播磨灘のボート釣りポイントは姫路沖の家島諸島・男鹿島周辺なのですが、昨年そして今年も現在までタチウオの回遊がありません。そこで今回は明石海峡を越えて、タチウオの有名ポイントである大阪湾の横瀬まで出かけました。
タチウオが夏の初めごろに産卵で集結するのが大阪湾の横瀬です。水深50~60mの海底に、100m近いすり鉢状の凹みを形成しています。有名なタチウオポイントで、あらゆる釣り船が集結します。シーズンは夏から冬で、テンヤ釣りからジギングまで、連日たいへんな盛況です。食わせる駆け引きと重たい引き、それに上品な味わいの白身は、ぜひこの時期狙ってみたい魚です。
道糸は多めに巻く
狙う水深が100m近くと深く、電動リールが欲しくなる水深です。リールの種類の前に、ラインは1.5~2号を150~200mは巻いておく必要があります。タチウオの鋭い歯で高切れ、または、他の釣り人の釣ったタチウオの歯がラインに当たって切れるということがあります。ライン量が少なく、リールの予備がなければ、朝一番で終了です。気をつけましょう。
すでに船団の姿が
当日は夜明け前に出航するも遠く、釣り開始は7時を回りすでに多くの船が釣っています。船の隙間に紛れ込み、水深90mからスタート。

初物は指幅3本クラス
初物は、2回目の巻き上げで、ゴツゴツと独特のアタリが出て、動きを止めずに強い引き込みを待ちます。グーンと来たところで大きくアワせて、巻き上げですが、ここで緩めるとバラすので、シームレスに巻いて浮かせ取り込みます。まずは、朝日に輝くきれいなタチウオでしたが、サイズは指の幅3本サイズ。

このサイズがこの日のレギュラーで、ここからそれなりのペースで釣れますが、サイズは大きくなりません。ほとんどの魚は、アタリがあれば釣れますが、このタチウオだけはアタリが鮮明に出ても掛からない時は、掛かりません。
テンヤでの釣りは、ハリを食わせるのではなく、エサのイワシを食いに来た時に、大きなハリで引っ掛けるので、ここらが他の魚と違って独特の駆け引きとなります。
40号テンヤで、リーダーは8号。その先に30cmのワイヤーを入れるか、12号のリーダーを1ヒロ入れるかで鋭い歯によるラインブレイクを防ぎます。テンヤの上にケミホタルをつけて集魚効果を狙います。100m近い海底は真っ暗でしょうから、ケミホタルは効果があるようで、ジギングもこのテンヤもケイムラやグロー系ですから、光物には興味が出るのでしょう。私は好きな必須アイテムです。
エサ切れで納竿
当日は潮の緩い長潮。ゆっくりとした潮はこの釣りの条件で、食いが落ちることなく順調なものの、8匹釣ったところで最後のエサになってしまいました。エサの調達量を間違え、少なすぎました。2年ぶりのテンヤタチウオなのでエサの持参量を間違えました…。エサ切れの10時に沖上がりです。
もう30分釣れば10匹だったのが少々悔しいですが、そんな失敗をしながらも、順調な釣りで楽しくできました。

エサをタチウオに「見せる」
タチウオのテンヤ釣りの誘い方やアワセは、様々な技法を言われますが、基本的には超スローで巻き上げながらタナを探ります。ジグではなく生エサなので、必ず食いたくなります。だから、エサをタチウオに見せつけることが肝です。
テンヤは横になった状態で上がり、立ち泳ぎのタチウオは下からイワシの腹を食ってきます。達人は、ハリだけを噛むのがいると言いますが、そんな曲者は無視して、腹を食うのを待ち、グングンとアタリが出れば、エサを食っている証拠なのでアワせるタイミングです。
これが悩ましく、積極的にアタリに対して掛けていくか、または、強く引き込むまで待ち、グーンときたらアワせるかです。数を釣る人は積極的にアワせられるのかもしれませんが、私は無難にグーンと来たら、少し送り込んでから大きくアワせると同時に巻き上げます。今回はこれで通しました。

エサを食うのが下手?
今後もいろいろ試していこうと思います。関東のテンビン仕掛けで切り身で釣っても、一気に食わない場合も多いようで、そういう風に考えると、この魚は捕食の下手な「変わり者」なんでしょう。それだけに、釣法いろいろなれど、人気があるのですね。
しかし、基本は何と言っても、生エサを等速の超スローで見せつけて誘います。
30年も前の明石沖の乗合船で、胴突き仕掛けに海エビでタチウオを釣ったことがありますが、ハリスを切られながらも釣れたのは、魚影の違いだったのでしょう。テンヤでの釣りも、始まった頃にはよく釣れていましたが、個体数が減り、条件がかわったようです。
そして、タチウオは釣り後のお楽しみも抜群。適度に脂の乗った白身は、上品で味わい深いです。このサイズだと三枚下ろしより、適当な長さで切って、塩焼きやソテーが一番です。いくらでも食べられてしまう美味しさです。秋のタチウオは、釣って楽しく食べて美味しく、いかつい顔からは考えられない素敵な狙い物です。
<丸山明/TSURINEWS・WEBライター>
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